第3回

2015/8/17
文献
社会階層(1)
社会移動と産業化
原純輔・盛山和夫著
『社会階層』
東京大学出版会
社会移動とは
• 社会移動とは
社会移動
• 社会移動率の変化
• 産業化命題とFJH命題
社会移動とは
社会移動とは
社会移動の種類
社会移動の種類
世代内移動
世代内移動
個人が体験する社会移動
下層ホワイトカラー(事務職)
1
2015/8/17
社会移動とは
社会移動とは
社会移動の種類
社会移動の種類
世代内移動
世代間移動
雇用者(サラリーマン)
経営者
社会移動とは
社会移動とは
社会移動の種類
社会移動の種類
世代間移動
世代間移動
農業
雇用者(サラリーマン)
下層ホワイトカラー(事務職)
社会移動とは
社会移動とは
親の社会階層が子どもの社会階層を決めてしまう社会
親の社会階層が子どもの社会階層を決めてしまう社会
世代間移動のない社会
世代間移動のない社会
2
2015/8/17
社会移動とは
社会移動とは
親の社会階層に関係なく、子供の社会階層が決まる社会
親の社会階層に関係なく、子供の社会階層を決まる社会
世代間移動のある社会
世代間移動のある社会
社会移動とは
社会移動とは
学歴・職業について機
会格差の大きい社会
は、世代間移動が停滞
する
機会格差
世代間移動の量は、その社会にどれくらい機会
格差があるかの目安となる
社会移動とは
機会格差
社会移動とは
社会移動研究の問題点
親が専門職・管理職である
専門職・管理職になりやすい
3
2015/8/17
社会移動率の変化
• 社会移動とは
社会移動量を、どのようにし
て測るか?
• 社会移動率の変化
• 産業化命題とFJH命題
2005年SSMデータによるクロス表
専門
管理
事務
販売
熟練
2005年SSMデータによるクロス表
(行=本人職,列=父職)
半熟練
非熟練 農業 合計
専門
管理
事務
販売
熟練
(行=本人職,列=父職)
半熟練
非熟練 農業 合計
専門
36
51
22
22
32
17
4
20
204
専門
36
51
22
22
32
17
4
20
204
管理
17
67
43
25
55
32
4
49
292
管理
17
67
43
25
55
32
4
49
292
事務
13
47
54
25
54
35
6
52
286
事務
13
47
54
25
54
35
6
52
286
販売
13
40
19
74
31
18
3
32
230
販売
13
40
19
74
31
18
3
32
230
熟練
7
38
24
39
143
50
23
108
432
熟練
7
38
24
39
143
50
23
108
432
半熟練
4
19
19
15
48
58
20
71
254
半熟練
4
19
19
15
48
58
20
71
254
非熟練
5
4
8
10
26
12
11
40
116
非熟練
5
4
8
10
26
12
11
40
116
農業
3
3
4
2
10
3
3
98
126
農業
3
3
4
2
10
3
3
98
126
合計
98
269
193
212
399
225
74
470 1,940
合計
98
269
193
212
399
225
74
2005年SSMデータによるクロス表
2005年SSMデータによるクロス表
(行=本人職,列=父職)
470 1,940
(行=本人職,列=父職)
社会移動した人
専門
管理
事務
販売
熟練
半熟練
非熟練 農業 合計
専門
管理
事務
販売
熟練
半熟練
非熟練 農業 合計
専門
36
51
22
22
32
17
4
20
204
専門
36
51
22
22
32
17
4
20
204
管理
17
67
43
25
55
32
4
49
292
管理
17
67
43
25
55
32
4
49
292
事務
13
47
54
25
54
35
6
52
286
事務
13
47
25
54
35
6
52
286
販売
13
40
19
74
31
18
3
32
230
販売
粗移動率=
13
40
54
19
74
31
18
3
32
230
熟練
7
38
24
39
143
50
23
108
432
熟練
7
38
24
39
143
50
23
108
432
半熟練
4
19
19
15
48
58
20
71
254
半熟練
4
19
19
15
48
58
20
71
254
非熟練
5
4
8
10
26
12
11
40
116
非熟練
5
4
8
10
26
12
11
40
116
農業
3
3
4
2
10
3
3
98
126
農業
3
3
4
2
10
3
3
98
126
合計
98
269
193
212
399
225
74
470 1,940
合計
98
269
193
212
399
225
74
470 1,940
社会移動した人
4
2015/8/17
社会移動率の変化
社会移動率の変化
0.750
0.750
0.700
0.700
0.650
0.650
0.600
0.600
0.550
0.550
0.500
0.500
0.450
0.450
0.400
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
粗移動率
0.400
1955年
1965年
1975年
1985年
1995年
2005年
粗移動率
粗移動率の変化(1955‐2005年)
出所:1955-2005年SSM調査データ
粗移動率の変化(1955‐2005年)
出所:1955-2005年SSM調査データ
社会移動率の変化
社会移動率の変化
粗移動率の問題点
粗移動率の問題点
社会構造が変動した影響を考慮していない
社会構造が変動すると、その効果だけで社会
移動が生じる
EX. 産業化・情報化など
社会移動率の変化
社会移動率の変化
粗移動率の問題点
粗移動率の問題点
社会構造が変動すると、その効果だけで社会
移動が生じる
社会構造が変動した影響を考慮していない
IT化が進めばIT関連に就く人が増えるが、父親の職業
はとうぜんIT関連ではない
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2015/8/17
社会移動率の変化
粗移動
構造移動
社会移動率の変化
循環移動
粗移動
構造移動
循環移動
社会構造の変動で生じた社会移動
社会移動率の変化
社会移動率の変化
0.600
0.500
粗移動
構造移動
循環移動
0.400
0.300
0.200
0.100
0.000
1955年
1965年
1975年
構造移動率
1985年
1995年
2005年
循環移動率
社会移動率の変化(1955‐2005年)
機会格差は、主として循環移動に関係している
出所:1955-2005年SSM調査データ
社会移動率の変化
社会移動率の変化
0.600
0.600
0.500
0.500
0.400
0.400
0.300
0.300
0.200
0.200
0.100
0.100
0.000
1955年
1965年
1975年
構造移動率
1985年
1995年
2005年
循環移動率
社会移動率の変化(1955‐2005年)
出所:1955-2005年SSM調査データ
0.000
1955年
70年代以降は、
一貫して上昇し
ている
1965年
1975年
構造移動率
1985年
1995年
2005年
循環移動率
社会移動率の変化(1955‐2005年)
出所:1955-2005年SSM調査データ
6
2015/8/17
社会移動率の変化
社会移動率の変化
0.600
0.600
0.500
0.500
移動率だけをみると、
0.400
0.400
0.300
0.300
0.200
0.200
0.100
0.100
0.000
1955年
1965年
1975年
構造移動率
1985年
1995年
2005年
0.000
1955年
移動率だけをみると、機
にもかかわらず、2000
会格差は縮小している
年代以降、なぜ格差社
ようにみえる
会が問題になったのだ
ろうか??
1965年
1975年
循環移動率
社会移動率の変化(1955‐2005年)
構造移動率
1985年
1995年
2005年
循環移動率
社会移動率の変化(1955‐2005年)
出所:1955-2005年SSM調査データ
出所:1955-2005年SSM調査データ
産業化命題とFJH命題
社会移動について、二つの学説が対立していた
• 社会移動とは
• 社会移動率の変化
• 産業化命題とFJH命題
産業化命題とFJH命題
産業化命題
産業化が進むと、社会移動が盛んになる
FJH命題
産業化命題とFJH命題
産業化命題
産業化命題
産業化が進むと、社会移動が盛んになる
産業化が進むと、社会移動が盛んになる
移動率の変化は、
産業化
業績主義化
出身階層に関係なく人材が配置される
産業化
業績主義化
出身階層に関係なく人材が配置される
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2015/8/17
産業化命題とFJH命題
産業化命題とFJH命題
FJH命題
産業化命題の問題点
十分に産業化した先進国でも、機会格差は0で
はない
職業の違いを考慮していない(次回、参照)
産業化命題とFJH命題
原・盛山(1999)は社会移動の量を単純に比較す
るだけでなく、戦後から社会移動のパターンにど
のような変化があったのかを調べた
産業化命題とFJH命題
FJH命題
なぜ、社会移動量は
増えたのだろうか?
その結果、社会移動のパターンは、戦後からほと
んど変化していないことが判明した
農業をする人が減って、家業を継ぎやすい子ども
が減ったから
産業化命題とFJH命題
産業化命題とFJH命題
結論
佐藤俊樹(2000)の主張
社会移動する人は増えたが、移動のパターン
は安定しており、ほとんど変化はない
次回、検討
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