講座紹介 Ⅰ群: 言語学入門 言語学概論 言語学史 Ⅱ群: 音声学 音韻論

講座紹介
理論言語学講座は、今年度も、広い研究領域について、入門から上級まで、数多くの課
目を開講し、受講者の皆さんの要請に応えたいと考えております。これらの課目の詳細
Ⅰ群:
言語学入門
言語学入門(大津 由紀雄)
言語学概論
ず、言語学を学んだことのない方は、
「言語学入門」を履修されると良いでしょう。理論
音声学
音声学(上野
音韻論
日本語音韻論(窪薗 晴夫)
言語学を学ぶためには、II群の音声学、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論につい
善道)
ができます。「文法形式の多義性」では機能語の多義性を手がかりに文法形式の意味を
統語論
Ⅳ群:
て基礎的な知識を身につける必要があります。「音声学」では理論と実践の両面を学ぶ
ことができますし、「日本語音韻論」では日本語アクセントに関する諸問題を学ぶこと
形態論・語形成論
Ⅲ群:
鳥瞰いたします。
左の表のⅠ~V群の区別は、東京言語研究所が定めた言語学のカテゴリー区分です。ま
言語学史
Ⅱ群:
は担当講師による概要をお読みいただくとして、ここでは理論言語学講座全体について
意味論
文法形式の多義性(尾上 圭介)
語用論
発話解釈のメカニズム(西山 佑司)
生成文法入門
生成文法Ⅰ(池内 正幸)
生成文法
生成文法Ⅱ(髙橋 将一)
認知言語学入門
認知言語学Ⅰ
(池上 嘉彦)
認知言語学
認知言語学Ⅱ(大堀 壽夫)
考察いたします。「発話解釈のメカニズム」では、表現の意味と発話解釈の違いを通し
て言語コミュニケーションの本質を探求いたします。
現代の理論言語学には生成文法と認知言語学という二大潮流があります。生成文法に
はじめて接する方は「生成文法 I」を薦めます。「生成文法Ⅱ」では生成文法の最近の発展・
動向を学ぶことができます。「認知言語学 I」では認知言語学の基本的な考え方を学ぶこ
とができます。「認知言語学Ⅱ」は、認知言語学のさらなる展開に関心をもつ人たちを
対象に、この理論の応用の可能性を探ります。
V 群に属する講座として7個の講座を用意いたしました。「社会言語学入門」では、
実際の多様な言語使用を手がかりに言葉の本質を考察いたします。「日本語文法史」は、
古代語の検討を通して日本語の文法事実を考えようとするものです。「日本語文法の諸
Ⅵ群: 社会言語学
社会言語学入門(嶋田 珠巳)
史的言語学
日本語文法史(川村 大)
言語心理学
日本語文法の諸相(三宅
日本語文法理論
述語とは何か(尾上 圭介)
文法と意味(西村 義樹)
言語学特殊講義
言語学特殊研究
言語哲学(酒井
智宏)
文法原論(梶田
優)
相」では、日本語の興味深い文法事実から出発してそれを理論的に説明する過程を学び
ます。「述語とは何か」は、日本語の叙法形式や述語外接形式と、述語が表わす文法的
意味との関係を考察いたします。「文法と意味」は認知文法の観点から文法と意味との
知宏)
関係を学びます。「言語哲学」は、言葉の意味に関わる哲学的問題を扱います。「文法原
論」では、生成文法理論、言語類型論、認知心理学などから得られた知見を整理し、新た
な理論構築に向けた講義が行われます。
以上の本講座とは別に、通常の講義形式と異なる、個別指導に近い「演習方式講座」
も開講しております。このように、理論言語学講座には多様な講座が用意されています
ので、受講者の皆さんには、できるだけ幅広く、さまざまな課目を計画的に受講してい
ただきたいと思います。
(運営委員長 西山 佑司)