長崎での再生医療(江口 晋)

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長崎での再生医療
晋
長崎大学大学院移植・消化器外科教授
江口
先日、医学部長に呼ばれ、長崎における再生医
しては、世界初の試みで、福岡、広島、熊本など
療の現状と展望について尋ねられました。その際
を飛び越えた長崎一東京聞の連携の意義は大きい
の臨席者の方々は、今までに長崎で行われてきた
と言われています。このように、長崎大学では、
再生医療について全ぐ情報がないようであったの
他大学に引けを取らない量、質での再生医療の研
で、医師会の先生方を含め情報提供をさせて頂き
究を行っており、何より、やる気のある若い指導
ます。
者、研究者が活き活きと切磋琢磨しているのが心
長崎大学では、実は各教室がハイレベルの再生
強いと感じております。感染症研究、放射市凱升究
医療(医学)の研究を行ってきました。しかし、
に続く第王の研究の柱として、再生医療の重点化
各々単発で社会へのインパクトが低かったため、
が望まれます。
知識の糾合が必要と考えました。そこで、2008年、
私共の教室では、外科治療を中心に行っており
形成外科の平野明喜教授を代表世話人、当教室
ますが、通常外科は「切除」、すなわち「引き算」
が事務局となり、長崎障害者支援再生医療研究会
のイメージであります。例えぱ、胃切除は 1800
を立ち上げました(http://WWW.med.nagasaki・U
ac.jp/rms・ngs/)。その後 3 4 ケ月毎に研究会
年代から、病変を含め胃を切除し、残った臓器を
を開催し、臓器枇断的に一般演題、そして国内の
つまり、欠損部は補われていません。私の専門の
ホットトピックの特別講演をして頂いております。
阿蔵器移植」でも、「プラスマイナス・ゼロ」で
吻合する術式が今も変わらず採用されています。
また勉強するだけでなく、研究会として再生医療
す。私は、未来の外科は欠損臓器を自己組織より
というシングルトピックで結集し、感染症、被爆
再生し、移植するところまで行きたいと老えおり、
医療に続く第三の柱として長崎発の研究を打上げ
教室員の受け売りではありますが、「たし算」も
たいという理念もあります(図 1)。ここで、何
老えたいと存じます。肝移植は現在までに209例
故「障害者支援」という枕語が付いているのかを
を施行してきました(2014年9月現在)が、並
説明したいと思います。これは現在、国政を担当
行して 2008年、「スーパー特区剤朋包シートプロ
されている冨岡勉先生より頂いた知恵で、中央
ジェクト」に参画し、大学病院内に CeⅡNocesS血g
で好まれている keyword を付けて、今後の大型
Ce址er (CPC)を導入する恩恵を受けました。そ
研究プロジェクトへのチャレンジを行いやすいよ
の問、教室内にバイオエ学博士を雇用し、大学院
うに熟慮した結果であります。
生とともに研究を継続してきました。東京女子医
長崎大学内で現在動いている大きな研究として、
大とプロジェクトチームを組み、約2年に渡って
歯学系再生医療研究では、歯髄、歯根、顎骨など、
厚労省と交渉していた申請が承認され、 2013年
医学系では、軟骨、滑膜、皮膚、心、肺、肝胆縢、
7月より前述の「食道癌ESD後再生医療」を大
眼、消化管、中耳、腎、骨髄、脳などが挙げられ
学病院のバックァップのもと、当院消化器内科、
ます。今後は、ipS細胞や各種幹細胞などを用い
口腔外科、細胞療法部、臨床研究センター等と開
た薬系の研究も増えていくことと思われ、このよ
始しました。現在9例を施行しており、 2014年
うに臓器横断的に再生医療研究が行われている大
10月末までに全10例の施行を終了し、評価後に
学は意外と少なく、大きな動きとなりつつありま
次のステップへ進む計画としております。実際、
す。現在、長崎大学での臨床研究としては、複数
細胞を用いた治療は、予想以上の治療効果を発揮
科が関わっている「空輸自己口腔膜粘膜上皮細胞
しており、人工物、薬剤のみとは異なる良質なサ
シート移植による食道がんESD後再生医療」が
イトカインソースとしての機能があるようです
挙げられます(図2)。これは消化器再生医療と
(図3)。私自身も、驚きの目で結果を見守って
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長崎県医師会報第826号平成26年Ⅱ月
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の種作りに躍起でありますが、そこは専門家にお
このように、長崎大学医歯薬各領域での再生医
療研究は今後もさらに発展するものと考えられ、
任せし、応援、連携しつつ、臓器・組織再生のた
再生医療を長崎の第=の研究の柱として育て、見
めの体内・組織環境の幹細胞調節を主に研究をで
きればと考えます。(図)
守って頂ければと存じます
いるところであります。世はipS細胞など、臓器
研究事業の推進
植・再生医療
のプラツトホーム
心・血領域
畏領域
吸器領域
皮膚・骨軟組織領域
腎・泌尿器科領域
脳・神経領域
消化器領域
内分泌・代謝域
域
科口領域
長崎害者支
再生医研究会
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(図 1)
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口の粘膜から
細胞採取
食がん
切除後に
移植
細胞シート牢輸し移植
長埴東示間再生医療地方でも
長岫大は玲貝細胞を
増殖させ卿い膜状に加工
京女子医大から空路で運
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び、食道がん患者に猪
と発表した。
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日本経済新聞2013 7 17
(図 2 )
細胞による再生医よ
・サイトカインソースとして
適時に、適量の補給ができる。
・周囲の幹細胞を刺激し、
レシピエント臓器の再生を促す。
幹細胞誘導
炎症性サイトカイン
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(図 3 )
長崎県医師会報第826号平成26年Ⅱ月
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