土壌汚染対策法

北海道土木技術会講演会(平成20年2月21日)
大阪ATCグリーエコプラザセミナー09-02-20
汚染土の物流管理と対策のあり方
(自然由来の重金属含有土への対応も含む)
高松工業高等専門学校長
京都大学名誉教授
嘉 門 雅 史
土壌汚染対策法の見直し
平成19年度の土壌環境施策のあり方懇談会報告
平成20年度の土壌汚染対策法の見直し:中央環境審議会土壌農薬部会
土壌制度小委員会 平成20年12月19日最終報告
- - -今後の土壌汚染対策の在り方- - -
•
•
•
•
•
•
•
•
•
法の適用範囲の拡大
サイトごとの汚染状況に応じた合理的かつ適切な対策の促進
環境浄化対策の発動基準を見直す
低コスト・低環境負荷型浄化技術の開発
土壌汚染の情報の一層の開示
土壌汚染地の法的責任を明確化
浸出
自然由来汚染土の適正処理
生活環境保全と生態系保全の視点の導入
地下水汚染の防止施策との連携
土壌汚染対策法の見直し
現状と課題
•
土壌汚染対策法に基づかない土壌汚染の増加
平成18年度実績(調査件数15,208件)
法に基づくもの 2%、条例・要綱に基づくもの 11%、その他 87%
•
サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策を実施すること
•
掘削除去に伴う搬出汚染土壌の適正な処理が必要
汚染土壌に関する不適正処理の防止
浸出
今後の土壌汚染対策の在り方
1.調査の契機
自主的な調査について
一定規模以上の土地の形質変更について
2.サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策の促進
区域の分類化と必要な対策の明確化
土壌汚染対策の結果に対する地方公共団体の確認
土壌汚染に関する調査結果や対策内容に関する情報の活用
申し立てにより土壌汚染があると見なす区域(特例区域の指定)
3.搬出汚染土壌の適正処理
汚染土壌の搬出は、抑制すべきことを明確に位置付ける
汚染土壌の適正な処理を義務付ける
汚染土壌が不適正に処理された場合の是正命令の新設
4.その他
指定調査機関の信頼性を確保するため、管理者の資質の向上、指定の更新
リスクコミュニケーションを促進するため、ガイドラインの充実、人材の育成
土壌汚染の調査・対策手法の充実、低コスト化
操業中の対策の支援
基金等による助成制度の充実
中小企業の土壌汚染対策(調査を含む)に関する支援
特例区域の指定の導入




海面埋立地にある工場等の敷地は、ふっ素等の海水に含まれる自然
由来成分により、指定基準を超過することが多い。
こうした土地の地下水は、塩分濃度が高く、飲用に適さないことから、
飲用利用が無い。また、海面埋立地の工場は、通常、フェンス等工作物
によって囲まれ、関係者以外の者が立ち入れない土地である。
こうした条件の土地は、汚染土壌の搬出時の措置、形質変更時の土
壌の飛散防止措置を講じていれば、たとえ、土壌の汚染状況が指定基
準を超過していても人の健康に係る被害が生ずるおそれがない。
よって、このような土地については、該当土地の所有者等の申請に基づ
き、都道府県知事等が土壌の汚染状況が指定基準を超過していても健
康被害を生ずるおそれがない土地である旨の認定を行った場合には、
土壌汚染があるとみなし、形質変更時の飛散の防止措置及び汚染土
壌の搬出時の措置については、規制の対象と成る区域として指定し、
公示するべきである。
自然由来地盤汚染問題の背景


我が国にはヒ素、鉛などの重金属を含む土砂、岩石が広く分布して
いる。
トンネル工事等の建設工事から大量に発生する掘削土中に含有さ
れる重金属が、一般環境へ溶出するリスクを低減するために、最
終処分場相当施設に処理されている事例が増大している。
過剰対策ではないか



土壌汚染対策法(平成15年施行)では自然由来汚染は適用対象
外だが、現場外へ搬出する場合には汚染土として取り扱われる。
土地取引上は人為汚染土も自然由来汚染土も同一視されて、多大
の処理費用を要することが多い。
建設発生土のリサイクル推進の際に、自然由来汚染土が紛れ込
み、一般環境へ汚染を拡散するリスクが発生する。
項目
土壌
地下水
水質
カドミウム
0.01
0.01
0.01
全シアン
非検出
非検出
非検出
有機リン
非検出
鉛
0.01
0.01
0.01
六価クロム
0.05
0.05
0.05
砒素
0.01
0.01
0.01
総水銀
0.0005
0.0005
0.0005
アルキル水銀
非検出
非検出
PCB
非検出
非検出
ジクロロメタン
0.02
0.02
0.02
四塩化炭素
0.002
0.002
0.002
1,2-ジクロロエタン
0.004
0.004
0.004
1,1-ジクロロエチレン
0.02
0.02
0.02
シス-1,2-ジクロロエチ
レン
0.04
0.04
0.04
1,1,1-トリクロロエタン
1
1
1,1,2-トリクロロエタン
0.006
0.006
0.006
トリクロロエチレン
0.03
0.03
0.03
テトラクロロエチレン
0.01
0.01
0.01
1.3ジクロロプロペン
0.002
0.002
0.002
各種環境基準の比較
項目
土壌
地下水
クロロホルム
水質
0.06
チウラム
0.006
0.006
0.006
シマジン
0.003
0.003
0.003
チオベンカルプ
0.02
0.02
0.02
ペンゼン
0.01
0.01
0.01
セレン
0.01
0.01
0.01
10
10
0.8
NO2-N、NO-N
フッ素
0.8
0.8
ホウ素
1
1
ダイオキシン類
1,000
1
(注)各項目の単位は(mg/liter): ダイオキシ
ン類は(pg-TEQ)(含有量基準)
土壌汚染対策法
(平成15年2月15日施行)
対策範囲選定基準値
物質
第二溶出量基準
溶出量基準
含有量基準
カドミウム
検液1Lにつき0.3mg
検液1Lにつき0.01mg
乾土1kgにつき
150mg
鉛
検液1Lにつき0.3mg
検液1Lにつき0.01mg
乾土1kgにつき
150mg
六価クロム
検液1Lにつき1.5mg
検液1Lにつき0.05mg
乾土1kgにつき
250mg
砒素
検液1Lにつき0.3mg
検液1Lにつき0.01mg
乾土1kgにつき
150mg
総水銀
検液1Lにつき
0.005mg
検液1Lにつき
0.0005mg
乾土1kgにつき
15mg
アルキル水銀
検液中に検出されな
いこと
検液中に検出されな
いこと
-
セレン
検液1Lにつき0.3mg
検液1Lにつき0.01mg
乾土1kgにつき
150mg
ふっ素
検液1Lにつき24mg
検液1Lにつき0.8mg
乾土1kgにつき
4000mg
ほう素
検液1Lにつき30mg
検液1Lにつき1mg
乾土1kgにつき
4000mg
全シアン
検液1Lにつき1mg
検液中に検出されな
いこと
乾土1kgにつき
遊離シアンとし
て50mg
PCB
検液1Lにつき
0.003mg
検液中に検出されな
いこと
-
対策範囲
選定基準
溶出量基準は土壌
環境基準に相当し、
対策は不要である。
第二溶出量基準は
埋立処分場受け入
れ基準に相当し、不
溶化処理等が必要
とされる。
汚染の除去等の適用措置区分
直接摂取によるリスク低減
地下水等の摂取によるリスク低減
立入禁止
○
-
舗装
○
-
覆土
○
-
指定区域外土壌入替
○
-
指定区域内土壌入替
○
-
-
○(第二溶出量基準以下の重
金属等による汚染土壌に限
る)
-
○(第二溶出量基準以下の重
金属等による汚染土壌に限
る)
原位置不溶化
不溶化埋戻し
原位置封じ込め
○(第二溶出量基準以下の汚染土壌、または不溶化により第二
溶出量基準以下になった重金属等による汚染土壌に限る)
遮水工封じ込め
○(第二溶出量基準以下の汚染土壌、または不溶化により第二
溶出量基準以下になった重金属等による汚染土壌に限る)
遮断工封じ込め
○
○(VOCsを除く)
掘削除去
○
○
原位置浄化
○
○
地盤汚染の浄化対策
拡散防止の技術
汚染物質の溶出防止:固化・キレート化・被覆
地下水の流れの制御:遮水壁・揚水
分解除去の技術
汚染物質の除去:掘削・揚水・抽出・洗浄・分級
汚染物質の分解・無害化:UV照射・バイオ分解・
酸化還元・熱融解・溶融
自然分解管理技術
汚染物質の自然分解管理:MNA (Monitored
Natural Attenuation )
自然由来汚染土に遭遇した際の対応基準の例
•建設工事で遭遇する地盤汚染対応マニュアル
(平成16年5月 鹿島出版会から発刊)
•建設工事で遭遇するダイオキシン類汚染土壌対策
マニュアル
(平成17年12月 鹿島出版会から発刊)
上記2つのマニュアルは暫定版であり、独法 土木研究所編集
建設工事における自然由来の重金属汚染対応マニュ
アル(暫定版)(岩石に由来する環境汚染に関する共同研究報告書)
(平成18年 独法 土木研究所から発刊)
いずれのマニュアルも現状では、自然由来汚染土対策として
不十分である
地下水等経由によるリスク(溶出量基準)

慢性毒性を考慮
70年間、1日2Lの地下水を引用することを想定
毒性に関する閾値がある有害物質(砒素、四塩化炭素など)
一生涯にわたりその地下水を飲用しても健康に対する有害な影響
が無い濃度(地下水の寄与率として10%)
毒性に関する閾値が無い有害物質(ベンゼン、トリクロロエチレンなど発がん
性を有する)
一生涯にわたりその地下水を飲用した場合のリスク増分が10万分
の1となるレベルの濃度
その他の場合
鉛では幼児期の毒性を考慮している。
シアンでは急性毒性に基づいて設定している。
直接摂取によるリスク(含有量基準)

特定有害物質を含む土壌を直接摂取することによる
健康リスク
直接摂取として、砂場遊びや屋外で活動した際に汚染土
壌が手に付着し、それを摂取する場合や、汚染した土
壌が飛散し、それが口に入って摂取する場合を想定
摂取期間として、一生涯(70年間)汚染土壌のある土地
に居住した場合を想定
1日あたりの摂食量:6歳以下の子供で200mg
大人で100mg
自然由来汚染土への対策の見直しの前提
Ⅰ.土壌溶出量基準の規制値は他の規制レベルと比較
すると低すぎる為に、社会資本の過剰投資を誘起し
ている。
想定するリスクレベルの考え方を見直
し、政策として改めるべき。
Ⅱ.土壌溶出量試験の前処理方法は技術的にあいまいな
点が多い。
技術的な検証を行い、公定分析法と
して修正が必要であれば改めるべき。
重金属:鉛
(環境基準値0.01mg/ℓ )

水道管には鉛が使われていた。

環境基準より水道基準が高い時期があった。
(1993年~2003年)

アンケート調査では鉛水道管が70%残存(2005年調査)

朝1番の水道水(鉛管)は、30%が環境基準超過

不動産業界では土壌環境基準を超過した土地を販売する
場合は、掘削撤去を行うことを原則としているが、中古建
物販売の際に鉛の水道管を全て撤去するとして販売して
いる不動産会社の話は聞いたことがない。
重金属:砒素
(環境基準値0.01mg/ℓ )

清涼飲料水の基準は土壌環境基準の20倍
食品特にヒジキにいっぱい入っている。
英国ではヒジキの輸入を禁止している。

ヒジキのボルタンメトリーでの分析結果

水戻し汁:0.90mg/ℓ ,水切り後の煮汁:1.1mg/ℓ
環境基準の約100倍であった。
重金属:ふっ素

(環境基準値0.8mg/ℓ )
米国やオーストラリアなどでは 水道水にふっ素を添加
0.6~1.2mg/ℓ (水道基準は4.0mg/ℓ )
人口の6割がふっ素添加の水道水を飲む。全世界では毎日、
1億人以上が日本の環境基準を超える水を飲んでいる。





海水の濃度は1.3~1.4mg/L
茶の抽出液は33~200mg/L
フッ化物添加歯磨き剤 <1,000mg/kg
幼児はほとんど飲み込む
市販の缶入りお茶も環境基準を超過する
公定法溶出試験の
分析方法は大丈夫か
同じ0.45μmメンブレンフィルターだけど、
ろ紙製品の種類を変えて分析。
 1枚のフィルターのみでろ過する場合と
フィルターを交換しながらろ過する場合と
では分析値は異なる。
 加圧ろ過と吸引ろ過でも異なる。

自然起源の汚染への対応
(搬出汚染土の取扱との関連)
(1) 最終処分場・埋立地への処分
(2) 汚染された土の浄化施設における浄化処理
(3) セメント工場等における原料利用



河川平野部の地下水の砒素汚染
山岳地のトンネル掘削ずりによる汚染(硫化物の酸
化による重金属の漏出)
その他
自然由来による含有量の上限値の目安(単位mg/kg)
特定有害物質
砒素
鉛
上限値の目安
39
140
フッ素 ホウ素
700
22
20
20
18
18
16
16
HSO4
12
酸化的環境
NO3
Fe3+
12
O2(1atm)
(雨水,河川水,海水)
1.4
H2AsO4
O2(1atm)
-
Fe(OH)30
N2
SO4
(泥炭地や沼沢池)
4
2
H2O
0
-2
H2S
NH4
H2(1atm)
-4
6
2-
pe
6
還元的環境
-8
H3AsO30
Fe(OH)4-
H2O
AsO43-
H2(1atm)
-6
-8
NH3
-10
H2AsO3-
-10
2
S
イオウ
窒素
-16
2
-4
HS
-14
Fe2+
H2O
2-
-2
-6
-12
HAsO4
4
0
(地下水)
+
-
Fe(OH)2+
H3AsO40
8
H2O
2.0
FeOH2+
10
8
カドミウム セレン 六価クロム
1.4
14
10
pe
100
22
14
水銀
Fe(OH)
-12
-16
-18
HAsO32-
鉄
ヒ素
-14
+
AsO30
-18
0
1
2
3
4
5
6
7 8
pH
9
10 11 12 13 14
0
1
2
3
4
自然由来による含有量
5
6
7 8
pH
9
10 11 12 13 14
環境影響試験方法の課題

溶出試験操作



一般的には平成3年環境庁告示第46号試験を適用

自然由来汚染は対象外

粒径を考慮していない

単一条件での試験であるため、pH等の化学的要因の影響が不明である
環境曝露(酸化、pHの低下)により重金属の溶出が増加する可能性が
あるが、適切な評価試験方法がない
サンプリング・調査頻度

ばらつきが大きく、適切な調査・分析頻度が不明である
自然由来汚染土の調査・対策マニュアル
検討研究会(平成20年5月発足)






供試体の前処理方法の確立
迅速調査法の確立
発動基準の設定
汚染土の物流の把握
環境リスクコミュニケーションの敷衍化
環境教育の普及
建設工事における自然由来重金属等含有土砂への
対応マニュアル検討委員会
メンバーリスト(平成20年12月22日現在)
役 職
氏 名
所
雅史
属
座 長
嘉門
高松工業高等専門学校・校長
委 員
五十嵐 敏文
北海道大学大学院工学研究科・教授
委 員
伊東
佳彦
(独)土木研究所寒地土木研究所・上席研究員
委 員
井上
千弘
東北大学大学院環境科学研究科・教授
委 員
太田
岳洋
(財)鉄道総合技術研究所防災技術研究部・主任研究員
委 員
奥村
興平
(社)土壌環境センター
委 員
勝見
武
委 員
木幡
邦男
(独)国立環境研究所水土壌圏環境研究領域・領域長
委 員
木暮
敬二
協同組合地盤環境技術研究センター・理事長
委 員
駒井
武
京都大学大学院地球環境学堂・准教授
(独)産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門・副研究部門長
委 員
佐々木 靖人
(独)土木研究所材料地盤研究グループ・上席研究員
委 員
高澤
哲也
環境省・大気環境局土壌環境課・課長補佐
委 員
野田
勝
委 員
丸茂
克美
委 員
三田村 宗樹
大阪市立大学大学院理学研究科・准教授
委 員
脇坂
(独)土木研究所材料地盤研究グループ・グループ長
安彦
国土交通省・総合政策局事業総括調整官
(独)産業技術総合研究所地質情報研究部門・主任研究員
WG委員:乾 徹、品川俊介、田本修一、森啓年、他多数
マニュアル目次(案)
マ
ニ
ュ
ア
ル
原
案
第1章 総説
1.1 本マニュアルの目的
1.2 適用範囲
1.3 留意事項
1.4 用語の定義
2. 天然に存在する重金属等
2.1 重金属等の一般的性質
2.2 自然由来重金属等の分布と性状
留意点
・生活環境等での重金属等の存在,現状のリスクについての紹介
・生活環境上の許容レベルの説明(バックグラウンド含める)
2.3 自然由来と人為由来汚染の識別
2.4 建設工事における自然由来重金属等による環
境汚染現象
2.5 自然由来重金属等による環境リスク
・2,3章の章立ての見直し
・リスクを章としてまとめる
・対応方法における複数ケースの選択
・アプローチや社会的視点など、対応の複数案・選択について、
本文と資料の両者で記述する。
・ある程度の事業としては暴露シナリオをモデルとして示す。
第3章 自然的原因による重金属等による環境汚染と
その対応方針
3.1 環境汚染防止の枠組みとその対応の考え方
3.2 環境バックグラウンドと対策発動基準、対策 ・対策発動基準と環境基準の考え方を明確に示す。
目標
・対策発動基準について工事の進捗段階毎の考え方を示す。
・環境バックグラウンド値を超過する事象についての発動基準の
考え方を示す。
・リスクレベルの評価について、何をリスクとして考えるか検討
・環境バックグラウンド値と対策発動基準の設定方法検討
・バックグラウンド値を出すための試験方法検討
・土砂の人体暴露レベル、土壌分析方法、分析値、の相互関係を
示してバックグラウンド値を検討評価
マニュアル原案(続き)
マニュアル目次(案)
3.3 対応の基本的流れ
3.3.1 基本的考え方(避ける、減らす、再利用する)
3.3.2 調査契機
3.3.3 建設工事の段階に応じた対応
3.3.4 岩石試料と土質試料
留意点
・ 対象規模の設定
・ 周辺住民に説明できるマニュアル作り
・長期的に掘削土砂を残すことも想定し調査法について検
討
第4章 調査・試験方法
・割り切って試験方法を決定する、
4.1 資料等調査(物理探査資料を含む)
4.2 地表地質踏査、水文調査およびボーリング調査
(孔内検層を含む)
4.3 試料の採取
4.3.1 試料(岩石試料、土質試料)
4.3.2 表流水、地下水および浸出水
4.4 溶出量試験(岩石試料、土質試料)
4.4.1 ハザード判定試験(短期溶出量試験と長期溶出
量試験)
4.4.2 施工管理試験の選定(簡易分析法)
4.5 含有量試験、全岩化学分析および鉱物学的分析
4.6 試験液、採水試料の化学分析
第5章 影響予測方法
・サイトの特性。対策工法別による評価方法の検討
5.1 周辺地盤の評価
5.2 サイト概念モデルの構築
5.3 影響予測の実施
5.3.1 定性的予測
マニュアル原案(続き)
マニュアル目次(案)
第6章 対策工
6.1 対策工の考え方
6.2 対策工法
6.2.1 掘削ずり、掘削土
6.2.2 掘削面
6.2.3 排水
6.3 周辺環境対策
7. モニタリング
7.1 モニタリングの考え方
7.2 モニタリング計画
7.3 試験方法と判定基準
資料集
1. 関連法令
2. 我が国における自然由来重金属等の分布
3. 調査方法
4. 試験方法
5. ケースヒストリー
留意点
・現場条件に応じた対策の記載
・回避、減量化、再利用等の例を記載する。
・長期
・モニタリング手法・基準の検討
・溶出試験の考え方の整理
・長期モニタリング方法の記述
・資料の収集
・資料の収集
・調査方法の提示
・様々な分析方法の提示
・複数のケース事例を示す
・サイトの特性に応じた対応方針の策定
・作成後、リスク評価WGで加筆・修正
自然由来汚染土の今後の対策として必要
とされる諸課題






処分費用を削減しうる適正対策技術の開発と評価手法
の確立
環境リスクを取り入れた浄化目標・対策目標の策定
汚染土壌の処分先の確保
(最終処分場、浄化施設、セメント工場、etc.)
建設発生土の再利用のための、有害性を精度よく判定
するための迅速評価手法の確立
地盤環境のあり方に関する市民への啓発
その他
存在形態分析(分別抽出法)について
丸茂克美・竹内美緒・江橋俊臣・楡井久(2003):土壌・地質汚染評価基本図「5万分の1姉崎」による
サイト概念モデルの類型化と対応する調査・試験方法
サイト概念
モデル
(類型化)
地盤パラメータ
取得のための
調査・試験
促
進
試
験
(
安
全
側
)
酸性水
発生
評価
溶出
評価
実際を模した
試験
①発生源近くの表流
水利用
②発生源から地下水
への移流、拡散
③発生源から特定箇
所への濃集(要検討)
④複雑あるいは複合
特になし
透水試験
バッチ吸着試験
?
サイトの詳細調査(地
質構造、地下水)
透水試験
バッチ吸着試験
強制酸化状態(過酸化水素水を用いたpH試験など)
酸性環境(硫酸溶液を用いた溶出試験など)
化学組成、鉱物組成(硫黄含有量、カルシウム含有量、鉱物分析、逐次溶出試験など)
細粒、撹拌、厳しい溶液組成(酸、アルカリ)、高温度条件の溶出試験
(酸、アルカリ、緩衝溶液を用いたバッチ試験など)
化学組成・鉱物組成(全含有量試験、鉱物分析、逐次溶出試験など)
実際に近い粒径、環境水に近い溶液、酸化還元状態の制御、開放系、長期間
(現地試験施工モニタリング、カラム試験、シリアルバッチ試験、タンクリーチング試験等)
リスク評価手法の選択の考え方の例
自然由来の重金属等の
存在を把握※
リスク評価手
法の選定
土対法に基づくリスク評価
レベル 1 スクリーニングモデルを
土対法に基づく
対応を選択
レベル2
選択
土対法準拠の試験方法
溶出試験(2mm以下、環告18号)
含有量試験(2mm以下、環告19号)
pH試験(30%過酸化水素水利用)
→ 酸性水発生の可能性がある場合は
硫酸酸性下(pH2)の溶出試験実施
※スクリーニング的な試験方法
例えば溶出試験(2mm以下、
環告46号相当)を想定
サイト概念モデル等に基づくリスク評価
簡易サイト
概念モデルを選択
レベル3
全含有量を求める試験方法
底質調査法(環水管第127号)、XRF 等
詳細サイト
概念モデルを選択
現場条件に応じた試験方法
現場状況に応じて組み合わせ
リスク評価
一次元移流拡散解析
(GERAS等)での
リスク評価
ワンボックスモデル
(C-SOIL等)での
リスク評価
土対法に基づく
リスク評価
多次元移流拡解析
(D-TRANSU等)での
リスク評価
対策
対策
①環境基準超過~BG値以下:覆土
②環境基準もしくはBG値超過
~第二溶出基準以下:遮水型
③第二溶出基準超過:
不溶化後遮水型/遮断型
(レベル1は汚染源、レベル2及びレベル3は敷地境界もしくは保全対象の近傍で評価)
①環境基準(ECS 1.0)もしくはBG値以下 : 覆土
②環境基準もしくはBG値超過~第二溶出基準以下
(ECS 1.0超過~30.0*以下) : 遮水型
③第二溶出基準(ECS 30.0*) 超過 : 不溶化後遮水型/遮断型
ECS:暴露濃度/地下水環境基準
*水銀についてはECS10.0
アルキル水銀不検出
BG値:バックグラウンド値
モニタリング
敷地境界もしくは保全対象近傍の地下水濃度がBG値もしくは環境基準値のうちの高い方を上回らないこと
終了
(H20.12.2加筆修正版)
掘削土の自然由来環境汚染リスクのまとめ
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JLT46による評価は必要であろう
促進試験による評価を併せて実施する必要がある
酸性水による重金属溶出リスクの増大
過酸化水素処理による酸性化は溶出リスクを過大評価する
しかしながら、鉄と砒素との共存状態では酸性条件下では
沈殿して、両者の溶出リスクは減少する
結果として環境リスクは掘削ずりの保存状態に依存するの
で、あるがままに受け入れる必要がある
重金属吸着剤による表面被覆とカバーリングの併用が対策
として効果的である
北海道における「自然由来重金属問題」の背景
北海道の鉱山分布
関根、堀内、田本、他(2005):GISを用いた北海道の鉱山分布と有害物質危険度評価,
資源・素材2005(室蘭),企画発表・一般発表(C)(D)講演資料,p.179-180.
自然由来重金属等を発生する
プロジェクト(トンネル)
2005年で19プロジェクト(開発局)
関根、堀内、田本、他(2005):GISを用いた北海道の鉱山分布と有害物質危険度評価,
資源・素材2005(室蘭),企画発表・一般発表(C)(D)講演資料,p.179-180.
自然由来重金属等問題合同研究の内容
1.土木研究所共同研究報告書を踏まえた
自然由来重金属問題の課題の抽出と整理
2.自然由来の重金属問題への対策フロー
マニュアルの提案
自然由来の重金属等問題対策フローマニュアルの提案
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対策フロー → 工種毎に作成
工種案:トンネル、道路・橋梁、
河川・海岸、都市土木
H19,H20上半期:トンネルに重点を置き検討
対策フローマニュアル
建設工事を実施する際の段階に沿う
Step1:予備調査段階,Step2:概略調査段階,
Step3:詳細調査段階,Step4:施工時調査段階,
Step5:施工後調査段階
自然由来汚染土の調査対策マニュアル
策定への課題
Ⅰ.土壌環境基準と独立した発動基準の策定
想定するリスクレベルの考え方を見直
し、政策として改めるべき。
Ⅱ.迅速評価方法の確定
技術的検証に基づいた、公定分析法
の修正
Ⅲ. 適正な対策工法の明示
リスクに適合した、合理的対策工法と
長期モニタリング
ご清聴有難うございました