生徒諸君へ 校長室の窓から 2015.6.15 第3号 『福井大地震』 1948 年(昭和 23 年)6 月 28 日は朝から曇り空で 蒸し暑く、道で会う人々は「嫌な天気ですな」とあ いさつをかわしたような日でした。午後 4 時 14 分に 突然にぶい地鳴りとともに、大地は激しく上下、左 右に揺れ、屋内の人は壁にたたきつけられ、道ゆく 人々は地面にひき倒され、はいつくばりました。気 がつけば周囲は土煙で先が見えず、町並みの家々は ペチャンコにつぶされ、さながら生き地獄のような 震災後の福井市内、崩れかかった 後のビルは大和デパートです。 光景だったといいます。これが、福井大地震です。震源地は坂井市丸岡町付近でした。 この福井大地震は、あの 2011 年の東日本大震災、1995 年の阪神・淡路大震災に次ぐ戦 後3番目の規模の震災です。死者の大部分が、当時あわせて人口 15 万人前後にすぎなかっ た福井市および現在の坂井市・あわら市に集中しており、その被害率は、日本の近代史上 でも類をみません。特に坂井市部分では、死者が人口の 5%という(阪神・淡路大震災時 の神戸市が約 0.3%)大惨事となりました。また、これまでは震度(揺れの大きさを表す 尺度)は6まででしたが、気象庁が新たに震度7を設定しました。ここ春江町でも、夕食 の準備をしている家庭が多かったため大火災が生じ、また、神社の石碑や墓地の墓石が転 倒し、地割れも起き、学校や役場も倒壊しました。 東日本大震災から 4 年以上経っても、東北は完 全復旧したわけではありません。いまだにいろい ろな形で苦しんでいる人たちが多数います。その ことも含めて、私たち福井県民・坂井市民はこの 6 月 28 日を決して忘れてはならないのです。例年 北陸線の九頭竜川鉄橋、橋が落ち、 線路がねじ曲がってしまいました。 6 月末に行われる避難訓練の時などにこの福井大 地震について振り返ってほしいと思います。
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