平成26年 度 札幌市立陵北中学校 第15号 学校だより 第54回 平成 27 年 3 月 13 日 発 行 卒業証書授与式 式辞 窓から差し込む陽の光が、日毎に明るさを増し、季節は冬から春へと、着実にその歩み を進めています。 今日の良き日に、御来賓の皆様、並びに、保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに、札幌 市立陵北中学校第54回卒業証書授与式を挙行できますこと、卒業生と共に心よりお礼申 し上げます。 ただ今、卒業生一人一人に、卒業証書を手渡しました。卒業生の皆さん、御卒業おめで と う ご ざ い ま す 。皆 さ ん は こ こ 陵 北 中 学 校 で 過 ご し た 日 々 の 中 で 、勉 学 に 励 み 、学 校 行 事 、 生徒会活動、部活動などを通し、同級生はもちろん、学年を超えた仲間とも、たくさんの 感動と喜びを分かち合いながら努力を重ね、今日晴れて卒業の日を迎えました。 皆さんが3年間の中学校生活を振り返った時、それぞれの脳裏には様々な思い出が浮か ぶことでしょう。 私が陵北中で、皆さんと共通の時間を過ごした、昨年四月から今日までの中で、最上級 生として様々な場面で活躍する皆さんの、自信にあふれ、そして全力で取り組むその姿か ら、清々しさや爽やかさをいつも感じていました。また、頼りになる先輩が身近にいたこ とで、後輩の一、二年生は、安心して学校生活を送ることができたのは、言うまでもあり ません。 そんな皆さんと3泊4日を共に過ごした修学旅行で、私は三年生の皆さんの、秘められ た 真 の 力 を 知 る こ と と な り ま し た 。3 日 目 最 後 の 夜 、ダ ン ス ダ ン ス 甲 子 園 の 会 場 で 受 け た 、 心の底を揺さぶる様な大きな感動は、これまでに何度も修学旅行を引率しましたが、初め ての経験でした。それは日頃お世話になっている先生方は勿論、この修学旅行に同行して くれた皆さん一人一人に対して、学年全員が心からの感謝の気持ちを、素直に伝える姿を 目の当たりにしたからでした。そしてその時思いました、大人をこんなにも感動させるす ごい力を持ったあなたたちと、陵北中で出会えた私は、何と幸運なのだと。 合唱コンクールにかける皆さんの熱き思いは、私の予想を大きく越えるものでした。学 年合唱「ファイト」は、会場全体の雰囲気を感動の頂点へと導いてくれました。また、そ れだけにとどまることなく、学年全員が目標として掲げた「全学級揃ってゴールド金賞」 を現実のものとできたのは、皆さん自身の強い思いと、それまでの頑張りがあったからの 結果でした。間違いなくあなたたちは、本校の歴史にその足跡を深く刻み込みました。 3年間の学校生活の中では、先生方から何かと叱咤激励を受ける場面も、決して少なく はなかった皆さんでしたが、今卒業の日を起点としてこれまでを振り返れば、学年全員が 目標として目指してきた「愛満タンの最強学年」に手が届いたと、きっとみんなが心から 思えていることでしょう。 私はこの1年、様々な機会をとらえて、挨拶と笑顔について触れてきましたが、笑顔は 力に変わる、そんなお話しを、卒業する皆さんに贈ります。 野球の試合で9回裏の攻撃を残し、スコアボードには8と0、おそらく8点をリードし ているチームの勝利を疑う人はまずいないと思います。しかし、昨年7月、夏の甲子園出 場をかけた石川県大会の決勝戦で、9回裏に8点差を跳ね返し、9対8で勝利をつかんだ チームがありました。元大リーガーの松井秀喜さんや、サッカー日本代表の本田選手の母 校でもある、星陵高校がその学校です。選手たちは笑えば何事も前向きになれると信じ、 必ず勝つ必勝ならぬ、必ず笑う必笑をチームの合い言葉としていました。そしてこの試合 においても、決してあきらめることなく、笑顔で8点を追い9回裏の攻撃に臨み、海外の メディアにも奇跡と報じられるほどの、見事な逆転サヨナラでの勝利をつかみ、甲子園出 場を果たしました。 ただ、勝利の反対側には必ず破れた者がいる、これは忘れてはいけない現実です。この 試合の相手校だった小松大谷高校の選手は、9回表が終了した時点で、誰もが自分たちの チ ー ム の 勝 利 を 信 じ て 疑 わ な か っ た は ず で す 。し か し 、結 果 は よ も や の 逆 転 サ ヨ ナ ラ 負 け 。 目の前の勝利をさらわれた側の悔しさは、味わった者にしかわからない、とても非情なも のだったことでしょう。 高校野球好きで知られる、作詞家の阿久悠さんが残した、甲子園にまつわる多くの詩の 中で、こんな言葉と出会いました。 「勝つことで得たものと 敗れることで得たものと 秤にかけて重さを比べれば やが て同じ目盛りになる」 皆さんの人生は、まだ始まったばかりとも言えます。この先勝つこともあれば、負ける こともあるでしょう。そしてそれが、人生だとも言えます。これから先の長い人生で、幾 多の困難や試練に遭遇しても、常に笑顔を忘れず、勇気を持ってそれらに立ち向かい、必 ず前に向かって進みましょう。そうすることで、あなたの前に道は拓けます。そして何よ りも、卒業する皆さんには、下を向いて後戻りする姿は絶対似合いません。 結びになりますが、御列席の保護者の皆様方、本日立派に9年間の義務教育を終え、未 来に向かって巣立つお子様の門出を、心よりお祝い申し上げます。また、この3年間、P TAの諸活動等を通しお寄せいただきました、本校教育への御理解と温かい御支援に対し まして、改めてこの場をお借りして深く感謝いたします。 それでは、193名の卒業生の皆さん一人一人の限りない未来に、幸多からんことを心 からお祈りし、私の式辞といたします。 平成27年3月13日 札幌市立陵北中学校 3月16日(月)~24日(火) 校長 午前授業(給食あり) 3月19日(木)学校説明会、1年生(学級PTA) 2年生(学級PTA・学年PTA) 3月25日(水)修了式、離任式 4月 6日(月)始業式、着任式 4月 7日(火)第55回 入学式 豊島 義明
© Copyright 2024 ExpyDoc