E-1108 水素化物原子吸光法による微量金属分析

NSST
No.E-1108
HIROHATA report
水素化物発生原子吸光法による微量金属分析
(As、Se及びSbの微量分析)
水素化物発生原子吸光法とは?
水素化物発生原子吸光法とは、酸分解による試料前処理後、試料中測定元素の酸化数を調整した試験液について、
一定条件下でテトラヒドロほう酸ナトリウム等の還元剤と反応させて発生する測定元素の水素化物を、加熱セルを装備
した原子吸光分析装置に導入し、高感度に分析する手法です。
水素化物を生成する元素には、As、Se、Sb、Ge、Bi及びTe等が知られており、水質試料では、日本工業規格K0102(工
場排水試験方法)において、As、Se及びSbの3元素について水素化物発生原子吸光法が採用されています。
主な環境関連法規制値
法規制名等
公共用水域・地下水 環境基準
公共用水域・地下水 要監視項目の指針値
土壌環境基準
As
Se
Sb
0.01mg/L 以下
0.01mg/L 以下
-
-
-
0.02mg/L 以下
0.01mg/検液L 以下
0.01mg/検液L 以下
-
土壌環境基準(農用地(田に限る))
15mg/kg 未満
-
-
排水基準
0.1mg/L 以下
0.1mg/L 以下
-
水道水質基準
0.01mg/L 以下
0.01mg/L 以下
-
-
-
0.02 mg/L 以下
溶出量
0.01mg/検液L 以下
0.01mg/検液L 以下
-
含有量
150mg/kg 以下
150mg/kg 以下
-
水道水質管理目標設定項目 目標値
土壌汚染対策法 特定有害物質による
汚染状態に関する基準
分析フロー(Seの場合)
酸分解
塩酸を用い、前処理後検液中のSeの
酸化数を4価にしておく。
※Se(6価)からは殆ど水素化Seが発生
しないため、予めSe(4価)に還元してお
く必要がある。
予備還元
試料の適量をとり、硫酸、硝酸及
び過塩素酸等を用い、ホットプ
レート上で試料溶液中の有機物
を加熱分解する。
分解時には、Seが揮散するおそ
れがあるので、正確な分析値を
得るには熟練が必要。
水素化物発生
原子化
吸光度測定
原子化部(加熱吸収セル)
水素化物発生原子吸光光度
水質・土壌試料に限らず、気体、固体、原燃料、廃棄物等幅広い試料中のAs、Se及びSbに対応しています!
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