基本計画の方針と施策展開 第8章 第8章 基本計画の方針と施策展開 1.名古屋港の役割 (1)物流・産業 社会経済情勢の見通し ○世界経済をアジアが牽引 • 2020年代には中国がアメリカを抜いて世界最大の経済大国になると予測されているなど、アジアが最大の 経済圏として世界経済を牽引 • 経済連携協定や自由貿易協定の進展等により、拡大する新市場の獲得や生産体制の最適化を求めて、 企業の世界展開が加速 ○我が国の基幹産業の自動車関連産業の現地生産が進展 • 東アジアや新興国を中心として自動車の普及が進行し、国内自動車メーカーの現地生産がさらに進展 • 先進技術・高付加価値の自動車部品や新興国に向けた生産用の自動車部品等は、国内で生産され世界 へ輸出 ○中部地域へのものづくり産業のさらなる集積 • 広域道路ネットワークの整備やリニアの開業などにより、愛知県は革新的な技術の創出や成長産業への 展開が進む最強の産業県に発展 • アジア№1航空宇宙産業形成クラスター特区の取り組みにより、ボーイング787やMRJプロジェクトなどを 推進する航空宇宙産業が中部地域を中心として更に発展 【名古屋港の役割】 自動車や航空宇宙をはじめ多様なものづくり産業の国際競争力を物流面で支援 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-1 第8章 基本計画の方針と施策展開 1.名古屋港の役割 (2)安全・安心 社会経済情勢の見通し ○大規模災害への対応 • 南海トラフ地震は、いつ起きてもおかしくない状況(30年以内の発生確率が70%程度と予測)。愛知県に よる被害想定(理論上最大想定モデル)では、死者数は29,000人、建物全壊・焼失は382,000棟と推計 • 大規模災害から人命、財産を守るとともに、我が国の貿易黒字を稼ぎ出すモノづくり産業の速やかな 復旧・復興に向けたソフト・ハードの取組の強化 【名古屋港の役割】 安全・安心な港湾の構築 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-2 第8章 基本計画の方針と施策展開 1.名古屋港の役割 (3)交流・環境 社会経済情勢の見通し ○中部地域の交流圏の拡大 • リニア開業により、人口5千万人規模の巨大な大交流圏が誕生し、首都圏との産業活動や観光面の交流が 活発化 • 空港・港湾などの世界との直結性の強化による国内外からの来訪者の増加 ○クルーズ人口の増加 • アジアへの大型クルーズ船の配船と、手ごろな価格で多様なショートクルーズが提供されることなどにより、 クルーズ人口が増加 ○環境意識の高まり • 近年の地球環境問題により、環境負荷の軽減、生物多様性に配慮した自然環境の積極的な保全等が求め られている • 港湾が持続可能な発展をしていくため、港湾機能と環境との共生を実現することが必要である 【名古屋港の役割】 魅力ある交流空間と良好な港湾環境の形成 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-3 第8章 基本計画の方針と施策展開 2.重点項目 《物流・産業》 自動車や航空宇宙をはじめ多様なものづくり産業の国際競争力を物流面で支援 名古屋港は、中部地域に集積するモノづくり産業の国際競争力強化と、背後に暮らす人々の生活の質の向上を支えるため、 輸出入貨物の更なる増加を図り、我が国経済・産業の活性化と富の創出に貢献する。 (コンテナ) 船舶の大型化やコンテナ取扱個数の増加に対応した既存ストックの改良や新たな施設整備、物流用地の拡充等に より機能強化を図る。また、港湾のコスト・サービス水準の更なる向上に取組む。 (完成車) 船舶の大型化への対応や保管用地の拡充等により、完成車ハブ機能の更なる充実・強化を図る。 (バルク) 資源、穀物、エネルギー、産業機械などの貨物について、効率的な物流体系の構築を図る。 (航路・道路体系) 安全で円滑な航路体系の構築、港と背後地を結ぶ広域幹線道路との連携や港内道路の整備による道路ネットワークの 構築により、物流全体の効率化に貢献する。 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-4 第8章 基本計画の方針と施策展開 2.重点項目 《安全・安心》 安全・安心な港湾の構築 (防災・減災) 地震・津波・高潮等の大規模災害に対して、背後住民の生命・財産や背後圏の産業活動を守るため、ハード・ソフト一体と なった防災・減災対策を進める。 (災害対応力) 災害時において、緊急物資等の円滑な輸送の確保や、地域経済等への影響を最小限にとどめ早期に復旧・復興できる よう、港湾機能継続計画(BCP)の実行性の向上、耐震強化岸壁の拡充、背後の道路ネットワークとの連携などソフト、ハード 両面による災害対応力の向上を図る。 《交流・環境》 魅力ある交流空間と良好な港湾環境の形成 (交流空間) クルーズ船の寄港やフェリーの就航などによる地域活性化や交流を促進するための魅力ある交流空間の形成を図る。 (港湾環境) ・周辺地域や海域環境にも配慮し、身近で親しまれる港湾環境の創出とともに、貴重な自然環境の保全、生物多様性 への配慮、水環境の改善により、「港湾環境の維持・回復・創造」を図っていく。 ・大気環境対策や地球温暖化対策を推進するほか、資源循環に取り組み、「港湾における環境負荷の軽減」を図る。 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-5 第8章 基本計画の方針と施策展開 3.方針と施策展開 (1) 物流・産業 方 針 コンテナ機能の強化・拡充 完成車輸送機能の強化・拡充 バルク輸送機能の強化・拡充 既存施設の機能転換 円滑な道路体系の構築 安全かつ効率的な航路体系の構築 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 施策展開 地 区 ○コンテナターミナルの拡充 飛島ふ頭、鍋田ふ頭 ○既存コンテナターミナルの改良 飛島ふ頭 ○民の視点を取り込んだターミナル運営 飛島ふ頭、鍋田ふ頭等 ○完成車輸送機能の強化・拡充 金城ふ頭 ○バルク(穀物)輸送機能の強化・拡充 ○民の視点を取り込んだターミナル運営 北浜ふ頭 ○産業機械等在来貨物輸送機能の強化 弥富ふ頭、横須賀ふ頭 ○物流用地の確保 金城ふ頭、空見ふ頭、飛島ふ頭、弥富ふ頭 ○埠頭間臨港道路の拡充 飛島ふ頭~弥富ふ頭 〇港と背後を結ぶ広域幹線道路をはじめとする周辺道路 との連携 名古屋環状2号線、西知多道路など ○良好な航行環境の確保 港内 8-6 第8章 基本計画の方針と施策展開 3.方針と施策展開 (2) 安全・安心 方 針 港湾施設の安全性確保 施策展開 地 区 ○耐震強化岸壁(緊急物資輸送)の拡充 金城ふ頭、北浜ふ頭、横須賀ふ頭、弥富ふ頭 ○耐震強化岸壁(幹線貨物輸送)の拡充 飛島ふ頭、鍋田ふ頭、北浜ふ頭 ○緊急輸送道路(耐震強化岸壁へのアクセス)の確保 金城ふ頭、横須賀ふ頭、北浜ふ頭、 飛島ふ頭、弥富ふ頭 津波・高潮等からの防護機能の強化 ○海岸保全施設の機能強化 第4回名古屋港基本計画検討委員会 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告資料 防潮壁、陸閘、水門 8-7 第8章 基本計画の方針と施策展開 3.方針と施策展開 (3) 交流・環境 方 針 施策展開 地 区 水の交流軸の形成 ○水上交通の拡充 中川運河、ガーデンふ頭、金城ふ頭 利便性の高い交流空間の形成 ○旅客船機能の拡充 ○複合一貫輸送機能(フェリー)の配置 ガーデンふ頭、金城ふ頭 ○プレジャーボート係留施設の拡充 弥富ふ頭 ○小型船の収容施設の拡充 ガーデンふ頭、金城ふ頭、弥富ふ頭 〇浚渫土砂処分場の確保 港内、港外(中部国際空港沖(検討中)など) ○港湾緑地の拡充 中川運河、大江ふ頭、潮凪ふ頭、空見ふ頭、北浜ふ頭、 南浜ふ頭、南5区、木場金岡ふ頭、弥富ふ頭 ○海浜の拡充 新宝ふ頭、南5区、弥富ふ頭、鍋田ふ頭 ○貴重な自然環境の保全 藤前干潟、木場金岡ふ頭 ○再生可能エネルギーの導入促進 ○環境負荷軽減に貢献する港湾施設の導入促進 港内 ○交通流の分散による環境負荷の軽減 飛島ふ頭、弥富ふ頭、築地ふ頭 〇横持ち輸送の解消による環境負荷の軽減 金城ふ頭、弥富ふ頭 秩序ある港湾空間の形成 土砂処分場の確保 港湾環境の維持・回復・創造 港湾における環境負荷の軽減 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-8 第8章 基本計画の方針と施策展開 4.ゾーニング 名古屋港基本計画検討委員会 最終報告 8-9
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