人文学部 心理学科(67KB)

特長(心理学科)
感情心理学
感情は、情動、情緒などともいわれ、日常生活にもしばしば影響を及ぼす心理現象です。
それと同時に、実証的な心理学の領域においてすらさまざまな立場から多様な定義がなさ
れ、未解明のテーマが多い研究対象でもあります。授業では、これまでの心理学的研究が
提起してきた感情に関する知見を概説し、感情を科学的に理解するための基本的な視点を
示していきます。
認知心理学
心理学で「認知」という語はさまざまな意味で用いられますが、ここでは知覚された環境
情報を理解・解釈し、後の行動に役立てる一連の過程とします。そこには、理解、推論、
記憶、連想など、人間特有の高次な精神作用が関わり、その過程は外的な刺激側の特徴と
認知主体(人)側の内的要因の双方に影響されています。授業ではそのような複雑な様相
を呈する認知過程の諸相を論じ、絶えず変化する環境に柔軟に向き合う人間の高い適応力
を描き出します。
心理診断法Ⅰ(質問紙法)
質問紙法とは、簡単な質問に答えていくことによって、回答者の性格や行動、考え方の特
徴を明らかにする技法であり、さまざまな研究分野で用いられている心理学の重要な方法
です。性格テスト的なクイズは雑誌などでもよく見かけますが、心理学で本格的に使われ
ている方法は厳密さや科学的な裏付けの点で全くレベルが違います。では、本物の質問紙
はどんなもので、どうやって作られ、どのように心を分析していくのでしょうか。心理診
断法Ⅰでは、質問紙を使った研究に不可欠な理論的背景を解説するとともに、この方法を
実際に体験しながら学んでいきます。
心理統計法Ⅲ
心理学の実証研究を行う際に必要となる統計的手法の基本的な技法および考え方について、
分散分析、因子分析、回帰分析、古典的テスト理論というトピックスを取り上げます。デ
ータ分析においては高校時代にも学習した数式を用いることもあります。統計的手法の選
択、指標の適切な解釈を行うことができるようにすることを目的とします。
臨床心理学
昨今、心の問題やさまざまな問題行動などが取りざたされています。臨床心理学とは、そ
れらの理解や解決に心理的要因が関与していると思われる種々の症状を示す個人や集団に
対して、より適応した日常生活を送ることに導くために行われる専門的な援助の体系なの
です。本科目では、臨床心理学の入門として、その基本的発想、臨床面接の進め方、課
題など基本的知識を学びます。