和ハーブを栽培・活用してみよう! - 日本アロマコーディネーター協会

和ハーブを栽培
ハーブを栽培・
栽培・活用してみよう
活用してみよう!
してみよう!
~シソの話
シソの話~
JAS講師
和田 文緒
夏真っ盛り、小さな家庭菜園でシソ、バジル、ミツバ、きゅうり、トマト、ゴーヤなど楽しん
でいます。2 週に一度の追肥といっぱいの太陽の光を浴びて夏野菜やハーブがあっという間に大
きくなります。トマトは完熟したものも熟す前のグリーンのものも薄切りにして塩コショウで食
べると美味しいです。シソは食べきれないほど繁茂しています。バジルなどにも言えますがシソ
科植物を長く楽しみたいなら欠かせない作業が摘心(てきしん)です。植物体の一番上の部分を
摘み取ってやると脇芽が出てきてしばらく使えます。しないと早く花が上がってしまいます。シ
ソは食べ切れないほど収穫できたので一部はハーブティー用に乾燥し、一部は葉を塩漬けにして
保存してみました。この方法で保存しておくと1年もちます。ハーブティーもレモングラスやペ
パーミントなどとブレンドしてみましたは非常にさわやかな風味でした。シソ茶を飲むとほっと
します。
<シソの葉の塩漬け>
1.
シソの葉を1枚ずつさっと洗う。
2.
ていねいに水分を拭き取る。
3.
フタ付きのタッパーの上に葉を1枚おき、上から適量の塩をふる。
4.
次の葉を 3 の葉の上におき、塩をふる。
5.
3.4 の工程を繰り返す。
6.
葉と塩を何層にもしたらフタをして冷蔵庫で保存(1年間保存可能)
本当は梅雨前か梅雨時の柔らかい葉の方がいいのですが、若干硬くなった梅雨明けから 8 月
の葉でも作ることができます。海苔の代わりにおにぎりを包む、ご飯と混ぜる、そうめんの薬味、
鶏肉を包んで焼くなど様々に活用できるので作っておくと重宝します。シソは、赤紫蘇も青紫蘇
も生のそのまま薬味として利用でき、花が満開に咲いた花穂や果実も料理に用います。もう少し
あとで収穫できるシソの実も葉と同様に塩漬けができます。プチプチした食感がなんとも言えず、
美味しいのです。種子をまいてすぐの芽生え(芽ジソ)、生長した葉(大葉)、花穂、果実とフル
に使いこなせる活用できるところがうれしいですね。
シソはシソ科 Perilla 属に分類される 1 年草で、草丈 50~60 ㎝ほどに生長し、原産地の中国、
ヒマラヤから奈良、平安時代に日本に伝わり、すっかり定着した代表的な日本のハーブ。アカジ
ソ、アオジソ、カタチリメンジソなど葉の形と色で区別されます。油料植物として活用されてい
る同じ Pellira 属のエゴマ(Perilla frutescens)はシソの近縁植物ですが香りはシソと違います。
シソの香気成分の多くはぺリラアルデヒド、3-オクタノール、リナロール、α-テルピネオ
ール、ぺリラアルコール、α-ピネン、パラサイメン、カリオフィレン等が知られています。ぺ
リラアルコール、ぺリラアルデヒドはシソを特徴づける香気成分ですが胃腸の働きを助ける、解
毒、抗菌、抗ヒスタミン、イライラを鎮める等の作用が知られています。
シソを用いることで知らないうちに食欲不振、夏ばて胃腸の冷え、食中毒予防など体調管理に
役立てることが出来ます。
日本アロマコーディネーター協会
今年は、日当たりの良い場所で生育させたので生育はよいのですが葉や茎が若干固くなりまし
た。プランター栽培や半日陰での栽培の方が柔らかいものが収穫できますので、ベランダでの栽
培にも向いているハーブといえます。プランターを利用して種子から育てるときのコツは種子が
発芽しにくいので大目にまくこと。ホームセンターで販売されているセルトレイを準備し、培養
土を入れ、土の表面を軽く抑え、水を張ったトレイにおいて底面から吸水してから、セルトレイ
の中央に播種し、覆土します。種子が発芽するまでは特に水切れに注意し、水を張ったトレイの
上に置いて底面からも吸水できるようにしておきしょう。
来年の夏も家庭でハーブを楽しみたいものです。
青ジソ
日本アロマコーディネーター協会
赤ジソ