宇宙の科学(第8章) 1

宇宙の科学(第8章)
前回の問題の答え
次のうち、波長が一番短い電磁波はどれ
でしょう?

科学技術理解Ⅲ(宇宙の科学)


第8章 恒星の世界



赤外線
紫外線
X線
電波
可視光線
星の明るさと等級


1等星、2等星、・・・など。数字が大きいほど暗い。
(等級にはマイナスもある。0等星は1等星より、-1
等星は0等星より明るい。)

等級が5違うと、明るさは100倍違う。



1等級違うと、明るさは約2.5倍(正確には1000.2倍)
違う。
1
100
2
39.8
3
15.8
4
6.31
5
2.51
6
1

3
見かけの明るさ
⇒ 観測者から見た天体の明るさ
真の明るさ
⇒ 天体が出す光のエネルギーの絶対量
真の明るさが同じでも、距離が遠くなれば
見かけの明るさは暗くなる。
4
5
視差
絶対等級
⇒ 天体を10パーセク(約32.6光年)の距
離に置いたときの見かけの明るさを等級で
表したもの。真の明るさを表すのに使われ
る。

恒星の現代的定義 ⇒ 高温のガス球で、
核融合反応により自らエネルギーを放出し
て輝いている天体。
星から出た光が照らす面積は距離の2乗に比例して増加する。
よって、見かけの明るさは距離の2乗に反比例して減少する。
絶対等級

恒星=fixed star(固定された星)
実際は、恒星も動いている。ただ、非常に遠く
にあるので日常感覚では止まって見える。
逆二乗則
表: 6等星の明るさを1としたときの、各等級と明るさの関係
等級
明るさ
恒星という名前は、「天球上に固定されて
いるように見える」ことに由来。

見かけの明るさと真の明るさ
星の明るさは等級で表すことが多い。


2
1

恒星とは

年周視差
視差⇒見る場所の違いによる、物の見え
る方向の違い。

年周視差
⇒ある星を太陽と地球から見たときの視差。


例: 太陽の見かけの明るさは-27等、絶対等
級は4.7等。
7
6
8
地球の公転を利用して、年周視差を測ること
ができる。
年周視差を使って、(太陽の近くの)星まで
の距離を測ることができる。
9
1
宇宙の科学(第8章)
星までの距離(年周視差による
方法)

年周視差をp(ラジアン)、星までの距離をd、
太陽・地球間の距離をaとすると、 d=a/p
の関係がある(pが小さいとき)。




補足: 180度=πラジアン (π=3.14・・・)
年周視差が1秒角となる距離を1パーセク
(pc)と定義。
遠くの星の年周視差は小さすぎて測れな
い。測れるのは100パーセクぐらいまで。
より遠い天体の距離は、さまざまな方法で
その天体の真の明るさを推定することに
よって測る。

13
 1パーセク=約3×10 km=約3光年

d(パーセク)=1/p(秒角)

星の運動



星は遠いので一般に非常に小さい。固有運動が最大
のバーナード星でも1年当たり約10秒しかない。


高温星ほど青っぽく、低温星ほど赤っぽい。

元素によって放出・吸収する線スペクトル
の波長は決まっている。
よって、星の線スペクトルを調べれば、星
の表面大気中の化学組成(どの元素がど
のくらいあるか)がわかる。
星のスペクトルをとって、ドップラー効果の原理より求
める。一般に固有運動の測定よりも簡単。
14
HR図
星のスペクトル型分類

12
星のスペクトルと化学組成
星の色(連続スペクトル)はその表面温度
によって決まっている。
13

星
11
視線速度: 観測者から星を見る方向(視線方
向)の速度成分。


Vr:視線速度
地球
星の温度と色
固有運動: 天球面上での星の見かけの動き。
ふつうは一年あたりに移動する角度で表す。
V:全速度
Vt:固有運動の速度
例1. セファイド型変光星の周期・光度関係
を利用。
例2. スペクトル型を求めてHR図を利用。
10

星の運動
星までの距離(その他の方法)
現れる線スペクトルのパターン(スペクトル
型)は星によって違う。
このスペクトル型は星の表面温度と対応し
ている。
現在はハーバード分類と呼ばれるスペクト
ル型分類が使われている。

HR図上の主なグループ
ヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)



15

横軸に星のスペクトル型(または表面温度)、
縦軸に絶対等級(または光度)をとったグラフ。
さまざまな星はHR図上でいくつかのグループ
に分かれる。
天文学で大変重要な図。
主系列星



巨星




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主系列の右上に分布。
明るくて、大きい。
白色矮星(はくしょくわいせい)

16
図の左上から右下に伸びる帯状領域に分布。
約90%の星(太陽を含む)が属する。
主系列の左下に分布。
暗くて、小さい。
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2
宇宙の科学(第8章)
連星

連星⇒2つの星が互いの重力で引き合い、
共通重心のまわりを回転運動している系。


明るい方を主星、暗い方を伴星という。
太陽の近くの星については、半分強が連
星。
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