東白川村地域おこし協力隊 樋口銀二郎の部屋 7 月のこと 樋口 銀二郎 1975 年生まれ。愛知県一宮市生まれ岐阜県養老町育ち。 デザイン専門学校卒業後、主に接客業に従事する。食、 環境に興味を持ち様々なイベントに関わる。平成 24 年 度は岐阜県農業研修に一年間参加。全日本フットサル選 手権岐阜県大会 3 位、東海2部リーグ昇格など。 とにかくワイン好き。 雨の日、湿度の高い曇りの日、温度の高い真夏日と、体調を崩しやすい日が続いた7月。村を 横断する白川は、豊かな表情を見せてくれました。そして7月末には子供達が白川で遊ぶ風景が 多く見られ、鮎の友釣り客と子供達とのコントラストが、ヒノキの緑をより深くしているように 感じました。 【6月の活動】 ●五加地区地域交流会 ●CATV「野菜つくっちゃお」 ●CATV「まんぷくごはん」 ●清流の国ぎふ地域おこし実践隊養成講座(特産品コース) ●移住希望者さんへの対応 ●長野県南木曽町地域おこし協力隊への訪問 ●白川町地域おこし協力隊との打合せ 【プライベート】 ●久須見地区環境整備&慰労会 ●U-9サッカー県大会視察 ●ヴァンナチュール・ワイン会 ●東白川村夏祭り会議 ●東白川村郷土歌舞伎練習 7月末に東白川村久須見地区の環境整備作業に参加しました。土や枯葉が溜まった側溝の掃除、 道沿いの草刈り、滝がある公園の草刈り、雨や猪のせいで、道まで土が崩れている箇所の整備を 行いました。マムシが多く出る箇所、ゴミが捨てられやすい場所、獣道、などを教えてもらいな がらの作業は、発見の連続です。作業の後は、慰労会!お手製の流しそうめん。地区の方が育て ているトマトやブルーベリーが麺と一緒に流れてきます。女性と男性とで、流す役を交代する気 遣いや、メロン風にカットされたキュウリ、鮮やかな色をした枝豆、飛び交う声色は、この地区 の方を表しているなーと感じ、とても楽しい時間を地区の方からいただきました。都会も田舎も 忙しい現代社会のなかで、こういった「場」が大切!と地域の方達が集まっているのを強く感じ ました。 さて、ソーシャルビジネスの例として出てくる、イギリスの社会的企業「ブロムリー・バイ・ ボウ・センター」を紹介します。社会的企業とは、概して社会問題の解決を目的として収益事業 に取り組む事業体の事です。ブロムリー・バイ・ボウ・センターは、1984 年に、牧師であるアン ドリュー・ モーソン氏がこの地区に来て、教会の再生に取り組んだことに始まります。当時、教 会に集まるのは数人の年配の方のみ。この状況を打開すべく、まずは教会に絵を描くことを無料 で開放し、その代わりに無料で絵を教えることを与えました。その結果、人が集まりだしたので す。そして、地域のコミュニティの再生を図るべく、教会の施設を開放していきます。その後、 バングラディッシュ系のシングルマザーが十分な治療を受けないまま、二人の幼い子どもを残し て死亡したことをきっかけに、1997 年には、住民たち自身の手により、ヘルスセンターを作るま でに至りました。現在では、家族、若者、社会的弱者、一人ひとりに対応するように、サービス を提供している一方、造園業、印刷業などの事業を展開。無償宿泊所を併設するほか、成人教育 も行っています。こうした各種の事業により、センター全体で、100 人以上の人を雇用し、年に 3 百万ポンド以上の益金を上げています。 1人ひとりを見て、その人のコンテクストを理解し、その人のなるべき姿を共に考え、実現に 必要な社会資源をコーディネートしているのです。そこには、合理的配慮があります。公平や平 等を論じるがため、住民それぞれの多様性を無視してしまう危険性があります。ここでは、全て の人たちが同じではない!と多様性を尊重しています。それは、この地区が多種多様な文化を持 つ人達が生活している地区であり、文化や人種を超える個の尊重が、地域に必要な事だったので す。 政府から民間サービスまであらゆる制度やサービスを調べ、その人が使えるように有機的に結 びつけて提供する、社会的企業「ブロムリー・バイ・ボウ・センター」 日本における、福祉のパラドックスを解決するヒントが、ここにあるかもしれません。 そして、 「有機的にツナゲル」をサービスとして、社会的課題を解決する事業体が日本でも注目 されています。 参考:パーソナル・サポート・サービス検討委員会研究資料 みずほ総合研究所、DINF「日英シンポジウム 2001」
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