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第3回宿題レポートについて
アインシュタインの相対性理論
チェック項目
- 第 9 回 -
①思考実験の設定
レスポンスカードを取ってください
光源に対して静止している人の立場での説明を含む
クイズとその解説で進めるので参加しましょう
E43のカードが行方不明
誤って持ち帰った人は必ず返却してください
②光速度不変の原理
⇒動く物体に光が接近する速度が「光速」からずれる
③ 致 原理
③一致の原理
第3回レポートの返却をしています
基準とする現象が2つの慣性系で「同時」であること
以前の返却分は別途前で返却します
④特殊相対性原理
レポートの点数分布
どちらの慣性系も平等(主張は共に正しい)
⇒同時刻の「相対性」、絶対時間の否定
10点 2人 9点 10人 8点 41人 7点 46人
⑤「同時刻の相対性」の意味
6点 24人 5点 20人 2~4点 11人
二つの出来事が同時かどうかは慣性系による
§4 ここまでのまとめと関連する話題
☆絶対基準
前回のまとめ
1.真実思考と見かけ思考
見かけではなく真実の時間が問題
ある一点、ある瞬間での事件は絶対的
一致の原理
思考実験
見かけ思考には望遠鏡
真実思考には測定器ネットワーク
☆ 4つの相対性
同一地点の相対性 異なる時刻で同一地点かどうかは相対的
真実は見た目どおりではない
同一時刻の相対性 異なる地点で同一時刻かどうかは相対的
問題は真実か見かけか?
位置間隔の相対性 ある時刻の異なる2点の距離は相対的
2.運動する物体の長さの収縮
動く物差しは縮む
位置間隔の相対性
時間間隔の相対性 ある地点の異なる時刻の間隔は相対的
3
2つの原理から時間と空間の概念変更が導かれた
バスの乗客(主役)にとっての現象
☆ローレンツ収縮による真実とみかけの世界
主役は静止
今日の講義のテーマ
ローレンツ収縮により亞光速の世界の様子は
かなり常識はずれになる
⇒
真実とみかけの両方の立場で様子を見よう
事件は絶対
主役は誰だ
問題は真実か見かけか?
前方は未来
真実
みかけ
動く物差しは縮む
総集編その1なので新しいキーワードはなし
5
地上の人に
右の落雷が先
同時に到着 一致の原理
何か変だと思いませんか?
6
1
地上の人(主役)にとっての現象
主役は静止
動画のおかしな点(バスの乗客が主役)
1.2つの落雷地点と地上の人の距離が異なる
右の落雷からの距離>左の落雷からの距離
2.「前方は未来」になっていない
地表の人にとっては3つの事件が同時
2つの落雷、バスの乗客とのすれ違い
バスの乗客にとっては
右の落雷→地上の人とのすれ違い→左の落雷
の順に起こるというのが「前方は未来」の内容
真実 ← 観測の分析
みかけ
地上の人には
同時に落雷
同時に到着
落雷は地上の人から等距離で発生
どこで間違ってしまったんだろう?
7
正しい動画を作るには
=
ローレンツ収縮したバスの全長
<
バスの全長
2つの落雷の距離
その中間点に地上の人
⇒
右の落雷が落ちたとき地上の人は
まだ自分(乗客)より右にいる
1.距離が近いので6年
1
離が近
年
2.超光速で近づくので6年
3.距離も近いし超光速
その後すれちがい、バスの後端と地表の人の
距離が
になったとき左の落雷 9
真実
動くものさしは縮む
位置間隔の相対性
10
見かけ 接近する物体の見かけの速度
物質が小さくなるという意味ではなく
2点間の距離が短くなるということ
エーテルの影響で物質が収縮するという
ローレンツの仮説とはこの点でも違う
空間自体が縮んで見える
ロケットにとって通過の瞬間に星までの距離は4.8光年
間が真空でも
ものさし
11
8光年・・・地球にとってはものさし
主役は
ロケット
光
のロケットからの距離
ロケットでは
に距離
と観測される
秒後
光
⇒星は0.8光速で近づくので6年で到着
地球に対して静止
8
地球から8光年離れた星に向かうロケットが地球
付近を0.8光速で通過した。地球時間ではあと
10年かかるはずだが、ロケットに乗った人は6年
しか年を取らない。ロケットからは6年で星が近づ
くように見えるが
地上の人にとり2つの落雷の距離は
バスの乗客にとり
答 ローレンツ収縮を考慮していない
のロケットからの距離
ロケットで
に距離
と観測
2
見かけの速度
の時間で
見かけの距離
接近
地球通過時に星はどこいるか
光
地球通過時に届いた光で判断
になると見かけの速度は光速を越える
相対性理論とは無関係な効果
かかって光がロケットについたときの
真の距離が
なので
なのでロケットからは星が光速の
4倍で近づいてくるように見える
見かけの速さは光速を越えることもある
ロケットにとっては
距離は収縮
主役は?
まとめ
ロケットに乗った人にとって
真実
4.8光年の距離を星が0.8光速で
近づいてくる
空間自体が縮んで見える
みかけ
見かけの距離は伸びる
14
13
24光年の距離を星が光速の4倍で
近づいてくる
地球からロケットが発進し、強力なエンジンで
0.8光速まで加速した。このとき遠くの星々は
どのように見えるか?
時々エンジンを
1. 斜め前方の星は後方に動く
2. 斜め前方の星は前方に動く
3. 変化しない
止めて観測
見かけの速さは光速を越えることもある
近づく物体までの見かけの距離は伸びる
15
ポイント 状況に応じた考察力
16
地球から見て
追加内容はなく、内容もローレンツ収縮と無関係
何度も見てきた光行差を把握できているか
のように斜め後方の方向から来る光が
ロケットにとって真横から来る
⇒
星々の位置(光が来る方向)は
前方に移動する
地球にとってロケットの進行
方向に対して斜め後方から
くる光が
ロケットにとっては真横
からくる
17
以上は動画にあわせて理解しやすいようにした説明
立場を入れ替えれば地球(動画のステーション)にとって
真横からくる光はロケット(ステーションが右に動く観測者)
にとっては
の角度だけ斜め前方から来る 18
3
オリオン座方向
光行差自体は相対性理論の効果ではないが
光速に近づくにつれ顕著
真横以外の角度のずれを正しく計算するには
相対性理論をちゃんと考慮することが必要
地球にとって真横からの星は何度前方か?
β=0 1
β=0.1
θ=5 74°
θ=5.74
β=0.5
θ=30°
β=0.9
θ=64.2°
β=0.99
θ=81.9°
注:光行差の角度は十分遠方の物体(星)について
近くの物体は見る位置により方向が異なる
19
地球付近(光で数秒)を0.8光速のロケットが
通過した(赤道直下のクリスマス島上空を西から
東へ)。ロケットから見ると地球が真横にさしかかる
ときの姿は?
1.そのまま
2.東西に0.6倍に縮む
20
真実
動くものさしは縮む
地球といえどもローレンツ収縮の
例外になるわけない
ロケットにとって地球は常に進行方向に
0.6倍に縮んだ惑星
真の姿
3.縮んで
南北反転
4.3.5時間前
21
見かけ テレル回転(1959)
大きさがある物体は縮むのではなく
回転した姿に見える
特に
高速で動く球は球形に見える
物体が持つ奥行きの効果
注: 以下の話は大きさを持つ物体が
十分に離れている場合
十分離れていないとゆがみの効果が発生する(次回)
22
赤道面での奥行きの効果
速さ
で動く正方形の板(厚みなし)の場合
観測者にとって高さなし
観測者にとっての真実
真上から記述した様子
にローレンツ収縮
観測者は十分遠方とする
24
4
観測者にとってのみかけ
A,B,Cの頂点が全部見える
届いた光で判断
⇒頭の中で物体の再構成をすると
回転しているイメージが描かれる
観測者は十分遠方なので↓向きに出た
光が届くとして扱う(角度差無視)
A
にAから光
C
A
B
A
角度
にB,Cから光
C
B
回転しているようにイメージされる
お尻が見える
⇒観測者に同時到着
25
のとき
は3.5時間分
子午線についての奥行きの効果
円盤(地球の赤道での断面)の場合
クリスマス島を通る南北の子午線
北極
この動画では
観測者は近い
赤道
側面図
南極
北極・南極はクリスマス島より奥にある
⇒少し前の位置の北極南極が
クリスマス島(赤道)と同時に目に入る
の回転角←多少計算が必要
観測者が十分遠方の場合
27
クリスマス島を通る子午線がゆがむことは理解
見かけが球になることの証明はちょっと大変
この講義では事実として紹介するのみ
真実
28
地球付近を0.8光速の等速で通過するロケットは
最も接近したとき、53°回転して後方部を地球に
向ける。後方の強力エンジンにより速度0から加速
して地球付近で0.8光速になり飛び去るロケットを
地球から見ると
1. 曲線を描くように見える
2. 斜めに加速するように見える
3. これまでの知識では答えられない
みかけ
53°回転させた
写真に差し替え
29
30
5
今日のまとめ
真実は見かけどおりではない
ロケットの姿(大きさ)を無視して運動だけに注目
⇒ 一直線上を加速度運動
測定器ネットワークで確認できる
ロケットはテレル回転した姿に見えるので
見かけ上噴射の方向と加速の方向(=進行方向)
がずれる
斜めにスライドしていくように錯覚
動く物差しは縮む
位置間隔の相対性
空間自体が縮んで見える
この事実は動かない
見かけ
1.運動する物体の長さの収縮
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見かけ は注意
見かけには注意
超光速、距離の伸び
超光速
距離 伸び
光行差、テレル回転
次回の内容
第4章 特殊相対性理論の描く世界
ここまでのまとめと関連する話題
双子のパラドックスなど
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