2015.11.12 内閣総理大臣 安倍晋三殿 東京南部生活協同組合 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大筋合意に反対し、 正式調印の中止を強く求めます 10 月 5 日に政府は米アトランタで開かれていたTPP閣僚会合で「大筋合意」に達した と発表しました。 TPP は日本の農畜産業に大きな打撃を与え、国民生活に深刻な影響を与えるものであり ます。また、この間の交渉内容は日本政府の諸提案も、交渉相手国からの要求もいっさい 明らかにしないまま、国民の目から隠れて徹底した秘密交渉で「大筋合意」に至っていま す。この事も自民党・公明党も賛成した国会決議(2013年)で確認した「交渉により 収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を 行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること」に反しています。 政府は「早期妥結」を最優先にしてアメリカへの譲歩を繰り返し、コメでは、アメリカ やオーストラリアに「特別枠」を設定して輸入を大幅に増やし、酪農製品の輸入拡大へも 道を開き、牛肉・豚肉の関税を大幅に引き下げ、オレンジやトマト加工品、牛や豚の一部 部位など多くの農林水産物で関税撤廃に向かうなど、ことごとく公約を投げ捨てました。 聖域とされた 5 項目についても 586 品目中 174 品目と 3 割の関税が撤廃されました。 安倍首相はこの TPP の大筋合意を受けて、 “中小企業や地方にとってチャンス” “輸入食 料品が安くなる”などと宣伝し、“農業への影響を最小限にする”“私たちの生活を豊かに する”など明るい未来が開けているかのごとく言っています。 しかし、TPP「大筋合意」の内容は、一握りの巨大企業や富裕層にとってメリットのあ るものばかりで、地域経済・雇用、農業、医療・保険、食品安全、知的財産権などの多く の分野で国民の生活に大きな影響を与え、生協の事業に密接にかかわる農業については、 東京南部生協が掲げてきた日本の農業を守るという観点からは大きな後退で、日本の農業 をアメリカに売り渡したに等しい内容となっています。 安倍政権は「大筋合意」をしましたが、TPP交渉が決着したわけではありません。こ れから協定文書の作成とその調印、さらに各国の批准、国会承認という段階があります。 私たち東京南部生協は政府に対して、速やかに交渉内容を明らかにして国民の声を聞く こと。そしてTPP協定書作成作業から撤退し、調印を中止することを強く求めます。
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