前回の復習 需要サイド: 短期的に大きく動く 供給サイド: マクロ経済学の長期的な動き(経済成長など) を見る分野 1 前回の復習 短期: 「需要と供給に不一致があっても価格が変化 しない期間」 長期: 「需要と供給に不一致があった場合、価格が変動 し、それによって需要と供給が調整されるのに 十分な期間」 前回の復習 長期 = 古典派経済学 短期 = ケインズ経済学 3 2.4.1 総供給曲線と総需要曲線 総供給曲線: 個々の企業の供給曲線を集計して、一本の (AS) 供給曲線にしてしまったもの。 ・ 物価が上昇 ⇒ 生産量増加 (雇用増加) ・ 物価が下落 ⇒ 生産量減少 (雇用減少) 総需要曲線: 人々(家計、企業、政府、海外)が、それぞれの (AD) 物価水準で買いたいと考える、財・サービスの 需要量の水準。 ・ 物価が上昇 ⇒ 需要量減少 ・ 物価が下落 ⇒ 需要量増加 2.4.1 総供給曲線と総需要曲線 物価 総需要曲線(AD) 総供給曲線(AS) E:均衡点 P 0 Y 実質GDP 5 2.4.2 供給がマクロ経済を決める:新古典派の考え方 物価 総供給曲線(物価に影響されない) E 総需要曲線 (物価に影響 を受ける) 0 Y (完全雇用下での生産量) 実質GDP 6 2.4.2 供給がマクロ経済を決める:新古典派の考え方 ・ 市場メカニズムが働く ⇒ 「需要と供給にギャップがあれば、価格の変化 によって調整される」 ・ 価格(賃金)が伸縮的 + 総供給曲線が垂直 ⇒ (需要が変化しても)生産量や雇用量は変わらない 売れ残りが発生 ⇒ 価格が下がる ⇒ 賃金が下がる (超過供給) (価格調整) (雇用維持) 2.4.2 供給がマクロ経済を決める:新古典派の考え方 物価 AS ⇒ 「総供給の大きさが 経済水準を決める」 P1 AD1 P2 AD2 0 Y (完全雇用下での生産量) 実質GDP 8 2.4.2 供給がマクロ経済を決める:新古典派の考え方 まとめ ・ 生産規模(実質GDP)は供給側で決まる ・ 需要サイドでいくら変化があっても、価格によって全て調整される ⇒ 財政・金融政策の効果はない!? ・ 現行賃金で働きたい人は全て働ける ⇒ 「完全雇用」 ⇒ ただし、“自発的失業者”は存在する 2.4.3 需要がマクロ経済を決める:ケインジアンの考え方 物価 総需要曲線(AD) E 0 総供給曲線(AS) ⇒ 「総需要が経済水準(GDP)を決める」 実質GDP 10 2.4.3 需要がマクロ経済を決める:ケインジアンの考え方 ・ 市場メカニズムが働かない ・ 価格(賃金)が硬直的 ⇒ 生産量や雇用量が変わる ( = 失業が発生する) メカニズム 売れ残りが発生 ⇒ 生産量を落とす ⇒ 雇用を減らす (需要不足) (数量調整) (失業発生) ⇒ 所得減少 ⇒ 需要減少 ⇒ 不況へ 11 2.4.3 需要がマクロ経済を決める:ケインジアンの考え方 物価 「有効需要の原理」: 需要が経済水準(GDP)を 決定する AD1 AD2 需要不足 ⇒ 財政・金融政策で 需要を作り出す AS 0 Y2 Y1 実質GDP 12 2.4.3 需要がマクロ経済を決める:ケインジアンの考え方 需要不足を補う政策によって、GDP水準を高める ⇒ 景気を回復させ、雇用増加へ! まとめ ・ 市場に任せると、需要不足が生じて景気が悪化する ・ 政府が財政・金融政策によって調整を行い、景気を安定化 させる。 ⇒ ケインズ経済学の基本的な考え方 13 まとめ 長期(価格の調整能力が十分にある) ⇒ 財政・金融政策は効果なし (政府の役割小さい) ⇒ 「新古典派経済学」 短期(価格の調整能力がない) ⇒ 財政・金融政策が有効 (政府の役割が大きい) ⇒ 「ケインズ経済学」 14
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