清 元顔見世芸者をおどりました

清元
顔見世芸者
作
駒井義之
作曲
振付
清元美治郎
西川鯉矢
京四条 月も凍るや 東山 師走の風に 幟はためき 看板(まねき)が招く櫓下
稽古稽古に お座敷と 日毎夜毎の花づとめ お酌するより 芝居好き 贔屓役者の
お好み多き 京芸妓
ほんに嬉しいのんどっせ
顔見世芝居
松島屋
二枚目
京屋はん
和事
花の廓の軒行燈 尋ね来る来る
藤屋伊佐衛門 恋し夕霧
桟敷東西
傾城の
紙衣立
色めきて
廓文章
人目忍びし
待つに待たるゝ狂言は
吉田屋一幕
深編笠の
頬は凍てつく
「いかさま さうじゃナァ 恋も誠も世に在る時 人の心は飛鳥川
変わるは勤めのならいじゃもの 逢わずにいっそ 帰りましょ 帰りましょ
帰りましょ 帰りましょ 帰りましょ
さりながら 喜左衛門夫婦の心遣い 逢わずに去んでは この胸が」
澄まぬ心の 闇の夜 月に叢雲 影おぼろ 愛し我が夫(つま) お越しゃんしたかと
抱きついての 嬉し涙に 暮の鐘
「もうし 伊佐衛門さん 目を覚まして下しゃんせ わしゃ 煩うてナ」
春めぐり 二年越しに 音信(おとずれ)の 聞くに聞かれぬ廓鳥 お前案じてこの病
お目に見えぬか この窶れ 鍼よ薬と 命繋ぎしは こなさんの胸に甘えさせて貰いたさ
情けないぞえお前の言葉 酷いぞえお前の仕打ち 涙々の声はつまりて 歎き居たりける
申し 申し 伊佐衛門様 お前様の御勘当も ゆりました
「目出度い 皆の者 花じゃ 花じゃ」
目出度かりける
幕内は 楽屋雀の 長廊下 染めた暖簾が嬉しくも 開きかねては恥ずかしや
迷う手元の 部屋見舞い お入り の声にほっと 溜息一つ
見れば鏡の優姿 見とれてついに 煎茶一服 呑みあえず 早や 廻りか一丁柝
尾上の家が伝えし当り芸 七代目菊五郎が所作事保名
「ン何じゃ 恋人が其処に居た オゝどれどれどれ エゝまた嘘言うか
わっけもない事 言うはやい」
夜さの泊りは 何処が泊まりぞ 草を敷寝の 肘枕肘枕 一人明かすぞ
似た人あらば教えてと 振りの小袖を身に添えて 狂い乱れて
打出しの 響きはわたる冬の風 尽きぬ名残りの芝居文字 一年遅しと
悲しけれ
悲しけれ
早も待たるゝ京の暮
来年こそは
たのむ願い
初雪や
えぇ旦那はんが見つかります様に
京鬢黒髪
散りて舞うは
散るて舞うは
八坂道
祇園さんへお参りしまひょ
足どり軽き
祇園詣での
左褄
とんとんとん 来る初春の 願いかけるは 祇園八坂の お社さんへ 一つ正月 稽古しましょ
舞いは舞初め お茶は初釜 唄や三味線 笛も太鼓も 春の弾初 とりどり 二人揃うて 若菜
摘み摘み
七草粥も
恋しお方と
いつか戎の
床の枕に
小判福笹
お笹かついで
骨正月や・・・
居続け十日
二階座敷で
差しつ差されつ