グラジエント分析におけるベースラインの変動

LC Technical Note
グラジエント分析におけるベースラインの変動
~エムポアTM ディスクによる溶離液の精製~
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GL Sciences Inc.
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるグラジエント分析では、予期しない不明なピークが溶出し分離や定量に影
響を与えることがあります。この不明なピークは、溶離液に使用する水の汚れ・溶離液瓶の汚れ・カラムの汚れ・装置
内部の汚れなど様々な要素によって引き起こされると考えられています。また、その他の要因として、溶離液に添加す
る試薬に含まれる不純物が、カラムに保持されピークとして溶出することもあります。
今回、溶離液中の添加剤由来の不純物によって引き起こるベースラインの変動を軽減させる方法の一つとして、
エムポアディスク(SDB-XD)を使用した例について紹介します。
(R. Hirano)
エムポアディスクの使用例
(第十六改正日本薬局方第一追補 ブロチゾラム純度試験分析条件)
0
mAU
2
-①(イオンペア試薬あり)
-②(イオンペア試薬なし)
-③(イオンペア試薬あり、SDB-XDろ過)
0
10
Time (min)
20
イオンペア試薬の有無によってサンプルを注入しなくても多くのピークが検出されていることが分かります。(①と②の比較)
SDB-XDを使用すると、多くのピークが除去できていることが分かります。(①と③の比較)
・
・
・
・
・
・
HPLC 条件
システム
カラム
温度
検出器
注入量
流速
GL7700 HPLC system
InertSustain C8 5 μm 150 mm×3.9 mm I.D.
40℃
UV 242 nm
0 μL
2.0 mL/min
時間(分)
溶離液A(%) 溶離液B(%)
0.00
63
37
4.00
15.00
15.01
63
12
63
37
88
37
20.00
63
37
溶離液
① 溶離液A: 1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム1.84 gを水1,000 mLに溶かす。
溶離液B: 1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム0.46 gを水250 mL及び
アセトニトリル750 mLに溶かす。
② 溶離液A: 水
溶離液B: 水250 mL及びアセトニトリル750 mLに溶かす。
③ 溶離液A: 1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム1.84 gを水1,000 mLに溶かし、
エムポアディスクSDB-XDでろ過する。
溶離液B: 1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム0.46 gを水250 mLに溶かし、
エムポアディスクSDB-XDでろ過する。
ろ液250mLをアセトニトリル750mLに溶かす。
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エムポアディスクの操作方法
Empore SDB-XD (47 mm)
アセトン 10 mL
吸引・乾燥
2-プロパノール 10 mL
吸引・乾燥
メタノール 20 mL
メタノール約1 mLを吸引し、30秒浸透
メタノールが表面に少量残るように吸引*
水 20 mL
水が表面に少量残るように吸引*
溶離液(水系)** 20 mL
溶離液が表面に少量残るように吸引
ビーカーの交換
溶離液(水系)** 必要量
吸引
ろ液(溶離液として使用)
廃液
エムポアディスク
SDB-XD
*乾燥させてしまった場合はもう1度メタノールを加えて下さい
**1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム水溶液(1.84 g/L)
47mm 20枚入 Cat.No. 5010-30046
全ての不純物を除去できるわけではありません。予めご了承下さい。
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