珪藻赤潮情報2712号 - 兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術

発行:兵庫県水産技術センター ℡(078)941-8601
兵庫のり研究所
℡(078)942-1531
珪藻赤潮情報 KH-27-12(播磨灘)
平成 28 年 3 月 3 日 発行
珪 藻 赤 潮 プランクトン調 査 の結 果 をお知 らせします。
調 査 年 月 日 :3 月 2 日 〔調 査 箇 所 は地 図 上 に▲(東 部 )および●(西 部 )印 で表 示 してい
ます。〕
概 況 播磨灘(調査海域)の DIN 濃度は、明石海峡部、淡路島西岸では、概ね 2μmol/L 以上を維持し
ていますが、前回調査時(2/22)と同様に低い状況です。また、北部沿岸域においては、ユーカンピア
が前回の調査時と同様に多い状況です。コスキノディスクスワイレシーは個体数は少ないですが広
い範囲で確認されています。
水温は、白浜以西では 8.4~10.6℃、家島諸島周辺では 8.9~9.9℃、江井ヶ島・高砂周辺で 9.2~9.9℃、明石海峡付
近並びに西浦では 9.8~10.2℃、鹿ノ瀬周辺では 9.4~9.9℃でした。
相生
網干
0.0
(0.0)
赤穂
2.7
(0.1)
0.9
(0.0)
0.1
(0.3)
0.1
(0.1)
家島
坊勢
1.0
(0.9)
)
溶存態無機窒素
DIN
(μmol/ℓ )
白浜
0.1
(0.1)
0.1
(0.4)
高砂
0.5
(0.1)
別府
9.9 東二見
0.2
(4.2) 江井ヶ島
1.5 林崎 5.5
(0.1)
(1.8)
(4.8)垂水
0.9
3.7
0.9
(1.0)
0.9
2.8
(3.9)
(0.9)
(1.1)
(3.6)
1.8
3.1
(1.5)
2.5
(2.9)
(2.6)
富島
2.9
浦
浅野
森
(3.2) 室津育波
尾崎
3.0
(3.0)
※ 底層の値を( )で示しています。
250
(439)
赤穂
169
(193)
278
(332)
51
(43)
144
(133)
家島
坊勢
35
(27)
0
(0)
※ 底層の値を( )で示しています。
仮屋
郡家
江井
相生
網干
須磨
ユーカンピア
( cells/mℓ )
白浜
391
高砂
(276) 257
(377) 別府
133
東二見
(119)
133 江井ヶ島
86
(98)
7 林崎 0
(148) 58
(0)
(7)
垂水
(60)
0
0
4
(0)
(0)
1
(0)
0
(0)
0
(0)
(0)
0
富島
浦
浅野
(0)
森
育波
室津
尾崎
0
(0)
郡家
江井
仮屋
須磨
相生
網干
0
(10)
赤穂
0
(0)
5
(15)
家島
5
(10)
坊勢
0
(0)
0
(10)
コスキノディスクス
白浜
15
( cells/ℓ )
(15) 5 高砂
) (25) 別府
20 東二見
5
(5)
(25)
江井ヶ島
10
0 林崎 0
(15)
(0)
(0) 垂水
35
0
0
(5)
0
(0)
(0)
(5)
5
0
(0)
0
(0)
富島
(0)
0
浦
浅野
森
(5) 室津育波
5
(5)
郡家
※ 底層の値を( )で示しています。
江井
沿岸西部 12 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
12
沿岸東部 11 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
8
6
10
8
6
4
4
2
2
0
11月
12月
1月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
12
H22
H23
H24
H25
H26
H27
10
3月
4月
0
11月
沿岸西部 12 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
350
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
250
200
150
350
374
150
50
1月
2月
3月
4月
0
11月
沿岸西部12 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~ 1,847(H22)
~ 1,146(H24)
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
200
3月
4月
12月
1月
2月
3月
4月
沿岸東部11 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
687(H24)
1,222(H22)
300
200
100
100
0
11月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
200
50
1月
沿岸東部 11 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
250
100
12月
12月
300
100
0
11月
仮屋
尾崎
0
(0)
須磨
12月
1月
2月
3月
4月
0
11月
12月
1月
※1:数値はすべて表層の値です。2:調査地点は、沿岸東部 11 点は▲、沿岸西部 12 点は●で表示しています。
2月
3月
4月
平成28年3月2日の水平分布状況(表層、実測値)
溶存態無機窒素濃度(DIN、μmol/L)
H
2
ユーカンピア(cells/ml)
港湾水の影響で
局所的に高い9.9μ
1L
H
H
1
200
コスキノディスクス(cells/L)
250 300 H
150
100
50
3
2
コスキノディスクスワイレシーは、広い範囲で
確認されていますが個体数は少ない状況で
す。(表層は15cells/L、底層で25cells/L以
下)。
L
*Hは濃度又は密度が高く、Lは低いことを示しています
播磨灘における今後の栄養塩等に関する動向見込み
播磨灘北部沿岸では依然としてユーカンピア、キートセロス、リゾソレニア、シュードニッチ
ア等の珪藻類が多く発生しています。ユーカンピアは前回の調査時(2/22)に比べて、出現範囲
及び個体数とも大きな変化はありませんが、引き続き動向にはご注意下さい。コスキノディスク
スワイレシーは、個体数は少ないですが広い範囲で確認されています。
DIN 濃度は、明石海峡周辺及び淡路島北西部沿岸では概ね 2μmol/L 以上を維持していますが、
それ以外の海域では DIN 濃度が低下した状態が継続しています。気象庁の週間天気予報では、降
水量は平年並みとされており、短期的な栄養塩濃度の推移は現状維持程度と考えられます。
週間天気予報 気象庁 3 月 2 日 16 時 32 分 発表
※気象庁ホームページより転載
向こう一週間(3/3~3/9)の近畿地方は、
明後日(4 日)にかけては高気圧に覆われて概ね晴れます
が、その後は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、雨の降る日があるでしょう。
最高気温、最低気温はともに、平年より高く、かなり高い日が多い見込みです。
降水量は、平年並でしょう。
その他の情報
・岡山県の調査(3/1)では、日生沿岸域で DIN(表層)が 0.5~0.7μM でした。大型珪藻のユ
ーカンピアが 4~5 万 cells/L、コスキノディスクスが 0~10cells/L 確認されました。
・香川県の調査については、以下の URL から参照してください。
http://www.pref.kagawa.jp/suisanshiken/jyouhou.htm
【今後の予定】
・平成 28 年 4 月上旬まで毎月 3 回程度(上・中・下旬)の発行を予定しています。
・次回は 3 月 15 日頃に発行予定です。
*この情報は、ホームページでも見ていただけます。以下のURLにパソコン等からアクセスして下さい。
http://www.hyogo-suigi.jp/