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羊 の 遺 産 相 続 竹中 芳夫(豊田北高校)
ある男は11頭の羊を飼っていた。この男には三人の息子がいた。男は年老いたので、
羊を長男には
1
1
1
,次男には ,三男には 分けることにした。しかし、11頭では分け
2
4
6
ることが出来ないので困って、僧侶に相談をした。
僧侶は自分の羊を1頭連れてきて、これを使って分け るようにと言った。
1
1
1
羊が12頭になったので、長男は で6頭、次男は で3頭、 三男は で2頭に分けた。
2
4
6
6+3+2=11で、1頭余ったので 僧侶は自分の羊を連れて帰った。
僧侶の1頭は最初からいらなかったのだろうか。
このお話のように、1頭足して分けたら、三人の息 子にちゃんと分けることができ、
かつ、足した1頭を持って帰ること ができる他の場合を見つけてみよう。
なお、三人の相続分は、長男が
1
1
1
1
1
1
、次男が 、三男が ( ) ) :a , b , c は
a
b
c
a
b
c
自然数)とする。
( Ⅰ ) 長男の取り分を
1
以下とした場合
5
次男、三男は、どんなに大きくても、それぞれ
以下にしかならない。残りが
1
3
以下の取り分であり、合計すると
5
5
2
以上となり、三男の取り分よりも多くなってしまうので、
5
解なし。
( Ⅱ ) 長男の取り分を
1
とした場合
4
次男、三男は、どんなに大きくても、それぞれ
る。 すなわち、3頭の羊に1頭足し、3人が
羊の数 長男 次男 三男
3
1
4
1
4
1
4
1
3
の取り分になり、合計すると であ
4
4
1
ずつ取って、1頭余る形しかない。
4
( Ⅲ ) 長男の取り分を
① 次男の取り分が
1
とした場合、
3
1
1
の場合、三男の取り分を 0 c ) 3 1 とおけば、3人の取り分は
3
c
1
1
1
2c + 3
2c + 3
c-3
+ + =
=
となるから、残り1頭分は 1となる。
3
3
3c
3c
3c
c
羊の全体の数は、1 &
3c
c -3
=
頭と表せる。
3c
c-3
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合 だから 1
c-3
より 0 ( c ( 6
)
c
3c
全体の羊の数および3人の羊の取り分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
羊の数 長男 次男 三男
11
1
3
1
3
1
4
5
1
3
1
3
1
6
② 次男の取り分が
1
1
の場合、三男の取り分を 0 c ) 4 1 とおけば、3人の取り分は
4
c
1
1
1
7c + 12
7c + 12
5c - 12
+ + =
=
となるから、残り1頭分は 1となる。
3
4
12c
12c
12c
c
羊の全体の数は、1 &
5c - 12
12c
=
頭と表せる。
12c
5c - 12
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合 だから 1
5c - 12
24
より、0 ( c (
)
12c
5
c
全体の羊の数および3人の羊の取り分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
解はない。 ③ 次男の取り分が1/4より小さい場合も、同様に解はない。
( Ⅲ ) 長男の取り分を
① 次男の取り分が
1
とした場合、
2
1
1
の場合、三男の取り分を 0 c ) 3 1 とおけば、3人の取り分は
3
c
1
1
1
2c + 6
5c + 6
c-6
+ + =
=
となるから、残り1頭分は 1となる。
2
3
6c
6c
6c
c
羊の全体の数は、1 &
6c
c -6
=
頭と表せる。
6c
c-6
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合 だから 1
c-6
より、0 ( c ( 12
)
6c
c
全体の羊の数および3人の羊の取り分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
羊の数 長男 次男 三男
41
1
2
1
3
1
7
23
1
2
1
3
1
8
17
1
2
1
3
1
9
11
1
2
1
3
1
12
1
1
② 次男の取り分が の場合、三男の取り分を 0 c ) 4 1 とおけば、3人の取り分は
4
c
1
1
1
3c + 4
3c + 4
c-4
+ + =
となる。
となるから、残り1頭分は 1=
2
4
4c
4c
4c
c
羊の全体の数は、1 &
c-4
4c
=
頭と表せる。
4c
c-4
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合、および、全体の羊の数および3人の羊の取り
分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
羊の数 長男 次男 三男
19
1
1
2
4
1
5
11
1
1
2
4
1
6
9
1
1
2
4
1
8
1
1
③ 次男の取り分が の場合、男の取り分を 0 c ) 5 1 とおけば、3人の取り分は
5
c
1
1
1
7c + 10
7c + 10
3c - 10
となる。
+ + =
となるから、残り1頭分は 1=
2
5
10c
10c
10c
c
羊の全体の数は、1 &
3c - 10
10c
=
頭と表せる。
10c
3c - 10
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合、および、全体の羊の数および3人の羊の取り
分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
羊の数 長男 次男 三男
9
1 1
1
2 5
5
1
1
④ 次男の取り分が の場合、男の取り分を 0 c ) 6 1 とおけば、3人の取り分は
6
c
1
1
1
2c + 3
2c + 3
c-3
+ + =
=
となる。
となるから、残り1頭分は 12
6
3c
3c
3c
c
羊の全体の数は、1 &
3c
c -3
=
頭と表せる。
3c
c-3
また、三男の取り分の割合)1頭分の割合、および、全体の羊の数および3人の羊の取り
分の数は自然数でなければならないことに注意すれば、
羊の数 長男 次男 三男
1
2
5
1 1
6 6
1
1
⑤ 次男の取り分が の場合、三男の取り分は多くて 。この場合3人の取り分は
7
7
1
1
1
11
3
+ + =
残りの分は
となり三男の取り分より多くなってしまうので解なし。
2
7
7
14
14
1
⑥ 次男の取り分が 以下の場合も⑤と同様に解なし。
7
羊の遺産相続一覧
羊の数
長男
次男
三男
羊の数
長男
次男
三男
3
1
4
1
4
1
4
11
1
3
1
3
1
4
5
1
3
1
3
1
6
11
1
2
1
4
1
6
5
1
2
1
6
1
6
17
1
2
1
3
1
9
8
1
2
1
4
1
8
19
1
2
1
4
1
5
9
1
2
1
5
1
5
23
1
2
1
3
1
8
11
1
3
1
3
1
4
41
1
2
1
3
1
7