駐在員便りシカゴ数か月前の駐在員便りに「シカゴの冬は今年も寒さが厳しくなる」と書きましたが、昨年に比べれば寒さは（摂氏 0℃を下回っておりますが、）穏やかで、12 月半ばにも関わらず雪もほとんど降っておりません。昨年の今頃は、雪が毎日のように降り、ミシガン湖の一部が凍結し流氷がシカゴ川に出現したりしていたのですが、今年の気候は全く様相が違うようです。一方で、この冬はインフルエンザが猛威を奮っているようです。特に子供の発症が多く、日本人学校の幼稚園も学級閉鎖になったようです。わが家は幸いにも現時点で発症者はおりませんが、この冬を無事に乗り切るべく、体調管理に気を付けていきたいと思います。さて、12 月のシカゴはクリスマス一色です。米国民のおよそ 3 割はキリスト教系以外の信者であるため、万人にとってクリスマスは特別な日では無いとの話も聞きますが、どこのお店に行っても「ハッピークリスマス」や「メリークリスマス」と店員さんが話しかけてきます。もちろん、「ハッピーホリデー」という声も聞きますが、前者のほうがメジャーのようです。日本でも同様ですが、本来の宗教的な意味合いとは別の文化としてクリスマスが根付いていることがよくわかります。この時期は、郵便局（USPS）が繁盛する季節で、ダウンタウンの郵便局には小包やクリスマスカード・ホリデーカードを送ろうとする人々の長蛇の列です（窓口でどんなに行列ができても、受付担当者は淡々と処理をし、他の従業員は決して受付のヘルプに行くようなことはしないところに米国らしさを感じます）。また、電子グリーディングカードも普及しておりますが、米国ではもらったカードを壁や窓、オフィスであればデスク周りに飾る文化があり、やはり紙媒体のほうが人気は高いようです。子供のいる家庭では、写真付きのグリーディングカードを送ることが一般的で、小売大手の「Walgreens」や「Costco」のウェブサイトで注文するようです。ちなみに、米国で上手に買い物するにはクーポン（ダイレクトメールやウェブ掲載のコード、買い物後に渡されるチケット）をうまく活用することがコツで、3～5 割引のサービスを受けることも可能です。わが家が注文したグリーディングカードも、一定枚数以上印刷時の割引とクーポンの併用で、半額近くになりました。通常価格などあってないようなものなのでしょうか。原価について考えさせられます。もう一つ料金に関するお話しです。国土が広い米国では、歴史的にテーブルテレビ（CATV）が発達しており、テレビに加え電話、インターネット、ビデオオンデマンドなどのサービスを大小さまざまな企業が提供しております。なかでもコムキャスト（COMCAST）が最大手で、加入者数は 3,000 万人とも言われております。筆者も赴任直後、幾つかのサービスを比較検討し、コムキャストを選択しました。テレビの画質やインターネットの回線速度等も問題なく、最近まで特に不満もなかったのですが、今年の秋頃に料金明細を確認すると、突然それまでの 3 割強増しになっていました。これは、米国ケーブル大手によくある商法ですが、サービス加入から 2 年間はプロモーション価格で、その期間が終わると自動的に通常料金に戻るという仕組みです。筆者のように、契約から 2 年経過したことを忘れていると、請求書が届き驚かされることになります。他社に切り替えるのは（解約手続きと同時にコムキャストにセットトップボックスを返却した上で、他の CATV 会社と契約し別のセットトップボックスを調達しなければならず、）面倒だったので、カスタマーサービスに電話して、より安いプランへの変更を試みようとしました。ところが、2 週間程して翌月分の請求書が届くと、金額は以前のままです。カスタマーサービス ― 111 ― に再び電話すると、変更のリクエストは受けていないとのこと。電話した日時や担当者名も伝えましたが、記録に無いとのことで、こちらの要求はあっさりと却下されました。インターネットで調べてみると、同社の場合、解約手続きした後も請求書が届いたりすることは日常茶飯事らしく、電話で契約変更・解約手続きをするのではなく、記録が残るオンラインチャットがお勧めとのことでした。実際に試してみるとチャットは非常に便利でした。オペレーターへの接続も迅速です。チャット中に言い回しや表現を調べる時間もあるので、会話がスムーズに進み、結局、翌月分は変更後の料金のみ払えば良いことになりました（さらに、一か月後に届いた請求書では、無事適正な金額に変更されておりました）。さて、このコムキャストですが、米国消費者団体が選ぶ 2014 年の米国最悪企業のワースト 1 位を僅差で獲得してしまったようです。筆者は１ユーザーとして、同社のサービス改善に期待しております。（左：コムキャストのチャットを開始したところ。右：Walgreens のクーポンコード）ジェトロ・シカゴ事務所産業機械部 ― 112 ― 川内拓行