事業計画書 - 全国海水養魚協会

平
事
成
業
27
年
度
計
平成27年4月 1日から
平成28年3月31日まで
画
平
成
27
年
度
事
業
計
画
(案)
(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)
1. 事 業 の 概 要
我が国の海面における平成25年の魚類養殖は、主要魚種のブリ類と
ヒ ラ メ の 生 産 が 減 少 し た こ と か ら 、生 産 数 量 は 2 4 年 に 比 べ 3 % 少 な い 24
万 2,905 ト ン と な っ た 。 東 日 本 大 震 災 に 見 舞 わ れ た 平 成 23 年 を 特 異 年 と
考 え る と 、 魚 類 養 殖 の 生 産 数 量 は こ の 10 年 ほ ど 24 万 ト ン か ら 26 万 ト ン
台で増減推移している。他の漁業を含めた総生産量の対前年比が連続減
少を続けるなかで、魚類養殖は浜の重要な産業として、その位置づけを
ますます強いものにしている。
世 界 的 に 見 た 漁 業 生 産 量 ( FAO: 2012 年 ) は 、 1 億 8 千 万 ト ン 余 り と
なり、この20年あまりで8割近く増加している。特に養殖業による生
産 量 は 9 千 ト ン 強 で 、 2 0 年 余 り で 537 % の 伸 び を 示 し て い る 。 こ の 間
の 天 然 漁 獲 の 伸 び 率 は 僅 か に 7.5 % で 、 養 殖 業 が 生 産 量 の 約 半 分 を 占 め る
までに伸びている。世界的に重要になってきた養殖業は、浜の持続的な
産業、また地域を活性化する産業としての度合いをますます強くしてい
る。しかしながら、我が国の魚類養殖を取り巻く環境は、生産コストの
半分以上を占める飼餌料の価格が相次いで上昇するなど極めて厳しい状
況に直面している。緊急を迫られる低魚粉飼料での生産、生産管理によ
る生産性の向上等々コスト削減のための技術改善、身質変化を防止する
飼育技術等に努めるも、少子高齢化や低価格志向により購買力が十分回
復 し て い な い こ と か ら 、販 売 価 格 に は 結 び つ い て い な い の が 現 状 で あ る 。
現場での投資、努力が価格に反映されていない。
今年度においては、こうした厳しい局面を打開するため、
*特に飼餌料の高騰対策と確保対策につながる事業の実施や、飼餌料
制度の改善に向けた活動
*国内、海外の消費拡大対策
国内:事業内容と結果を検討し、より成果を上げる
海外:輸出促進は新しく発足した「水産物・水産加工品輸出拡大協
議会」の会員として実施
*組織強化
を会員と連携して推進し、各事業の効果がよりあがるよう、行政機関並
び に 全 漁 連 を は じ め 系 統 関 係 団 体 の 協 力 を 得 な が ら 、適 時「 事 業 別 会 議 」
や「実行委員会」を設けて事業を円滑に行う。
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2. 各 種 事 業 の 内 容
1)種苗確保事業
需要に見合った計画生産の推進
・モジャコをはじめとする養殖用種苗の生産状況を把握
(モジャコ情報6回)
・在庫尾数調査を行い、生産現状を逐次把握
(9 月 ・ 3 月 に 2 回 実 施 )
・人工種苗の生産数量を把握
・把握した情報の提供
(会員・賛助会員・各県担当者・会議など)
・情報の共有による安定した生産
2)養殖指導事業
・養殖魚の安全・安心対策の推進
「養殖魚の履歴書」添付の徹底を図り、消費者の信頼に応えられる安全な魚
作りの推進に努める。
・安全な養殖資材(漁網防汚剤、水産用医薬品、機材等)の開発協力と普及
全漁連、他団体、研究機関の各種開発事業への参画
・環境保全、改善情報の啓蒙
・経営の安定化を推進
漁 業 経 営 セ ー フ テ ィ ー ネ ッ ト 構 築 事 業 、積 立 ぷ ら す の 活 用 推 進
養魚用飼餌料の確保に向けた取組
・魚類養殖の課題解決の要望活動
3)養殖研修事業
・第41回全国海水養殖シンポジウムの開催
開催地:熊本
参 加 者 : 600 名
具体的な開催形式や実施方法は「シンポジウム実行委員会」で立案し、役員
会において決定する。
4)図書出版事業
・「 月 刊 か ん 水 」 の 発 行
会員の求める情報を提供できるように、編集・企画内容の検討を図り、府県
海水の支援を得て養殖業者の全員購読を目指す。
5)組織強化事業
・「 養 殖 漁 業 懇 話 会 」 へ の 要 望
・会員と協調した事業実施
・ 国 、関 係 先 へ の 要 望 活 動
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6)消費・生産管理対策事業
生 産 現 場 か ら の 情 報 発 信 を 行 う と と も に 、消 費 者 ・ 流 通 業 者 と の 交 流 の 場 を 設 け 、
養殖魚の需要拡大と消費者が求める養殖魚作りを進める。
(1)消費対策事業
・ 消 費 者 に 養 殖 魚 を PR し て 需 要 拡 大
*漁場視察
意見交換会
勉強会
出前授業
等々
*ホームページ「ウォールドくんのお魚大百科」の検討
* パ ン フ レ ッ ト 「 絵 で 見 る 養 殖 業 」・ 料 理 レ シ ピ ・ DVD( 大 人 用 、 こ ど も 用 )
等 々 の 活 用 。「 消 費 対 策 事 業 検 討 会 」 を 設 置 し ア ン ケ ー ト 結 果 を 基 に 消 費 者 の
動向を把握し、消費拡大を推進する。
(2)飼料環境対策事業
・持続的な養殖方法の確立
環境保全・環境改善を啓蒙
飼餌料の安定確保
飼餌料の成分調査
魚体の成分調査
(3)若手業者検討会事業
・「 魚 類 養 殖 の 明 日 を 考 え る 若 手 検 討 会 」 を 設 置 し 、 魚 類 養 殖 の 課 題 と 今 後 の
あ り 方 に つ い て 検 討 す る 。( 3 回 /年 )
7)トラフグ養殖部会事業
・産地間協力による計画生産
尾 数 調 査 及 び 浜 値 の 情 報 交 換 を 行 う 。( 19 回 /年 )
・ 国 産 養 殖 ト ラ フ グ の PR と 経 営 安 定 化
「 ト ラ フ グ 養 殖 部 会 」 を 開 催 し 、 情 報 交 換 ・ 国 産 養 殖 ト ラ フ グ の PR・ 消 費 拡 大
に 向 け た 活 動 を 行 う 。( 5回 /年 )
☆輸出促進事業
平成27年度輸出に取り組む事業者向け対策事業のうちジャパン・ブランドの確
立に向けた取組への支援(水産物)事業
水産物のオールジャパンでの輸出促進を強化していくことを目的に設立された
「 水 産 物 ・ 水 産 加 工 品 輸 出 拡 大 協 議 会 」( 平 成 2 7 年 2 月 2 3 日 設 立 ) が 総 括
して実施する。協議会の会員として養殖魚の輸出促進事業を行う。
対象国:ロシア(セミナー 2 回)
:上海(セミナー 3 回)
■持続的養殖推進リース助成事業(水産庁補助事業)
平成8年度より開始した養殖用機材に対するリース助成支払い業務は、平成26
年度で全て終了。
※ 6 ) の 事 業 に つ い て は 、 (一 社 )日 本 養 魚 飼 料 協 会 に 加 盟 の 10社 ( 伊 藤 忠 飼 料 ㈱ ・ 金
子産業㈱・協同飼料㈱・昭和産業㈱・スクレッティング㈱・中部飼料㈱・日清丸紅
飼料㈱・日本農産工業㈱・日本配合飼料㈱・林兼産業㈱)と坂本飼料㈱、東海シー
プロ㈱の協賛を得て実施する。
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