活躍するプライベートバンカー紹介(第 3 回) Square Investment Management 大嶋 康裕 2014 年 2 月 代表 氏 シニア PB 資格認定、CMA 投資銀行業務の経験も踏まえて活躍 顧客ファミリーの様々な思いに応えて 27 年に及ぶ投資銀行・投資運用業でのキャリアを土台に、2012 年 11 月に個人の資格 で金融庁に投資助言業者登録をし、セルサイド(金融商品提供側)ではない、独立した ファミリーオフィスとして、Square Investment Management を開業しました。私の座右 の銘は、Putting Investor’s Interest First 、つまり受託者として顧客の全体最適を常に求め、 複雑なファミリーの抱える課題に専門的知見を駆使してお応えすることです。 お陰様で、少数限定ではありますが、上場・未上場企業の創立者・オーナーや不動産 を保有される富裕個人及び彼らの資産保有法人を顧客として、事業の再構築や承継、資 産の配分や世代間継承、資金運用調達といった分野について助言をさせていただいてい ます。特に最近お客様からのお問合せ・コンサル内容で多くなっている点は、市場変動 率が高まる中での資産配分、マイナス金利下での資産保有法人の ALM、事業承継対策と しての M&A です。M&A 及び不動産では、自身の税務・法務の実務経験に加え、当該分 野に精通した税理士、弁護士ら士業チーム体制で提案しています。 シニア PB 資格を取得してよかったことは、 「投資政策書」の作成を通じて現実のケー スに近い顧客の状況を網羅的に把握したうえで、定量・定性両面での分析に基づき、長 期的、かつ全体最適を念頭においた体系的な提案を考え抜く姿勢・集中力を養えたこと です。顧問先の多くのお客様から、「ファミリーの状況全体を把握して、かかりつけ医 的立場からのアドバイスは、金融機関の提案へのセカンドオピニオンとして重宝する」 と言っていただき、信頼の向上につながったと自負しています。 事業承継・相続や資産継承に関する重要なファミリーの意思決定に際しては、企業の 経営判断とは異なる人間関係・しがらみや感情等の複雑な要因が絡んできます。親族で あればこその特別な愛着や、兄弟間での意思合意の難しさなどなど、経済合理性だけで は割り切れない、ファイナンスで定量化できない要素が、実はプライベートバンカーと 顧客との心を開いた会話の中で初めて見えてくるものだと痛感しています。 こうした様々な思いを全て受け止めたうえで、顧客の夢を実現するためのベスト・ソ リューションに向けて、世代を跨いでお付き合いする心構えを持っているかどうかが、 真の意味での Trusted Adviser になれるか否かの試金石だと思っています。 プライベートバンカーには、高度な金融実務知識、豊富な実務経験を前提として、顧 客の問題点の背後にある構造的・長期的な要因を分析し、かかりつけ医的な立場で全体 的なソリューションが求められる時代に入ったと認識しています。要求される水準が高 度化するなかで、提案力をさらに磨き、ファミリー事業に対しての投資銀行的アドバイ ザーになれるよう、引続き切磋琢磨していきたいと考えています。
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