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前回のまとめ
アインシュタインの相対性理論
1.4つの相対性のまとめ
- 第 10 回 -
レスポンスカードを取ってください
だんだん参加者が減ってきて寂しいです
同一地点の相対性
同一時刻の相対性
位置間隔の相対性
時間間隔の相対性
2 ロ レンツ収縮と関連する真実とみかけの世界
2.ローレンツ収縮と関連する真実とみかけの世界
第3回までのレポート返却は直接私のところまで
動く物差しは縮む
位置間隔の相対性
空間自体が縮んで見える
見かけには注意
1
今回の内容
特殊相対性理論の真実とみかけの世界続編
事件は絶対
主役は誰だ
問題は真実か見かけか?
動く時計は遅くなる
今日のキーワード
動く物差しは縮む
双子のパラドックス
超光速、距離の伸び
光行差、テレル回転
2
§4 ここまでのまとめと関連する話題(続き)
☆ 4つの相対性
同一地点の相対性
宇宙に灯台はない
同時刻の相対性
宇宙標準時はない
時間間隔の相対性
動く時計は遅くなる
位置間隔の相対性
動く物差しは縮む
ドップラー効果
レポート課題
特殊相対性理論で双子のパラドックスの謎を解く
地球から8光年離れた星まで双子の兄が0.8光速で飛ぶ
ロケットで往復する。方向転換は一瞬で行えるとすると、
往復時間は地球時間で20年である。地球にいる弟にとり
兄の時間はゆっくり進むため兄は12年しか歳をとらない。
しかし、兄から見れば動くのは地球の弟であり、弟の時間
がゆっくり進む。兄が帰還して二人が再会したとき、
1. 弟の方が老けている
1
2. 兄の方が老けている
3. 老け方は同じ
双子のパラドックス
双子のパラドックス・・・時間間隔の相対性
「双子のパラドックス」はパラドックスではない
説明1
真実の時間経過
真実思考
自分の時間がどれだけ経過するかに注目
弟の立場
弟の時間
兄は0.8光速で8光年を往復⇒20年経過
兄の立場
地球(弟)は0.8光速で4.8光年を往復
⇒12年経過 兄の時間
地球と星の距離8光年は弟のものさしでの距離
5
⇒弟の方が老ける
6
1
説明2
相手の姿を観察
星から戻る兄の姿
見かけ思考
ロケットの見かけ速度
弟の立場
⇒兄は2年で星から戻ってくる
星に向かう兄の姿
兄の見かけの時間と地球時間との関係
ロケットの見かけ速度
近づく時計は速くなる
ように見える
第9回の説明を遠ざかる場合に適用(自習)
⇒兄は18年後8光年先の星に到着
⇒兄は星から戻る間にも6歳老ける
兄の見かけの時間と地球時間との関係
再会したとき兄は12歳老けている
遠ざかる時計はさらに
遅くなるように見える
7
⇒8光年先の星に到着までに6歳老ける
兄の立場
重要ポイント
兄の時間で6年後逆噴射点火
方向転換するのは兄
真実思考と食い違うこともなく理解しやすい
星に着いたとき6歳老けていることは一致の原理とも合致
説明3
逆噴射
真実の相手の時間
真実思考
有限の光速による効果は補正可能
弟の立場
方向転換までの6年間
弟は2年老ける
方向転換後の6年間
弟は18年老ける
行きは3分の1
帰りは3倍
往復の時間経過は20年
兄の時間はゆっくり流れて12年
兄の立場
再会したとき弟は20歳老けている
往復の時間経過は12年
この説明は間違いではないが、方向転換の瞬間に
弟の時間はゆっくり流れて7.2年!!
兄まで見かけの距離が
光年から24光年に
変化することが伏せられていることに注意
やっぱりパラドックス???
ポイント
8
9
方向転換は加速度運動
10
双子の兄にとっての地球の真実描写
加速度運動の際に慣性系の時間がどのように
進むかは特殊相対性理論の範囲外
一般相対性理論が必要
答え 兄が方向転換する一瞬の間に
弟の時間は12.8年経過してしまう
現実的なロケットの場合加速・減速には
時間を要するが、加速度運動するのは兄
⇒二人は対等ではなく、弟が老ける
一般相対性理論のところで再び扱う
11
12
2
磁場中を動く電荷は力を受ける。
右図は電流が作る磁場が電荷に
引力を及ぼす様子である。電荷
と同じ速度で動く人から見ると?
クイズの正解にたどり着くには消去法
電荷は引力を受けて導線に近づいていく
立場に依らない事実⇒3は×
磁場中を動く電荷は力を受ける
物理法則は慣性系 依らな
物理法則は慣性系に依らない⇒1は×
は
1. 止まっている電荷も磁場から力を受ける
2. 電気的な力を受ける
3. 電荷は力を受けない
導線は電荷を帯びてないはずなのに電気力?
なにが起こっているのだろう?
13
電荷と同じ速度で動く人の立場
ポイント ローレンツ収縮
電流
導線を作る原子は で下に動く
自由電子は よりわずかに
大きな速さ で下に動く
電荷の流れ
向きは正の電荷が動く向きと約束
導線中の電流
負の自由電子の流れ
⇒ ローレンツ収縮
正の原子核(イオン)は動けない
++
--
++
--
14
++
--
++
--
自由電子
正イオン
自由電子のローレンツ収縮効果の方が大きい
⇒ イオン間距離>自由電子間距離 平均として
右向きの負電荷の流れ
動く人にとって導線は負に帯電している
相対的には正の電荷が左に動く
⇒ 電流の向きは左
回路は閉じているので遠方では正になり全体では中性
15
なぜローレンツ収縮の効果が大きく効くのか
電気力 1Cの2つの電荷が1mの距離
⇒
の力
磁気力 1Aの電流が1mの距離
の力
16
長さ1kmの棒が1km先を0.8光速で通過する。
棒が進行方向に垂直のとき、真横(再接近)にきた
ときにはどのように見えるか?
毎秒1Cの電荷が通過
⇒
⇒ 正の電荷は電気的な引力を受ける
導線1mあたり
電流による磁気力は非常に弱い
⇒ ローレンツ収縮によるわずかな電気力が
同じ大きさになる
1.
1.
2.
3.
4.
5.
4.
6.
2.
3.
人
1km先通過
5.
6.
立場によって電場と磁場の大きさは変わる
特殊相対性理論が関係を正確に与える
17
18
3
見かけ
光速は有限
相対性理論と無関係
音のドップラー効果では、音源が観測者に近づくと
波長が縮むが、観測者が音源に近づいても波長
の変化はない。光の場合は?
棒の進行方向から見た様子
中点:観測者まで近い
両端:観測者まで遠い
⇒中点の位置と少し過去の両端の位置が
同時に目にはいる
棒の長さを変える(少し長くする)ことを考えると
半楕円形ではないという消去法⇒6.
1. 接近すれば波長が縮む
2 近づいても伸びるときがある
2.
近づ
も伸びるときがある
3. ドップラー効果は起こらない
半楕円:上端・下端の接線が水平
近くを通る高速物体にはテレル回転とゆがみ
姿勢がゆがんでお尻が見える
光源と観測者のどちらが
動くかという区別はない
特殊相対性原理
主役は観測者
19
20
まっすぐ遠ざかるとき
⇒
光源が動くとして現象をみる
見かけ ドップラー効果は観測者に届く光を観察
光速は一定なので光源の見かけの
周期の変化を反映
まっすぐ近づくとき
ますますゆっくり
波長は長くなる(青い光が赤くなる)
真横を通るとき
動く時計が遅れる効果がそのまま見える
⇒
「早食い」=見かけの周期は短く
波長は少し長くなる(青い光が赤くなる)
⇒
波長は短くなる(赤い光が青くなる)
音のドップラー効果と式の形は違う
21
双子の兄から見える地球の姿(見かけ)
横ドップラー効果
⇒斜めに近づくと波長は長くなることもある
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宇宙におけるドップラー効果
宇宙は膨張している
⇒遠くの星ほど速く地球から遠ざかっている
⇒ドップラー効果で波長が長く
赤方偏移
赤方偏移の観測⇒遠ざかる速度が分かる
注:速度の変化、距離の跳びは取り入れられていない 23
⇒宇宙膨張の割合から
星・銀河までの距離が分かる 24
4
地球に全方向から600nmの光が降る宇宙だと
ロケットから見ると左が前方、右が後方の色
高速ロケットに乗った場合
地球であらかじめ星々をみておく
加速してときどき宇宙の様子を眺めて比較
光行差とドップラー効果で景色が変化
光行差については§3(前回)参照
25
26
今日のまとめ
超高速のみかけの世界のまとめ
教訓7 景色は十人十色
1.特殊相対性理論が示す4つの相対性
相対速度が違うと見え方が全く違う
1.ドップラー効果
色の変化
色
2.光行差
光行差
遠方の星々が見える方角
位置
3.テレル回転とゆがみ
近くの物体の姿
姿
姿が映らない鏡とどちらが不思議なんだか・・・27
同一地点の相対性、同一時刻の相対性
時間間隔の相対性、位置間隔の相対性
主役を明確にして考えよう
見かけと真実の区別も大事
2.光速に近づいたときの目に見える現象
景色は十人十色
ドップラー効果、光行差、テレル回転とゆがみ
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第5回宿題レポート
次回の内容
特殊相対性理論で双子のパラドックスの謎を解く
第4章 特殊相対性理論の描く世界
レポートを書く際の指示
・ なぜパラドックスと呼ばれるか問題を説明せよ
ローレンツ変換と速度の合成
・ 一見パラドックスと思える問題はパラドックス
見パラドックスと思える問題はパラドックス
ではないことを、特殊相対性理論の範囲で
説明せよ。
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5