E.coli菌体破砕処理後の細胞残渣除去

バイオ精製操作に関する技術資料
BioProcess Application
E.coli菌体破砕処理後の細胞残渣除去
E.coliのある菌体内生成蛋白成分を回収するために、菌体
破砕処理後細胞残渣分離操作を行った。
導入
遺伝子組み換え処理したE.coliを培養し、物理的細胞破砕処理
を行った。必要な成分は菌体内に蓄積する蛋白で、抗癌活性
のあるインターフェロンであった。
実験条件
使用した破砕液のバッチサイズは245Lでした。孔径0.2μmの
KrosFloモジュール(品番K02-M20U-06-N:膜面積1.0m2)1本
を使用しました。液循環流速は、終始57 L/minを維持しました
。透過液口は、液循環が安定状態になるまで、閉鎖しておき
ました。その後徐々に透過液口を開放しました。循環液戻り
ラインの流量制限(加圧)は一切行いませんでした。操作開
始時の液温は4℃でしたが、操作終了時には、12℃まで上
昇していました。操作開始時モジュール入口圧は12 psig (0.85
bar) でしたが、液温上昇に伴って徐々に11 psig (0.77 bar)まで低
下し、その後固形成分の濃度上昇に伴って上昇に転じ、操作
終了前には13 psig (0.91 bar) まで上昇しました。
結果
細菌破砕液についてよく認められるように、透過液流速は、
初め急速に低下した後安定した平衡透過流束(Flux)を示す
ようになりました。操作時間65分で、237Lの精製された透過
液が得られました。平衡Flux値200 L/m2hrにて、細胞残渣は
、30倍濃縮されました。求める蛋白成分は、透過液として
99%回収されました。
議論
細胞破砕処理後、破砕液から目的成分を経済的に
分離するには、適切なろ過モジュールと操作条件
の選択が重要です。SpectrumのKrosFlo®フィルター
モジュールは、細胞破砕液から、溶解蛋白成分を
分離するのに極めて有効なツールです。使い捨て
型モジュールは、繰り返し使用型モジュールに比
べ、種々の利点を持っています。使い捨てのノン
パイロジェニックフィルターを使用することによ
り、繰り返し使用型のフィルターのように、洗浄
の煩わしさに悩む必要がありません。使い捨てで
すから、ロット間交差汚染の心配もありません。
最後に、複数回の操作を通して、安定した優れた
性能が示されました。
図1
図2
E. coli細胞破砕液から細胞残渣を分離するために組んだ
システム仕様
E. coli細胞破砕液からの細胞残渣分離実験時のFluxおよ
び透過液量の経時変化実績
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