気候学概論

自然地理学特講
第6回
気候学概論
用語法
大気現象(雨・雪・雷など)
大気の状態(気温・湿度・風速など) =
気象
総合
天気
天候
(瞬間∼1日) (数日∼数ヶ月)
気候
(数ヶ月以上)
気候学とは?
• 長い期間における大気の総合状態に関す
る学問
– 時間的変動よりも空間的差異を重視
→ 地理学的
– 大気運動の原理の追及
→ 気象学・大気物理学へ
– 温暖化・砂漠化などの気候変動への社会的関心
→ 再び気候学へ
グローバルな気候
• 世界の砂漠の分布と成因
– 降水量分布と大気循環を反映
地図帳で
確認しよう
– 亜熱帯(15゜∼35゜) ⇒ 亜熱帯高圧帯
– 中緯度大陸西岸 ⇒ 貿易風逆転
・・・ 大気が安定で対流が生じにくい
– 大陸内部・山脈風下
・・・ その地域に到達する以前に水蒸気を消費
亜熱帯高圧帯
放射エネルギー
短波放射
吸収量
長波放射
射出量
N
E
緯度
ハドレー循環
S
フェレル循環
極循環
北
極
亜
熱
帯
高
圧
帯
熱
帯
内
収
束
帯
赤道
亜
熱
帯
高
圧
帯
南
極
貿易風逆転
北極
北東貿易風
海
H
亜熱帯
高気圧
陸
陸
赤道
高温
安定成層
低温
寒流
大陸西岸
なぜ風は曲がるのか? −コリオリ力−
コリオリ力(転向力)
||
地球の自転による
見かけの力
N
北半球では進行方向
に対して右向きに働く
南半球で左向き
赤道付近ではゼロ
風の吹き方 −地衡風と傾度風−
遠心力
気圧傾度力
気圧傾度力が一定の場合
L
H
コリオリ力
高気圧の傾度風
>
地衡風
>
低気圧の傾度風
傾度風
H
地衡風
・等圧線と平行
・北半球では高圧部を
右に見ながら吹く
L
一般的に
低気圧で
風が強い
のはなぜ
?
地表面摩擦の影響
L
高気圧では
風が吹き出し…
気圧傾度力
H
摩擦力
コリオリ力
摩擦力と
コリオリ力の
合力
低気圧では
風が吹き込む
L
H
摩擦力が働くと
進行方向に対して
左側に傾く
台風が上陸すると
勢力が弱まるのは
なぜ ?
非定常な大気循環
• モンスーン
・・・ 季節変化
– 大陸と海洋の比熱差により、夏季は海から陸へ、冬
季は陸から海へ風が吹く
⇒ 日スケールでは海陸風に相当
• エルニーニョ・南方振動 (ENSO)
・・・ 経年変動
東風(強)
東風(弱)
インドネシア近海
温度躍層
ペルー沖
ラニーニャ
エルニーニョ