2015 年 5 月 No.2 安城学園高等学校保健室体育祭特別号!! もうすぐ体育祭ですね。昨年、体育祭は熱中症症状や肉ばなれ症状で救護を利用した人が多くいました。せっかくの体育祭なのにけがをしたり、体調を崩してはもったいないですよね。けがや熱中症は防ぐことができます。事前に十分体調を整えて有意義な体育祭にしましょう。知って防ごう熱中症 ☀熱中症とは熱中症とは熱に中る（あたる）という意味で、暑熱環境によって生じる障害の総称です。熱中症は重症な病型である熱射病を起こすと、適切な措置が遅れた場合、高体温から多臓器不全を併発し死亡率が高くなります。熱中症を理解して予防しましょう。 ☀熱中症はこんな病気です！病熱型失神熱けいれん熱熱疲労射病症状炎天下にじっとしていたり、立ち上がったりした時、運動の直後に起こる。皮膚血管の拡張と下肢への血液貯留のために血圧が低下、脳血流が減少して起こるもので、めまいや失神（一過性の記憶障害）などの症状がみられます。大量の発汗があり、水のみを補給した場合に血液の塩分濃度が低下して起こるもので四肢や腹筋のけいれんと筋肉痛が起こる。脱水によるもので全身倦怠感、脱力感、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状が起きる。体温の上昇は顕著ではない。処置足を高くして寝かせると通常はすぐに回復する。生理食塩水（0.9％食塩水）など濃いめの食塩水の補給や点滴により通常は回復する。 0.2%食塩水、スポーツドリンクなどで水分、塩分補給することにより通常は回復する。嘔吐などにより水が飲めない場合は点滴などの医療処置が必要。体温調節が破綻して起こり、高体温と意識障害が特徴。意識障害は周囲の状況は分からなくなる状態からいかに早く体温を下げられるかにか昏睡まで程度は様々。脱水が背景にあることが多く、かっている。救急車を要請する。血液凝固障害、能、肝臓、腎臓、心臓、肺など多臓器障害を合併し、死亡率が高い。 ☀こんな時は要注意！気温が高いと熱中症の危険が高まりますが、それほど気温が高くなくても湿度が高い場合は発生します。また、急に暑くなり、体が暑さに慣れていない時には多く発生し、体力の低い人、暑さに慣れていない人、体調の悪い人は要注意です。 ☀熱中症は予防できる！特に前日は十分な睡眠や朝食を摂るなど基本的な生活リズムを整えることが大切です。そして、環境条件を把握し、それに応じた水分補給や運動を行いましょう。激しい運動では 30 分に 1 回は水分補給することを心がけましょう。知って防ごう肉離れ ✽肉離れとは筋肉は筋繊維と呼ばれる繊維状の細胞が束ねられる形で構成されており、スポーツなどをした際に筋肉に大きな力が加わり筋肉の繊維が切れてしまうものが肉離れです。特に起こりやすい部位は太もももやふくらはぎです。 ✽肉離れの重症度は？肉離れは重症度によってⅠ度からⅢ度に分類されます。重症度損傷予後痛みがあるもののほとんど低下が起こらないと考えられる。 Ⅰ度筋繊維の中に微小な損傷がある。 Ⅱ度筋繊維が部分的に断裂した状態。断裂幅によって予後に差が出る。 Ⅲ度筋肉が完全に切れた状態。断裂部を縫合する手術が必要なケースもある。 ✽肉離れが癖になる理由筋肉に断裂が起こると血腫（血液のかたまり）ですき間が埋められます。この組織は力学的には弱いため容易に再断裂を起こします。 ✽応急手当の方法肉離れが起きた際の応急手当で重要なのは RICE です。RICE は Rest(安静)、Icing（冷却）、Compression （圧迫）、Elevation（挙上）の頭文字をとった言葉です。受傷後に直ちに適切な方法で行えば、症状の悪化防止、回復に必要な時間の短縮、回復後のパフォーマンスを高める効果などが期待できます。 ✽肉離れは予防できる！肉離れの主な原因はウォーミングアップ不足、筋肉の疲労、筋肉のアンバランスによるものです。ですから、運動前のウォーミングアップやストレッチをすることが重要です。また、筋肉が温まり、柔軟性を高めるとパフォーマンスの向上につながります。その他、練習後のストレッチやバランスよく筋肉を鍛えることも大切です。