社会移動(3) 文献 不平等社会日本? 不平等社会日本? 不平等社会

2015/8/17
文献
社会移動(3)
社会移動の現在
• 石田浩・三輪哲「階層移動からみた日本社
会」『社会学評論』59(4), 2009年
• 石田浩「世代間移動への生存分析アプロー
チ」『世代間移動と世代内移動』2005年SSM
調査研究会, 2008年
不平等社会日本?
• 「不平等社会日本」説の検討
• 何が日本に起こったのか?
• 世界のなかの日本
産業化命題
FJH命題
機会格差は縮小
する
不平等社会日本?
社会移動の趨勢に関する二つの見解
産業化命題
社会移動の趨勢に関する二つの見解
FJH命題
不平等社会日本?
社会移動の趨勢に関するもう一つの見解
産業化命題
FJH命題
佐藤説
経験的には、こちら
が支持されてきた
1
2015/8/17
不平等社会日本?
不平等社会日本?
社会移動の趨勢に関するもう一つの見解
産業化命題
佐藤説
FJH命題
社会移動の趨勢に関するもう一つの見解
産業化命題
本当なのか?
FJH命題
佐藤説
本当なのか?
機会格差は拡大
している
不平等社会日本?
不平等社会日本?
• 移動率(安田指数)の変化
専門職
管理職
事務職
販売職
熟練職
半熟練職
非熟練職
農 業
1985年
0.701
0.822
0.786
0.757
0.740
0.785
0.889
0.195
1995年
0.620
0.809
0.923
0.746
0.803
0.920
0.946
0.195
• 移動率(安田指数)の変化
2005年
0.707
0.884
0.845
0.738
0.825
0.854
0.905
0.293
不平等社会日本?
• ログリニアモデルの結果(石田・三輪 2009)
専門職
管理職
事務職
販売職
熟練職
半熟練職
非熟練職
農 業
1985年
1995年
0.701
0.620
0.822
0.809
0.786
0.923
0.757
0.746
0.740
0.803
上層ホワイトカラー内で
0.785
0.920
0.889
0.946
0.195
0.195
2005年
0.707
0.884
0.845
0.738
0.825
0.854
0.905
0.293
不平等社会日本?
• ログリニアモデルの結果(石田・三輪 2009)
もっともあてはまりがよいのが、
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2015/8/17
不平等社会日本?
不平等社会日本?
• 佐藤説の検証(石田 2008)
社会移動の趨勢に関する三つの見解
産業化命題
FJH命題
佐藤説
FJH命題が、再び支
持されている
不平等社会日本?
• 佐藤説の検証(石田 2008)
不平等社会日本?
• 佐藤説の検証(石田 2008)
しかし、再びオッズ比は下がり、反転している
佐藤が指摘した現象は全体
をみれば例外的で、
不平等社会日本?
不平等社会日本?
機会格差
機会格差
•機会格差は、戦後から一貫して存在しており、最近に
なって現れたわけではない
では、90年代以降、日本社
会にいったい何が生じたの
•機会格差は、戦後から一貫して存在しており、最近に
だろうか??
なって現れたわけではない
•機会格差は、
•機会格差は、縮小しているわけではないが、
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2015/8/17
何が日本に起こったのか?
• 社会移動の構成
• 「不平等社会日本」説の検討
絶対移動
• 世界のなかの日本
何が日本に起こったのか?
社会変動によって生じ
る移動(構造移動)
何が日本に起こったのか?
• 社会移動の構成
• 社会移動の構成
社会変動に関係なく生
じる移動(循環移動)
相対移動
絶対移動
社会変動に関係なく生
じる移動(循環移動)
相対移動
• 何が日本に起こったのか?
社会変動に関係なく生
じる移動(循環移動)
相対移動
絶対移動
社会変動によって生じ
る移動(構造移動)
何が日本に起こったのか?
社会変動によって生じ
る移動(構造移動)
何が日本に起こったのか?
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
(%)
2005年
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
増大
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
下降
移動率
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
石田・三輪(2009)より
石田・三輪(2009)より
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何が日本に起こったのか?
何が日本に起こったのか?
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
産業化が進行し、(上層)ホワイトカラーの割
合も上昇した
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
石田・三輪(2009)より
石田・三輪(2009)より
何が日本に起こったのか?
何が日本に起こったのか?
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
(上層)ホワイトカラーの門戸が拡がり、
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
(上層)ホワイトカラーの門戸が拡がり、
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
機会格差は変わらなかったが、機会そのもの
石田・三輪(2009)より
は社会全体で増大した
石田・三輪(2009)より
何が日本に起こったのか?
何が日本に起こったのか?
(%)
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
上昇
移動率
25.0
34.1
37.1
39.8
41.1
38.7
下降
移動率
7.1
9.3
10.4
11.6
11.8
14.5
(%)
1955年
1995年
2005年
高位者が増えると、社会全体で下降移動の
上昇
34.1
37.1
39.8
機会(チャンス)が増大する
移動率 25.0
41.1
38.7
下降
移動率
11.8
14.5
7.1
1965年
9.3
1975年
10.4
1985年
11.6
職業構造が安定し、
石田・三輪(2009)より
石田・三輪(2009)より
5
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何が日本に起こったのか?
何が日本に起こったのか?
1990年代以降
1990年代以降
•産業構造が安定し、上昇移動のチャンスが減
少した
若い世代ほど、この
傾向は顕著になる
•産業構造が安定し、上昇移動のチャンスが減
少した
•高位者が増え、
•高位者が増え、
何が日本に起こったのか?
何が日本に起こったのか?
不平等社会というフレーズが受け入れられた背景
戦後日本社会を通して
1
•相対移動だけをみると、その大きさに変化は
なかった
職業構造が安定し、上昇移動のチャンスが減少した
2
•絶対的移動を考慮すると、
何が日本に起こったのか?
世界のなかの日本
不平等社会というフレーズが受け入れられた背景
日本社会の格差はどの程度か?
3
•国際比較をする
かつてであれば問題にされなかった出身階層による機
会格差が、人びとによって問題にされるようになった
イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、アイ
ルランド、ハンガリー、ポーランド、オランダ、イ
タリア、ノルウェー、イスラエル、アメリカ、オー
ストラリア、台湾、韓国
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世界のなかの日本
世界のなかの日本
いずれも中位に
位置している
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
日本よりも、
日本よりも、
日本
日本
石田・三輪(2009)より
日本
日本
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
世界のなかの日本
かつては平等な国だったのに、
かつては平等な国だったのに、
通俗的なイメージ
長期的な趨勢をみると、機会格差については間
違ったイメージ
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2015/8/17
世界のなかの日本
世界のなかの日本
2
1
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
農業が増えると・・・
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
戦後日本社会の特徴
1
産業化によって、急激に農業が縮小した
2
石田・三輪(2009)より
世界のなかの日本
韓国、台湾も、日本と同
じような社会変化を辿っ
ている
世界のなかの日本
今後の課題
石田・三輪(2009)より
8