人の和通信 ( 窪治 110号 ) テレビ等でもしばしば報じられている通り、いまや日本の労働力は海外からの 輸入に頼らざるを得ない状況です。弊社は建設業の中でも『足場設置』『土木作 なりわい 業』を主に生業としているのですが、いわゆる「作業 員」の確保は非常に困難な状況です。今後東京ではオ リンピック開催に向けて建設ラッシュが続く事は間 違いなく人材の確保は必須なのですが・・・。 現場での作業は楽ではありません。 夏・暑い炎天 の下でも 冬・木枯らし吹きすさぶ中でも 雪が舞う中 つら でも 雨が降ろうと 雪が降ろうと やらなければならない辛い仕事です。ですか け う ら自ら進んでこの仕事に飛び込もうとする若者が稀有であっても仕方のない事 や つら なのです。だからと言って建設作業を止めるわけにはいきませんから辛い仕事で も耐えてやってくれる人材は海外に求めるというのが現状です。 そこで「外国人技能実習制度」を利用することになります。 左がその大まかな流れです。これは決して 『労働力の輸入』のための制度ではありません。 ≪開発途上国≫等の経済発展・産業振興のた めその担い手となる人材の育成を行うのが目 的です。 実修をして技能を身に付け、基準に到達(試 験に合格)した後、残りの期間さらに実習を積 み、尚一層スキルを磨き、自分の国に持ち帰り その国の発展に貢献するための制度なのです。 しかしながら日本に比べ物価も収入もかな り低い≪開発途上国≫の人たちにとっては、日 本で働き一生懸命お金を貯めれば、帰国後豊か な暮らしが出来る事は間違い無いのです。貯め たお金で、新しい事業を始め、家を新築しても尚まだ十分余る・・・。 彼らは 日本で働くことで夢を実現させる 訳です。 弊社が中国人研修生を受け入れ始めてからは10年。3年前からは中国に代わっ てインドネシアから実修生を受け入れています。現段階では、彼らは実習期間と して最大でも3年間しか日本に滞在することが出来ません。そのため毎年のよう に新しい人材を受け入れなければなりません。その新しい人材を選ぶために、現 地に赴き面接をして実修生を選んで来るのです。通例これは『社長の仕事』なの ですが、今回に限り「社長代理」として私がインドネシアへ行ってきました。 当日試験を受けに来たのは24人。私はその中か ら『自社の人材3人』と『協力会社から依頼され た人材3人』を選ばなければなりません。 「仕事で 海外旅行が出来る!」と二つ返事で承諾したもの の、考えてみるとその責任はかなり重大。 赤道 *弊社の仕事に向いている人・・・ *途中で辞めたいと言わない人・・・ *現在いる2年目3年目の実習生たちと仲良く出来 る人・・・ 日本での採用なら、 「辞める」と言われてもその日までの賃金を支払えばすむ のですが、外国からの実修生となると「辞める」→「はい、ご苦労様でした」と 簡単にはいきません。中途終了の煩雑な手続きをした上で無事本国まで戻さなけ ればならないのです。その上そうなれば、またもや人材不足に・・・。 人が人を選ぶということは本当に難しい事です。まして会話は通訳を通してで すからどこまで本心を探れるか・・・。 試験当日整列した24人・・・まずは実技の試験から。 2人1組になって簡単な足場を組み、解体します。緊張でなかなか練習通りには 出来なかったようですが、私としては「安全」と「正確さ」を基準にふるいに掛 けました。現場で事故を起こさない事が最も重要と考えたからです。 15名が残りました。今度は面接です。3人1組で面接をしていきます。 今度の基準は「目的意識」と「忍耐力」です。 *お金をためて起業したい・・・ *両親の借金の返済のため・・・ *弟妹の学費のため・・・ *養鶏(牛 鴨…)場を拡張して親子で働きたい・・・ *家を改築したい・・・ *結婚資金を貯めたい・・・ *大学へ行きたい・・・ これは日本の就職の面接ではまず聞かれない言葉に思えます。「自分のため」 よりも「家族のため」という人の方が多い事に驚かされました。 けんご 「忍耐力」に関しては当然全員が『頑張る』と答えましたが、 「目的意識」が堅固 であれば問題ないだろうと思いました。 私の選んだ『3 人』が 3 年間無事やり抜いてくれる事を願ってやみません。 渡邉由美子 編集後記 インドネシアと言ったらもちろん「スカルノ大統領とデヴィ夫人の 恋物語」ですよね~えっ古い?そんな~!インドネシアって以外に大 きくて面積は日本の5倍。上の地図を見ればわかるように東西の幅は オーストラリアと同じくらいで赤道直下の島国。年間通して 30℃に 加えスコールがあるので蒸し暑い。当然ビールが美味しい!・・・い や、朝から飲んだりはしませんよ!・・・昼からです・・・それでも 早すぎね!・・・イスラムの国なのに・・・。 今回『初めてのインドネシア』そして『初めての採用面接』疲れま した。私としては実に 10 年ぶりの海外旅行。そんな私を何から何ま でサポートしてくださったアジア商榮協同組合の雨瑠宰伊人さん LPKHIRO 日本語学校の代表 BOWO さんはじめスタッフの皆様方に この場をお借りしてお礼を述べさせていただきます。 「ありがとうございました」「また来年行きます!」 渡邉由美子 179-0076 東京都練馬区土支田 4-12-22 鳶・土工・建設業 株式会社 窪治組 TEL 03-3925-1773 FAX 03-3925-1796 Mail [email protected] http://kuboharu.jp
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