97 氷水負荷と温水負荷直後における下肢動脈血流速度とサーモグラフィーの関係 ◎増子由華 1)、田嶋 明彦 2)、根本咲 1)、鹿島さやか 1)、鈴木千尋 1) 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻 1)、埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科 2) 【結果】負荷直後の最高血流速度を基準に、負荷前、負荷 【目的】慢性心不全患者では、心拍出量の低下により症状 後 1 分毎の血流速度の差(⊿V)をそれぞれ算出した。また、 として手足の冷感があらわれることが多くみられる。しか 負荷直後の足底部温度を基準に、負荷前、負荷後 1 分毎の し下肢血流と温度変化の関係についての報告は少ない。そ 足底部温度の変化量(⊿T)をそれぞれ算出した。また、これ こで今回我々は足部の設定温度の違いと下肢動脈の最高血 ら 2 つのデータから 1 次相関を求めたところ、温水⊿T vs. 流速とフローボリュームにおける末梢循環を比較検討した。 ⊿V(r=0.27)、氷水⊿T vs. ⊿V(r=0.01)となり、有意な相関は 認められなかった。 【方法】対象は本研究に対して同意が得られた本学学生 【考察】温水または氷水負荷前後の下肢動脈血流速と足底 11 名(男性 6 名、女性 5 名、年齢 20.5±2.5 歳、 部温度の変化量に相関が認められなかったのは、末梢の温 BMI20.9±2.7)である。46℃の温水に 1 分間足部をつけ、そ の直後から 10 分間下肢動脈(膝窩動脈)の血流速とフローボ 度負荷に対して、計測部位が膝窩動脈であり、直接的な変 リュームを 1 分ごとに測定した。同様に氷水に 30 秒間足を 後、脛骨動脈や足首周辺の血管の血流速を測定する必要が つけてその直後から 10 分間下肢動脈(膝窩動脈)の血流速と あることが示唆された。 フローボリュームを 1 分ごとに測定した。超音波検査装置 を用いて下肢動脈の測定をすると同時に体表面の皮膚温度 分布(サーモグラフィー)、血圧、心拍数の測定を行った。 化を反映できなかったことが原因であると考えられる。今 連絡先:埼玉県立大学 048-973-4787
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