冷却器及びその冷却器を備える冷却装置

横浜国立大学 出願特許概要シート(出願公開後)
プール沸騰方式による冷却器及びその冷却器を備える冷却装置
技術名
発明の名称
冷却器及びその冷却器を備える冷却装置
出願番号
特願2007-315182
公開番号
特開2009-139005
分類
F28D 15/02
F25D 9/00
H01L 23/427
発明者
森 昌司、奧山 邦人
整理番号: YNU07047
特許番号
技術概要
軽量性および省エネ性を保ちながら、限界熱流束の改善されたプール沸騰方式(伝熱面を覆う合体気泡から微細な気
泡を多量に放出し、通常の熱流速を超える)による冷却器及びその冷却器を備える冷却装置が提供される。
本発明であるプール沸騰方式による冷却器は、容器と、当該容器に収容された作動流体とを備え、容器は冷却対象で
ある発熱体との接触部を有する。
加えて、冷却器(300)は、接触部(303)の作動流体(302)と接する表面上に多孔質体(304)をさらに備える。
言い換えると、容器の内側に多孔質体(304)を設け、多孔質体が、接触部を挟んで発熱体(110)と対向するようにし
ている。
多孔質体(304)は、毛細管現象により作動流体(302)を接触部(303)に供給する作動流体供給部(401)と、接触
部(303)で発生した蒸気を作動流体(302)中へ排出する蒸気排出部(402)とを備える。
解決すべき技術課題
LSI等の電子機器の冷却に必要な大きな熱流束を得ようとすると、従来のプール沸騰方式による冷却器では問題があ
る。
熱流束が大きくなるにつれて、作動流体の蒸発量が増加し、接触部が蒸気に覆われ始める。接触部が完全に蒸気に
覆われてしまい、接触部への作動流体の供給ができなくなると、冷却器の冷却能力は著しく劣化する。この状態の熱流
束を「限界熱流束」という。
従来のプール沸騰方式による冷却器の限界熱流束は、飽和温度の水の場合80W/cm2程度である。
LSI等の電子機器の冷却には、100W/cm2程度以上の限界熱流束が求められる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、軽量性および省エネ性を保ちなが
ら、限界熱流束の改善されたプール沸騰方式による冷却器及びその冷却器を備える冷却装置が提供されることにあ
る
どのように解決したか
このような目的を達成するために、プール沸騰方式による冷却器において、発熱体との接触部を有する容器と、容器に
収容された作動流体と、作動流体と接する接触部の表面上の冷却部とを備える。冷却部は、毛細管現象により作動流
体を接触部に供給する作動流体供給部と、接触部で発生した蒸気を作動流体中へ排出する蒸気排出部とを備えてい
る。すなわち、冷却部内で作動流体供給部と発生した蒸気の排出部をはっきりと区分したところに特徴がある。
効果
本発明は、毛細管現象により作動流体を接触部に供給する作動流体供給部と、接触部で発生した蒸気を作動流体中
へ排出する蒸気排出部とを備える冷却部から構成されている。さらに冷却部を作動液体と発熱体との間に配置するこ
とにより、軽量性および省エネ性を保ちつつ、限界熱流束の改善されたプール沸騰方式による冷却器及びその冷却器
を備える冷却装置を提供することができる。
優位性・特徴技術
プール沸騰方式による冷却器は、強制流動沸騰方式のような液体を循環させるための外部動力源が不要であるため
に、軽量性および省エネ性が優れている。
その軽量性および省エネ性を保ちつつ、限界熱流束の改善されたプール沸騰方式による冷却器及びその冷却器を備
える冷却装置を提供すること。
代表図
本発明実施形態での
多孔質体を示す図
110:発熱体
300:冷却器
302:作動流体
303:接触部
304:多孔質体
401:作動流体供給部
402:蒸気排出部
【本件問い合わせ先】 横浜国立大学 研究推進部 産学連携課 知的財産係 TEL045-339-4450