医歯薬出版 吉田貴彦編「子どものヘルスプロモーション」より 尾道市のある小学校(百マス計算で有名な)の校長先生が、学力低下に取り組み、すば らしい成果を挙げましたが、その色々な取組の中で、最も重要なことは、「家庭では早寝 早起き朝ご飯を摂る、そして学校では読み書き計算の徹底した反復練習を指導することで した。」と述べられています。 早寝早起きで生活のリズムを作り、1日の活力となる朝食をしっかり摂り、学校ではド リル学習に十分時間をかける。なるほど、学力が向上しそうですが、実はもうひとつ重要 なことがあったのです。そのことについて「子どものヘルスプロモーション」という本か ら紹介したいと思います。 それは「家族団らん」です。人は体だけが元気でも、それで健康とはいえません。大 切なのは心です。その心を強くするために必要なのが家族団らんなのです。家族団らんの 時、子どもたちは心の底からリラックスします。また、学校でどんないやなことがあって も、家族団らんの時にお父さんやお母さんに励ましてもらうと心が強くなり、翌日も元気 に学校に行って頑張ることができます。学校という場所は一つの社会である以上、うまく いかないこともあれば勉強でつまずくこともあります。勉強が得意な子も、そうでない子 も、必ずつまずくことがでてきます。ただ、つまずくところが違うとか、つまずくことが 多いか少ないかとかの差しかありません。問題はそうしたときに 頑張れるかどうかであり、よくいわれる頭が良いとか悪いとかい うような単純なものだけで学力はきまりません。そうした点でも、 家族団らんというのは重要なのです。 ところが最近は、家族団らんといっても、親が学校の成績 ばかりを気にして、家にいても子どもはゆっくりできなかっ たり、もっとひどい例になると、子どものことには無関心で会話がないという家庭も多く なっています。また、親が夜遅くまで仕事をしていて、食事がそもそもばらばらというこ とも当たり前になってきました。 また、 また、家族団らんが 家族団らんが習慣化 らんが習慣化されていて 習慣化されていて、 されていて、家の手伝いをよくさせたり 手伝いをよくさせたり、 いをよくさせたり、掃除を 掃除を家族みんな 家族みんな でしたり、 でしたり、毎日食事を 毎日食事を一緒にしているというような 一緒にしているというような家庭 にしているというような家庭の 家庭の子が問題を 問題を起こすことは少 こすことは少ない と思われます。 われます。 ある大脳生理学者が大変興味深いことを言っておられました。それは見知らぬ人に対し て気を遣って話しているときと、家族とべらべらしゃべっているときと、どちらが脳はよ く働いているかという話です。普通なら、相手がどんな人かを考えるので、見知らぬ人と しゃべる方が、脳が活発に動くと思われるでしょう。でも、違うのです。家族としゃべる 方が活発に動くのです。しかも、その動きは、最も活発に脳が動く「音読」しているとき と同じほどだと、その大脳生理学者自身が驚くほどだったというのです。 さらに重要なのは、学力 学力に 学力に関係する 関係する脳 する脳の部分を 部分を前頭前野といい 前頭前野といいますが といいますが、 ますが、ここの脳神経 ここの脳神経は 脳神経は コミュニケーションや情動 コミュニケーションや情動なども 情動なども扱 なども扱います。 います。つまり、 つまり、家族団らんをするということはそれ 家族団らんをするということはそれ だけで学力 だけで学力にかかわる にかかわる脳神経 脳神経を を 活性化して 活性化 して鍛 鍛 えることになるのです。 えることになるのです 。家族の仲が良いと学 学力にかかわる脳神経 して 力も高くなりやすいというのはよく知られているところですが、実は脳神経学的にも密接 な関係があったということです。
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