フラワー №67 H26.11 月発行 「インフルエンザよもやま話」 今年は、感染症でびっくりする話が複数出ております。一つは先日話題になったデング熱、これは蚊による感染拡大が問題と なっていますが、これから蚊の活動が減少しますので、来年までお預けの話題になると思います。もう一つは、エボラ出血熱が 世界的に問題となっております。まだ、日本では感染者がいませんが、今後どのようになっていくか分かりませんが、これから 世界の状況を気にしていく必要があるでしょう。 身近な問題では、例年、これからノロウィルスとインフルエンザが流行の時期となります。そんな中でインフルエンザについ て、ちょっとお話をしたいと思います。まず、インフルエンザと日本の関係は、古くは平安時代にインフルエンザの流行をうか がわせる記述があるようです。そして、江戸時代には、「お駒風」や「谷風」と名前が付けられた悪性のかぜが流行したそうで す。その頃、今のような薬等もなかったわけですから、被害も大きかったのではないかと考えますが、被害については明確にな っておりません。インフルエンザの語源は 16 世紀のイタリアの占星術師たちが、冬季に流行し春に終息する周期性から流行を 星の運行や寒気の影響によるものと考え、 「影響」を表すラテン語(influenctiacoeli)にちなんで「influenza」と呼んだことに 由来すると言われています。この言葉が 18 世紀の英国で流行した際に英語に持ち込まれ、その後世界に広まりました。インフ ルエンザの流行が科学的に立証されているのは 1900 年頃からで、20 世紀には 4 回の大流行がありました。1917 年から 1919 年にかけて世界各地で猛威を振るったといわれている通称「スペインかぜ」は、日本において、人口の約半数が罹患し、約 40 万人の犠牲者がでたと推定されます。1957 年 4 月香港から始まり、東南アジア各地、日本、オーストラリア、さらにアメリカ、 ヨーロッパと広がりをみせた、「アジアかぜ」は日本において 300 万人が罹患し、5700 人の死者がでました。肺炎による死亡 者の中で黄色ブドウ球菌の二次感染が注目されました。1968 年から 1969 年にかけて流行した「香港かぜ」では、14 万人の 罹患で 2000 人が死亡されました。1977 年頃に「ソ連かぜ」の流行がありました。現在、インフルエンザは、 「Aソ連型」 「A 香港型」 「B型」の3種類のウィルスと 2009 年メキシコで発症しました、新型インフルエンザ(豚)が加わりました。新型イ ンフルエンザに対して、人々は免疫をもっていなかったために、またたく間に感染拡大がみられました。 SARS のように重症化する疾患は、感染の拡大はスピードが鈍く、重症化しない感染症はスピードが速いという特徴がありま す。しかし、重症化をしにくいからと言って油断は禁物です。慢性疾患を持っている方は、重症化することがあるからです。 病院では、熱が出て受診して検査をしたら、陰性だった。しかし、さらに熱が上がり再び受診したら陽性になった。というこ とがよくあります。インフルエンザは、体の中でウィルスが増殖していく疾患です。人間の体には健康を保とうとする力があり、 発熱というのは一つの防御反応です。発熱後すぐには検査で陽性反応が出なくても。発熱後 12 時間(個人差があります)くらい 経過すると体内でウィルス量が増えて、陽性反応がでます。だから、一度陰性だったからと、油断しないことも大事です。以上 のような歴史をたどっていますが、流行を重ねるごとに被害が縮小してきています。一つは、自己免疫の獲得です。そして、予 防対策の充実です。 ウィルスに対して完全な防御はできませんが、感染対策は個人の健康管理をしっかり行うことで、感染症対策になります。 フラワーに対するお問い合わせ、ご意見は 発行責任者:袖ケ浦さつき台病院広報係 0438-62-1113(代表) 発行所:袖ケ浦市長浦駅前5-21
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