MonoSpin PBAを用いた血清中リバビリンの精製

LC Technical Note
161
MonoSpin PBAを用いた血清中リバビリンの精製
GL Sciences Inc.
抗ウイルス薬であるリバビリン(Ribavirin)は、
インターフェロンと併用することでC型肝炎治
療薬として用いられています。体内に蓄積す
る性質があり、体内動態を解析することで治
療効果の予測や副作用との関連をみることが
可能です。
リバビリンは親水性の薬物であり、C18など
の疎水性相互作用による前処理を適用するこ
とが困難です。そこで精製にはリバビリンの持
つシス型ジオールを選択的に吸着することの
できるMonoSpin PBAを用いました。
ヒト血清に0.25~25μg/mLの範囲でリバビリ
ンを添加し、MonoSpin PBAで精製後、HPLCに
よる評価を行いました。分析カラムは水を多く
含む移動相条件でも安定して分析を行うこと
が可能なInertSustain AQ‐C18を用いました。
その結果、ヒト血清中のリバビリンを簡便か
つ、選択的に測定することができました。
本報では、精製における注意点についても
記載しておりますので、メソッド構築時にご参
考ください。
( Y.Yui, N. Iwanami )
◆MonoSpin とは?
MonoSpin
MonoSpin シリーズは、均一な連続孔を持つシリカ
モノリスを用いたスピンカラムです。空隙率の高いシ
リカモノリスを担体として用いているので、遠心操作
だけで通液させることができます。そのため、短時間
の簡便な操作で試料の精製・濃縮を行うことができ
ます。また、ベッドボリュームが小さく液切れも良い
ので、試料量が少ない場合にも適しています。
操作は遠心法で
す。
使用方法の動画はこちら: http://www.gls.co.jp/flv/monospin/monospin.html
シリカモノリスの
拡大図
シリカモノリス
ディスク
◆MonoSpin PBAを用いた精製方法について
構造式
MonoSpin PBA
L型 Ribavirin
MW:244
pKa:12.25
シリカモノリスの表面にフェニルホウ酸を結
合させたカラムです。シス型ジオールを有す
る化合物に高い親和性を示します。
MonoSpin PBAが
選択性を示す部位
精製手順
遠心: 2,300×g, 2min
遠心
1.Conditioning
0.6%アンモニア水溶液
400μL
遠心
2.Absorption
サンプル溶液
400μL
遠心
3.Rinsing
0.6%アンモニア水溶液
400μL
遠心
4.Elution
1%ギ酸水溶液
200μL
Purified sample
サンプル溶液
0.6%アンモニア水溶液:ヒト血清:リバビリン(各濃度に水で希釈したもの)=50:49:1で混合し、5,000×g、3min遠
心した上清をサンプル溶液としました。※予め遠心して微粉を除くことでスピンカラムの液通りが良くなります。
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◆標準溶液の測定例
1.Ribavirin 1 μg/mL
900000
R² = 0.999952 800000
700000
600000
mVolts
2
Area
1
500000
400000
300000
200000
0
100000
0
0
2
HPLC条件
カラム:
溶離液:
4
Time (min)
6
0
8
10
20
30
40
50
60
Concentration(μg/mL)
InertSustain AQ‐C18 HP (3 μm, 150 × 2.1 mm I.D.) A) Solution*
Time
A(%)
B(%)
B) Solution */CH3CN=19/1, (v/v)
0
100
0
gradient (v/v)
6
100
0
0.3 mL/min 6.1
0
100
25 ℃
11
0
100
UV 220 nm
11.1
100
0
5 μL
20
100
0
流量:
カラム温度:
検出:
注入量:
*Solutionの調製方法
無水硫酸ナトリウム 2 gを水300 mLに溶解し、リン酸8 mLを加えて2 Lに秤量したもの
◆添加回収試験結果①(日内再現性)
回収液クロマトグラム(1 μg/mL)
900000
R² = 0.999957 800000
1.Ribavirin 1 μg/mL
700000
600000
mVolts
2
Area
1
500000
400000
300000
200000
0
100000
0
0
0
2
4
Time (min)
6
8
各濃度における回収率および日内再現性(n=6)
Spiked concentration,μg/mL
Recovery,%
0.25
100.7
0.5
102
2.5
97.5
5
97.7
12.5
100.7
25
98.9
10
20
30
40
Concentration(μg/mL)
RSD,%
2.4
3.5
1.7
2.5
0.9
1.2
各濃度n=6で分析した際の回収率および日内変動係数は、
回収率:97.5~100.7%、RSD:0.9~3.5%であり、良好な結果を得ることができました。
50
60
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◆添加回収試験結果②(日間再現性‐連続3日間)
検量線1日目
検量線2日目
900000
900000
700000
600000
600000
500000
500000
Area
Area
700000
400000
400000
300000
300000
200000
200000
100000
100000
0
0
10
20
30
R² = 0.999957 800000
R² = 0.999957 800000
40
50
0
60
0
Concentration(μg/mL)
10
20
30
40
50
Concentration(μg/mL)
検量線3日目
900000
R² = 0.998690 800000
700000
Area
600000
各濃度n=6で3日間分析した際の回収量お
よび寄与率を示します。
寄与率0.998690~0.999957であり、良好な
結果を得ることができました。
500000
400000
300000
200000
100000
0
0
10
20
30
40
50
60
Concentration(μg/mL)
各濃度における連続3日間の回収率および日間再現性
Spiked concentration,
μg/mL
0.25
0.5
2.5
5
12.5
25
1st day
2nd day
3rd day
RSD(%)
100.7
102
97.5
97.7
100.7
98.9
99.4
99.3
98.5
101.9
101.4
99.5
95.7
98.9
98.9
99.3
94.7
100.8
3.1
3.0
1.6
2.5
3.4
1.9
各濃度n=6で分析した際の回収率および日間変動係数は、
回収率:94.7~101.9%、RSD:1.6~3.4%であり、良好な結果を得ることができました。
60
GL Sciences LC Technical Note
MonoSpin PBAの物性と仕様
S型
品名
官能基
MonoSpin PBA
スルーポア メソポア
(µm)
(nm)
フェニルホウ酸基
5
10
表面積
(m2/g)
350
使用製品
MonoSpin S型
MonoSpin®
回収用チューブ
(1.7 mL)
廃液用チューブ
(2 mL)
MonoSpin S型と、回収用チューブ(1.7 mL)、廃液用チューブ(1.7 mL)がセットになっています。
品名
MonoSpin PBA
入数
Cat.No.
50本
5010-21715
100本
5010-21716
MonoSpin® (S型)トライアルキット、カスタムキット
初期メソッド調整用に、各種パッケージ化したトライアルキットとカスタムキットです。
品名
構成内容
Cat.No.
MonoSpin トライアルキット 1
C18,TiO,SCX,SAX 各10本
5010-21740
MonoSpin トライアルキット 2
C18,Amide,CBA,NH2 各10本
5010-21741
MonoSpin トライアルキット 3
SCX,SAX,CBA,NH2 各10本
5010-21742
MonoSpin カスタムキット 20
*
*
お好みの2種 組み合わせ 各10本
5010-01001
MonoSpin Trypsin, MonoSpin ProA, MonoSpin ProG は対象外です。
ジーエルサイエンスでは、分析ノウハウときめこまやかなフォローもお付けしたシステム提案を行っております。
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島 営 業
州 営 業
部
店
所
所
所
所
所
所
所
所
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