製造業・非製造業ともに冴えない(Asia Weekly (2/29~3

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ASIA Indicators
定例経済指標レポート
中国、製造業・非製造業ともに冴えない(Asia Weekly (2/29~3/4))
~製造業・非製造業問わず、雇用調整の影響が懸念される~
発表日:2016 年 3 月 4 日(金)
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 西濵 徹(03-5221-4522)
○経済指標の振り返り
発表日
指標、イベントなど
結果
コンセンサス
前回
▲3.3%
▲0.4%
+1.4%
(中国)緊急金融政策委員会(預金準備率/大銀行向け)
17.00%
--
17.50%
(韓国)2 月輸出(前年比)
▲12.2%
▲16.6%
▲18.8%
2 月輸入(前年比)
▲14.6%
▲16.0%
▲20.0%
49.0
49.4
49.4
52.7
--
53.5
2.00%
2.00%
2.00%
(インドネシア)2 月消費者物価(前年比)
+4.42%
+4.36%
+4.14%
(タイ)2 月消費者物価(前年比)
▲0.50%
▲0.51%
▲0.53%
(韓国)1 月鉱工業生産(前年比)
▲1.9%
▲0.6%
▲2.2%
(豪州)10-12 月期実質 GDP(前年比)
+3.0%
+2.5%
+2.7%
(韓国)2 月消費者物価(前年比)
+1.3%
+0.9%
+0.8%
(香港)1 月小売売上高(前年比/数量ベース)
▲5.2%
▲5.1%
▲6.1%
(フィリピン)2 月消費者物価(前年比)
+0.9%
+1.3%
+1.3%
(豪州)1 月小売売上高(前月比/季調済)
+0.3%
+0.4%
+0.0%
(マレーシア)1 月輸出(前年比)
▲2.8%
+2.5%
+1.4%
1 月輸入(前年比)
+3.3%
+4.9%
+2.7%
2/29(月) (タイ)1 月製造業生産(前年比)
3/1(火)
(中国)2 月製造業 PMI
2 月非製造業 PMI
(豪州)金融政策委員会(政策金利)
3/2(水)
3/3(木)
3/4(金)
(注)コンセンサスは Bloomberg 及び THOMSON REUTERS 調査。灰色で囲んでいる指標は本レポートで解説を行っています。
[中国]
~製造業の低迷収まらず、比較的好調を維持してきたサービス業の勢いにも陰りが出つつある~
1日に国家統計局及び物流購買連合会が発表した2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は 49.0 と7
ヶ月連続で好不況の分かれ目となる 50 を上回り、前月(49.4)から▲0.4p 低下した。足下の生産動向を示す
「生産(50.2)
」は辛うじて 50 を維持しているものの前月比▲1.2p 低下しているほか、先行きの生産に影響
する「新規受注(48.6)
」及び「輸出向け新規受注(47.4)」はともに 50 を下回るなど、回復の見通しは立ち
にくい。
「完成品在庫(46.4)
」は前月比+1.8p 上昇しているものの依然 50 を大きく下回るなど在庫調整が進
んでいないほか、
「受注残(43.9)
」も同+0.5p 上昇するも 50 を大きく下回っており、生産拡大には向かいに
くい環境が続いている。さらに、
「雇用(47.6)
」は前月比▲0.2p と一段と雇用調整圧力が強まっている様子
も確認されるなど、製造業を取り巻く環境は厳しさを増している様子がうかがえる。先行きに対する「生産活
動期待(57.9)
」は前月比+13.5p と大幅に上昇しており、春節後の回復を期待する向きはあるものの、足下
の状況については規模別でも「大企業(49.9)」のみならず、
「中堅企業(49.0)」も「中小企業(44.4)」も軒
並み 50 を下回るなど厳しい状況の裾野が広がっている。
また、同日に英調査会社の Markit 社が発表した2月の財新製造業PMIは 48.0 と 12 ヶ月連続で好不況の
分かれ目となる 50 を下回り、前月(48.4)から▲0.4p 低下するなど一段と悪化していることが確認された。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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足下の生産動向を示す「生産(47.8)
」は前月比▲0.2p 低下しているほか、先行きの生産に影響を与える「新
規受注(48.3)
」も同▲0.3p 低下する一方、
「輸出向け新規受注(47.6)
」は同+0.5p 上昇しているものの、軒
並み 50 を下回るなど生産調整圧力が掛かりやすい状況が続いている。さらに、「完成品在庫(47.8)
」は前月
比▲3.0p と大幅に低下して 50 を下回るなど在庫が急速に積み上っている一方、
「受注残(49.3)」は同▲1.0p
低下して 50 を下回る水準に転じていることも、当面の生産の足かせになると懸念される。また、
「雇用(46.0)」
も前月比▲1.0p 低下するなど、国有企業及び民間企業問わずに製造業では雇用調整圧力が高まっていること
が確認されている。
同日に国家統計局と物流購買連合会が発表した2月の非製造業PMIは 52.7 と好不況の分かれ目である 50
を上回っているものの、前月(53.5)から▲0.8p 低下している。足下の動向を示す「業況動向(59.5)」は 50
を大きく上回る上に前月比+1.1p 上昇しており、サービス業を取り巻く環境は依然として堅調な推移をみせ
ている。ただし、先行きに影響を及ぼす「新規受注(48.7)」は2ヶ月連続で 50 を下回り、前月比も▲0.9p
低下するなど調整圧力が掛かる可能性があるほか、
「在庫(45.4)」も 50 を下回っている上に同▲0.4p と調整
している。なお、
「雇用(48.9)
」は 50 を下回っているものの前月比+0.1p 上昇しており、力強さには欠ける
ものの雇用拡大に向けた動きが出つつある様子もうかがえる。
3日、英調査会社の Markit 社が発表した2月のサービス業PMIは 51.2 と好不況の分かれ目である 50 を
上回ったものの、前月(52.4)から▲1.2p 低下しており、政府統計と同じく勢いに陰りが出つつある。足下
の動向を示す「業況動向(51.2)
」が前月比▲1.2p 低下しているほか、当面の動向を左右する「新規受注(51.7)」
も同▲1.2p 低下していることが影響している。なお、
「雇用(51.3)」は依然 50 を維持しているものの、前月
比▲0.5p と雇用調整圧力が高まる可能性があるほか、
「受注残(49.1)
」は同+0.2p 上昇するも 50 を下回るな
ど不透明感はくすぶる。ただし、
「将来期待(60.8)」は前月比+1.9p と大幅に上昇しており、中長期的な動
向については必ずしも悲観していない様子もうかがえる。
図 1 CN 製造業 PMI の推移
(出所)国家統計局, Markit より第一生命経済研究所作成
[韓国]
図 2 CN 非製造業(サービス業)PMI の推移
(出所)国家統計局, Markit より第一生命経済研究所作成
~輸出を取り巻く環境は厳しいなか、生産にも下押し圧力が掛かりやすい展開が続いている~
1日に発表された2月の輸出額は前年同月比▲12.2%と 14 ヶ月連続で前年を下回る伸びとなったものの、
前月(同▲18.8%)からマイナス幅は縮小している。当研究所が試算した季節調整値に基づく前月比も2ヶ月
ぶりに拡大にこそ転じているものの、過去2ヶ月に亘って大幅減少が続いてきたことを勘案すれば、その反動
が期待されたものの依然として力強さには乏しい。最大の輸出相手である中国経済を巡る不透明感に加え、中
国経済の減速がアジア新興国経済の足を引っ張る動きもみられるほか、これまで堅調な推移をみせてきた米国
やEUなど先進国景気が足踏みしつつあることも輸出の重石となっている。国際金融市場の動揺に伴い通貨ウ
ォン相場は下落基調を強めており、価格競争力の向上が期待されているにも拘らず、その恩恵を充分に受ける
ことが出来ない状況が続いている。一方の輸入額は前年同月比▲14.6%と 17 ヶ月連続で前年を下回る伸びと
なったものの、前月(同▲20.0%)からマイナス幅は縮小している。ただし、前月比は4ヶ月連続で減少基調
が続くなど下押し圧力がくすぶっており、原油をはじめとする国際商品市況の一段の調整が輸入を下押しして
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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いるほか、個人消費や企業による設備投資意欲の弱さを反映した内需の低迷も輸入の足かせになっている。結
果、貿易収支は+73.95 億ドルと前月(+52.02 億ドル)から黒字幅が拡大している。
2日に発表された1月の鉱工業生産は前年同月比▲1.9%と3ヶ月連続で前年を下回る伸びとなったものの、
前月(同▲2.2%)からマイナス幅は縮小している。ただし、前月比は▲1.8%と前月(同+0.5%)から2ヶ
月ぶりに減少に転じており、基調としても減少基調が強まるなど厳しい状況に直面している。造船関連で久々
に増産の動きがみられるほか、電気機器関連の生産にも底堅さがみられる一方、自動車関連で減産圧力が強ま
っているほか、半導体をはじめとする電子部品関連の生産にも下押し圧力が掛かるなか、衣料品関連をはじめ
とする軽工業分野でも減産基調が強まるなど、幅広い分野で生産が鈍化している。平均設備稼働率も 72.6%
と前月(73.7%)から▲1.1p 低下しており、外需の鈍化も生産現場の厳しさを増す一因になっている。
3日に発表された2月の消費者物価は前年同月比+1.3%となり、前月(同+0.8%)から加速した。前月比
も+0.45%と前月(同+0.05%)から上昇ペースが大幅に加速しており、生鮮品を中心に食料品価格が全般的
に上昇基調を強めたほか、原油安の一服でエネルギー価格の下落ペースが鈍化するなど一部で底打ちしつつあ
り、生活必需品を巡る物価上昇圧力が全体の押し上げに繋がっている。なお、食料品とエネルギーを除いたコ
アインフレ率は前年同月比+1.8%と前月(同+1.7%)からわずかな加速に留まっており、前月比も+0.27%
と前月(同+0.21%)から上昇ペースはわずかである。通貨ウォン安の進展で輸入物価の上昇圧力が懸念され
るものの、原油安の長期化に伴う輸送コストの低下を受けて消費財全般で物価上昇圧力が後退している上、景
気の先行き不透明感を反映してサービス物価は比較的落ち着いた推移が続いていることも影響している。
図 3 KR 貿易動向の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
図 5 KR インフレ率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
図 4 KR 鉱工業生産と設備稼働率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
図 6 KR ウォン相場(対ドル)の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
[インドネシア] ~生活必需品を中心に物価下落が進むも、通貨安で日用品物価の上昇圧力はくすぶる~
1日に発表された2月の消費者物価は前年同月比+4.42%となり、前月(同+4.14%)から加速した。ただ
し、前月比は▲0.09%と前月(同+0.51%)から4ヶ月ぶりに下落に転じており、生鮮食料品や香辛料をはじ
めとする食料品価格が下落に転じているほか、原油相場の一段の調整を受けてエネルギー価格も下落基調を強
めており、生活必需品を中心に物価上昇圧力が後退したことが影響している。なお、食料品とエネルギーを除
いたコアインフレ率は前年同月比+3.59%となり、前月(同+3.62%)から一段と減速して約6年ぶりの低水
準となっている。しかしながら、前月比は+0.31%と前月(同+0.29%)から上昇ペースは徐々に加速してお
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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り、サービス物価は上昇圧力に乏しい展開が続いているものの、日用品価格は全般的に上昇基調を強めており、
足下では落ち着きを取り戻しつつあるが、昨年来の通貨ルピア安に伴う輸入物価の上昇が物価上昇圧力に繋が
っている可能性が考えられる。
図 7 ID インフレ率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
[タイ]
~タバコ税増税の影響でコアインフレ率は反転するも、基調としての物価はディスインフレ模様~
29 日に発表された1月の製造業生産は前年同月比▲3.3%となり、前月(同+1.4%)から3ヶ月ぶりに前
年を下回る伸びに転じた。前月比も▲4.76%と前月(同+2.55%)に大きく拡大した反動も重なり、2ヶ月ぶ
りに減少に転じている。平均設備稼働率も 63.18%と前月(66.09%)から低下して8ヶ月ぶりの低水準とな
るなど、生産に下押し圧力が掛かっている。主力の自動車関連のほか、家電をはじめとする電気製品関連で軒
並み減産圧力が強まっており、海外経済を巡る不透明感を反映して輸出に下押し圧力が掛かっていることが生
産の足かせになっている様子がうかがえる。こうした動きに伴い足下では出荷・在庫バランスにも頭打ち感が
出ており、先行きについては生産調整圧力が一段と掛かる可能性も予想される。
1日に発表された2月の消費者物価は前年同月比▲0.50%と 14 ヶ月連続でマイナスとなったものの、前月
(同▲0.53%)からわずかにマイナス幅は縮小している。前月比も+0.15%と前月(同▲0.26%)から4ヶ月
ぶりに上昇に転じており、原油安を受けてエネルギー価格は下落基調が続いている一方、生鮮品のみならず加
工食品など幅広く食料品価格の上昇圧力が強まるなど、生活必需品を巡る物価動向はまちまちの展開が続いて
いる。一方、食料品とエネルギーを除いたコアインフレ率も前年同月比+0.68%と前月(同+0.59%)から加
速しており、減速基調が続いてきたものの反転している。前月比も+0.18%と前月(同+0.07%)から上昇ペ
ースが加速しているが、これは2月にタバコ税が大幅に引き上げられたことが影響しており、その影響を除け
ば輸送コストの低下により消費財全般で物価は下落基調が続いているほか、景気の先行き不透明感を反映して
サービス物価も低調な推移が続いている。したがって、先行きについてもインフレ率は比較的低位での推移が
続く可能性は高いと見込まれる。
図 8 TH 製造業生産と設備稼働率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
[フィリピン]
図 9 TH インフレ率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
~食料品や日用品全般のインフレ圧力後退でインフレ率は減速も、サービス物価は底堅い~
4日に発表された2月の消費者物価は前年同月比+0.9%となり、前月(同+1.3%)から減速して4ヶ月ぶ
りに1%を下回る伸びに留まった。前月比も▲0.28%と前月(同+0.21%)から5ヶ月ぶりに下落に転じてお
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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り、物価上昇圧力は後退している。原油安が一服していることを受けて、エネルギー価格の下落基調がひと段
落している一方、生鮮品や穀物類などを中心に食料品価格が下落しており、生活必需品の物価を巡ってはまち
まちの展開が続いている。一方、食料品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比+1.46%と前月(同
+1.76%)から一段と減速しており、前月比も+0.14%と前月(同+0.22%)から上昇ペースが鈍化している。
昨年来のエネルギー価格の低下に伴う輸送コストの調整を受け、通貨ペソ安による輸入物価の上昇が懸念され
るにも拘らず消費財全般で物価上昇圧力が後退していることが影響している。ただし、内需の堅調さを背景に
サービス物価は依然上昇基調が続いており、デフレリスクが高まっているとは考えにくい
図 10 PH インフレ率の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
[マレーシア]
~資源価格の調整による影響のみならず、電気機械・電子部品関連の輸出にも下押し圧力~
4日に発表された1月の輸出額は前年同月比▲2.8%となり、前月(同+1.4%)から8ヶ月ぶりに前年を下
回る伸びに転じた。前月比も▲7.4%と3ヶ月連続で減少している上、前月(同▲1.1%)から減少ペースは大
幅に加速するなど急速に下押し圧力が掛かっている。原油価格の一段の下落を受けて原油及び石油製品のほか、
天然ガス関連の輸出額が下押しされたほか、国際商品市況の調整に伴いパーム油や天然ゴムなど資源関連の輸
出が鈍化した。さらに、これまで比較的堅調な推移をみせてきた電子機器や電子部品関連の輸出額にも下押し
圧力が掛かるなど全般的に輸出が鈍化している。国・地域別では、中国をはじめとするアジア新興国向けのみ
ならず、米国やEU、日本など先進国向けにも軒並み下押し圧力が掛かっている。一方の輸入額は前年同月比
+3.3%となり、前月(同+2.7%)から伸びが加速した。しかしながら、前月比は▲3.2%と3ヶ月連続で減
少している上、前月(同▲1.9%)からそのペースは加速しており、輸入にも下押し圧力が掛かっている。輸
出の低迷を受けて、輸出財の生産に関連した資本財や中間財の輸入額が鈍化ほか、消費財にも調整圧力が掛か
るなど国内景気をめぐる不透明感が足かせになっている。結果、貿易収支は+53.92 億リンギと前月(+82.48
億リンギ)から黒字幅が縮小している。
図 11 MY 貿易動向の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
[香港]
~中国の景気減速と人民元安で来訪者数の鈍化、金融市場動揺に伴うマインド悪化は消費に影響~
3日に発表された1月の小売売上高(数量ベース)は前年同月比▲5.2%と3ヶ月連続で前年を下回る伸び
となったものの、前月(同▲6.1%)からマイナス幅は縮小している。しかしながら、前月比は▲7.03%と3
ヶ月連続で減少している上、前月(同▲6.00%)から減少ペースは加速しており、小売を取り巻く環境は一段
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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と厳しさを増している。中国本土の景気減速が続いていることに加え、昨年後半以降の人民元安(香港ドル高)
を受けて本土からの来訪者数に下押し圧力が掛かっていることも売上低迷の一因になっている。年明け直後の
金融市場の混乱で市場のマインドが急速に冷え込んだことも、消費の下押し圧力に繋がったとみられる。
図 12 HK 小売売上高(数量ベース)の推移
(出所)CEIC より第一生命経済研究所作成
以
上
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容
は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。