朝礼講話 第7回目 それではみなさん、おはようございます。今日はね、まずこれを見てくださ い。これはね、旗です。みんなお釈迦様って聞いたことある? この赤はお釈 迦様の血液、血の色、白は孫悟空が暴れて言うことを聞かないときにお説教す る白い歯の色、黄色はお釈迦様の輝く体の色、紫は髪の毛、緑は身につける服 の色を表しています。この五色で修行する和尚さんたちを応援してくれてるの です。じゃあこれは知ってるかな、そうジャイアンツ、これはライオンズ。と いうことで、今日は「旗」について少しお話ししたいと思います。 ところで、今日は特別に校長先生の許可をもらって小学校の旗を出してもら いました。それがこれ。濃い紫色は高級な色の象徴です、その中に校章マーク。 このマーク、周りの花びらは全部で 16 個。これはねみんなの住んでる町の数 を表しているんだと思われます。これらの数の町が一つのまるい輪っかになっ て車輪のごとく前進していくっていう意味なのかなと思います。このように旗 は、人間でいえば顔にあたるもの。顔を見れば、あ、和尚さんだ。と分かるよ うに、この旗を見れば「あ、オレの学校だ」とすぐ分かります。じゃあみんな、 この校旗が活躍する場面は、どんなときですか。そう、入学式や卒業式、運動 会など。つまり、学校の三大行事、特別大事な行事のときには必ず使われます。 それは、旗とは、みんなの心を一つにまとめてくれるシンボルとして、とても 大事なものだからなのです。 大昔の戦国時代の戦っていうのは旗の奪い合いでした。武田の風林火山、真 田の六文銭、上杉謙信、新撰組など、旗にはいろんな思いがこもっていて、旗 を立てることで勢いをつけ、旗を守るために戦いました。今からおよそ 130 年 くらい前の明治時代、西南戦争という日本国内最大の戦がありました。みんな 西郷隆盛っていう人知ってるかな? 上野動物園のそばに犬連れた西郷さんの 銅像が建ってる、あの西郷さん。その西郷さん率いる薩摩軍と乃木大将という 軍人さん率いる新政府軍が戦ったんです。要するに今の鹿児島と東京が戦争し たわけだ。その戦いの中で、乃木大将は自分の軍旗・軍の旗を敵の西郷さんの 軍に奪われてしまったんです。戦で敵に旗を奪われるということは、大変恥ず かしい、屈辱なことだったんです。それは先ほどいったように、旗は団結を強 める心の絆であり、旗は命をかけて守るべきものだと考えられていたからです。 乃木大将は深く反省をして、激しく自分を責めたそうです。「ああ、旗は明治 天皇から預かったもの。死んでお詫びしなければならない」と言って、まるで 死に場所を求めるかのように、その後の日露戦争では危険をものともせず戦い 活躍しました。しかし最後はとうとう、乃木大将は、明治天皇がお亡くなりに なったあとを追って、あの時の旗を奪われた責任を感じて、切腹、してしまっ たんです。そのものすごい責任感は、日本中に大きな衝撃を与えたそうです。 それくらい旗とは大切なものだった。小学校には小学校の旗、市には市の旗 がある、日本には日本の国旗がある、そして、それらの旗は、入学式や卒業式、 など大事な行事とか儀式では必ず使われる、それは節目節目にみんなの心を一 つにまとめる、一つにしめるためのけじめなんです。毎日毎日の学校生活の中 で、何かの節目にけじめとして行う、それが学校行事です。入学式、卒業式、 学期の終わりには終業式、全校朝礼もそう、いい加減で良いんだって言うんだ ったら行事なんてやらない。節目節目にけじめをつけ気持ちを新たにする。竹 だって節があるから締まる、ゆるみが無く真っ直ぐに伸びる。真っ直ぐとは、 真っ直ぐな心、真っ直ぐな生き方、真っ直ぐな人間。ではその反対の言葉はと いうと曲がっている。背筋が曲がっている、根性が曲がっている。これじゃあ 駄目だね。さあ3学期もあと少し。6年生は卒業まであと9日かな。もう一度、 旗を見て、いい加減になってしまわないように、気持ちを引き締めてがんばっ ていきましょう。
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