6月号 - 東京都立石神井特別支援学校

平成27年6月2日
学 校 だ よ り
東京都立石神井特別支援学校長
豊 田 栄 治
つつじ、菖蒲、藤の花が咲き誇った5月から、あじさいの花がしっとりと咲く6月へと暦がうつりまし
た。子供たちも、また教職員も一緒に生活していく中で、学校にとけ込んできたという感があります。や
っとクラスの友達の顔と名前を覚えたところから、給食を食べながらの楽しい会話を聞いてみても、友達
の好きなことや興味のあることを少しずつ理解し合うという時期に差し掛かっていると思います。自分と
いうところから、少しずつまわりへ興味を広げていき、クラスや学年という集団を意識した学校生活へと
広がっています。6月は新年度の戸惑いが更に薄れ、子どもたちは本来の落ち着きを見せてくれると思い
ます。5月30日には、運動会が予定されています。みんなで一緒に一つのことに一生懸命取り組む中で、
更に経験を広げていってほしいと思います。
学校はチャレンジするところ、失敗してもよいところです。私たちは新しい力を身に付けるとき、様々
な失敗をします。失敗をしたら、誰でも恥ずかしい思いをするでしょう。でも、失敗は新しいことにチャ
レンジした証なのです。蒔田晋司さんの「教室はまちがうところだ」という絵本があります。この中には、
「教室はまちがうところだ/みんなどしどし手を上げて/まちがった意見を 言おうじゃないか/まちが
った答えを 言おうじゃないか/まちがうことを おそれちゃいけない/まちがったものを ワラっちゃい
けない/まちがった意見を まちがった答えを/ああじゃあないか こうじゃあないかと/みんなで出しあ
い 言い合うなかで/ほんとのものを 見つけていくのだ/そうしてみんなで 伸びていくのだ(中略)/ま
ちがったって誰かがよ/なおしてくれるし教えてくれる/困ったときには先生が/ない知恵しぼって教え
るで/そんな教室作ろうやあ」ということが書かれています。間違いや失敗を恐れて何もしないと、人は
絶対に成長しません。学校は、子供たちが様々な経験を通して、成長する場です。ですから、失敗が許さ
れるところでなくてはいけません。失敗をしたら、次に同じ間違いをしないように努力したり工夫したり
すればよいのです。
そして、どの子も安心してチャレンジできるためには、失敗をしたときにいつでも慰め励ましてくれる
「心の支え」が必要です。学校や学級そして家庭や地域が、子供たちにとっての「心の居場所」となりま
すように、これからも、御協力をよろしくお願いいたします。子供が失敗した時、
「どうして失敗したのか」
「次はどうすればよいか」を、一緒に考えてあげてください。そして子供たちの挑戦する力や、自分でや
りぬこうとする力を、引き続き暖かく見守り励ましてくださいますようにお願いいたします。