処方箋医薬品注1) **2015年5月改訂 (第4版 投与期間制限医薬品に関する情報の項削除) *2015年1月改訂 クエン酸第二鉄水和物(Ferric Citrate Hydrate)錠 和 名 一 般 名 日本標準商品分類番号 リオナ®錠 250mg Riona ®Tab. 250mg クエン酸第二鉄水和物 (Ferric Citrate Hydrate) 87219 性 状 ・ 剤 形 外 セルロース、 ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、 ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、 ヒドロキシプロ ピルセルロース、 クロスポビドン、 ステアリン酸Ca、 ヒプロメロース、酸化チタン、 タ ルク、 ポリエチレングリコール 白色のフィルムコーティング錠 2014年1月 薬 価 収 載 2014年4月 販 売 開 始 2014年5月 販 売 元 鳥居薬品株式会社 製 造 販 売 元 日本たばこ産業株式会社 The 58th Annual Meeting of the Japanese Society of Nephrology, Luncheon Seminar 19 第58回日本腎臓学会学術総会「ランチョンセミナー 19」 臨床症状・措置方法 開催日 開催 日:20 2015 15年6 年6月6 月6日 日(土) (土) 場所:名古 名古屋国 屋国際会 際会議場 第8会 会 場(2号 2号館3 館3階 会議室234) 機序・危険因子 これら薬剤の作用を減弱させるおそれが これら薬 剤と結 合 あるので、 併用する場合にはこれらの薬剤 し、吸収を減少させ るおそれがある。 の作用を観察すること。 キノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン等 テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン等 司会:平方 秀樹 先生(福岡赤十字病院 副院長) 演者:深川 雅史 先生(東海大学医学部内科学系 腎内分泌代謝内科 教授) セフジニル 抗パーキンソン剤 ベンセラジド・レボドパ等 エルトロンボパグ オラミン 経口アルミニウム製剤 注2 ) 水酸化アルミニウムゲル 合成ケイ酸アルミニウム 形 22600AMX00005000 承 認 年 月 甲状腺ホルモン剤 レボチロキシン等 有 効 成 分 クエン酸第二鉄水和物を無水物として (クエン酸第二鉄として)250mg含有 ( 1 錠 中 ) 物 承 認 番 号 薬剤名等 組成・性状 加 3年 (外箱等に表示の使用期限を参照のこと) 3. 相互作用 併用注意 (併用に注意すること) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 添 気密容器、室温保存 (「取扱い上の注意」参照) 使用期限 注1)注意−医師等の処方箋により使用すること 商品名 洋 名 貯 法 上面 他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニ クエン酸との併用に ウム濃度が上昇したとの報告があるので、 より、 吸収が促進され 同時に服用させないなど注意すること。 るとの報告がある。 側面 注2) 透析療法を受けている患者へは投与禁忌である。 サ イ ズ 識 別 コ ー ド 長径 約14.9mm、短径 約6.9mm、厚さ 約4.6mm 4. 副作用 国内における本剤の主要な臨床試験において、 801例中204例 (25.5%) に副作用が認め られた。 主な副作用は、 下痢、 便秘、 腹部不快感、 血清フェリチン増加であった。 (承認時) その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場 合は適切な処置を行うこと。 JTP 751 効能・効果 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 種類 用法・用量 通常、成人には、 クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口 投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日 6,000mgとする。 <用法・用量に関連する使用上の注意> ・本剤投与開始時又は用量変更時には、1∼2週間後に血清リン濃度の確認を行う ことが望ましい。 ・増量を行う場合は、 増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまで とし、 1週間以上の間隔をあけて行うこと。 使用上の注意 販売元 2015年8月作成 東京都中央区日本橋本町3ー4ー1 製造販売元 2%以上 2%未満 胃腸障害 下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、 腹部膨満、腹痛、十二指腸潰瘍、排便回数増 腹部不快感 (2.5%) 加、 胃腸障害、 悪心、 嘔吐、 便通不規則 臨床検査 血清フェリチン増加 (2.7%) 血中アルミニウム増加、 γ-グルタミルトランスフェ ラーゼ増加、 ヘマトクリッ ト増加、 ヘモグロビン増加 赤血球増加症、肝機能異常、食欲減退、 そう痒 症、 高血圧 その他 5. 高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に 投与すること。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦及び授乳婦には、治療上の有益性 が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [これら患者への投与に 関する安全性は確立していない。] 7. 小児等への投与 小児等に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。 8. 適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 (PTPシートの誤飲により、 硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、 更には穿孔をおこして縦隔 洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。 ) 9. その他の注意 (1)本剤の投与により便が黒色を呈することがある。 腹部のX線又はMRI検査で、本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。 (2) (3) イヌを用いた長期反復投与毒性試験において、最大臨床用量の鉄として約5倍に 相当する用量より、鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣、細胆管の 増生及び肝実質の線維化)が認められた。 これらの変化は休薬による回復性はな く、 休薬期間中に病態の進行が認められた。 *包 装 近 年、慢 性 腎 臓 病(CKD)に 伴う骨・ミネラ ル 代 謝 異 常 (CKD-MBD) において、骨細胞から分泌されるペプチドホル リオナ 錠250mg:100錠(10錠×10 PTP包装)、500錠(10錠×50 PTP包装)、1,000錠 (10錠×100 PTP包装) 雅史先生に、CKD-MBDの病態におけるFGF23の動態、 線 維 芽 細 胞 増 殖 因 子23)の 関 与 が 注 目を 集 め て い る。 血清リン濃度が上昇を来す前からの腎のリン負荷軽減の臨床 FGF23は、 リン調節系においてリン排泄の促進、 ビタミンD 的意義、治療やターゲットとしてのFGF23の可能性について 活性の抑制、副甲状腺ホルモン (PTH)の分泌・合成の制御を 最新の知見を交えて解説いただいた。 つかさどるだけでなく、心不全や鉄代謝、造血にも関与する 血清リン濃度上昇以前の早期CKDの 段階から、FGF23が上昇している 不良に繋がるとする報告は多数あり、基準値内であっても血清リン 1) 濃度が高くなるほど生命予後が悪化することが示されている 。 取扱い上の注意 アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。 さらに、腎機能とリン代謝の関係にFGF23が関与していることが 詳細は添付文書をご参照ください。 禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分にご留意ください。 わかり、その研究が進むにつれ、血清リン濃度が上昇するかなり前 資料請求先 鳥居薬品株式会社 お客様相談室 TEL 0120-316-834 FAX 0120-797-335 ® 登録商標 からリン調節系の異常が始まっていることが明らかになってきた。 CKDにおいて、 FGF23はリン負荷により分泌が亢進し、 リン排泄 IF20-1508P RIO TJ008A 本セミナーでは、CKD-MBD治療の第一人者である深川 モ ン で あ るFGF23(fibroblast growth factor 23: CKD患者を対象とした研究を中心に、高リン血症が生命予後 ® ことが報告されている。 を促進させるとともに、 活性型ビタミンD産生を低下させ、 二次性副 甲状腺機能亢進症の発症に関与すると考えられている。 FGF23は ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) (1)消化性潰瘍、 炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者[病態を悪化させるおそれが ある。] (2)ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者[病態を悪化させるおそれがある。] (3)C型慢性肝炎等の肝炎患者 [病態を悪化させるおそれがある。 ] (4) 血清フェリチン等から鉄過剰が疑われる患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがあ る。 ] (5)他の鉄含有製剤投与中の患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがある。] (6)発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。] 2. 重要な基本的注意 (1)本剤は、血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取 制限を考慮すること。 (2)本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投 与すること。血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定 頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の 発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の 投与を考慮し、 カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、 カルシウム受 容体作動薬の減量等も考慮すること。 また、 二次性副甲状腺機能亢進症の発現あ るいは悪化がみられた場合には、 活性型ビタミンD製剤、 カルシウム製剤、 カルシウム 受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。 (3)本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、 本剤の成分である鉄が一部吸収される ため、血清フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。 また、ヘモグロ ビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、 過剰造血に注意すること。 頻度 腎機能低下に伴い上昇するが 2)、注目すべきは、それが血清リン 濃度の上昇以前の早期CKDの段階から認められることである3)。 保存期CKD患者では腎機能低下に伴い、eGFR 70mL/min/ 1.73m2程度からFGF23が、次いでeGFR 50mL/min/1.73m2 程度からPTHが上昇し、 高リン血症となるのは腎機能低下がかなり 4, 5) 進行してからである (図1) 。 血清リン濃度上昇時にはFGF23による 生理的代償機構が破綻している FGF23の変化に対するリンの応答は、 CKDのステージで異なる。 腎機能正常者では、FGF23は血清リン濃度よりもリン負荷に伴う 尿中リン排泄の変化量と相関することが報告されている6)。 また、 The 58th Annual Meeting of the Japanese e Society of Nephrology, Luncheon Seminar 19 9 平方 秀樹 先生 Hideki HIR AK ATA 演 者 東海大学医学部内科学系 腎内分泌代謝内科 教授 深川 雅史 先生 Masafumi FUKAGAWA 血清リン濃度の上昇がみられない保存期CKDステージ3患者 にリン吸着薬を投与した検討では、 血清リン濃度はほとんど変化 7) しなかったがFGF23は低下した 。一方、CKDのステージが 進行すると、 FGF23が上昇しても尿中リン排泄量が増加せず、 生理的代償機構が破綻して血清リン濃度が上昇する。 こうしたことから、血中FGF23値は血清リン濃度よりもリン 負荷量によって変動しており、CKDの早期発見・早期治療の ためにFGF23は有用なマーカーであると考えられる。 しかし、 現在FGF23測定は保険適用ではないため、比較的早期に変動 保存期CKD患者における腎機能とリン代謝パラメータの変化 25 (OH) D, ng/mL 2D, 1 25 D pg/mL / L 1,25 (OH) Corrected Ca, mg/dL 80 10 Corrected Ca 9.5 60 9 1,25(OH)2D 40 8.5 8 20 検査値から推算できる%TRPや無機リン排泄率(FEp)、腎近 保存期CKD患者へのリオナ投与によりFGF23は約50%低 9) 位尿細管リン再吸収閾値 (TmP/GFR) といった尿中リン排泄の 下した(図5) 。 リン吸着薬の中で唯一鉄を含有するリオナが 指標を目安とすれば、 血清リン濃度の上昇以前のネフロン当たり FGF23を低下させた背景機序として、 リン吸着作用以外の関与 のリン負荷が高まっている段階で、 腎のリン負荷を軽減するため を示唆する報告がある。 それによると、鉄が充足している状態で の比較的早期の介入が可能だと考えられる。 はFGF23の発現は正常であったが、 鉄欠乏状態ではFGF23の 転写が亢進するという。 さらに、 高率に鉄欠乏を合併する保存期 保存期からの食事介入と、 必要に応じたリン吸着薬の使用が望ましい ある14)。 ここに鉄補充を行うと、 骨細胞でのFGF23の転写が正常 具体的には、尿中リン排泄量が増加した段階で、食事中心の 化し、 FGF23は低下すると考えられる。 一方、 すべての鉄補充が 介入を開始し、 必要に応じてリン吸着薬を用いて腎のリン負荷を 同じ効果を及ぼす訳ではなく、 静注鉄の含糖酸化鉄では透析患 軽減させることが望ましい。食事介入では、吸収率の高い無機 者のFGF23の上昇が認められる15)。 このように、 鉄の種類によっ リンの摂取に特に注意する。 てはFGF23への作用が異なることから、 FGF23を考慮した薬剤 理想的なリン吸着薬の条件としては、 リン吸着能が強い、 蓄積 選択が必要である。 や透析期のCKD患者においても、FGF23は増加する報告が これまでCKD -MBDの病 態としては骨代謝異常、血管石 灰化、検査値異常が知られているが、最近の知見から鑑みると、 心不全や鉄代謝、 造血についても考慮すべきであろう。 その鍵を 握る因子がFGF23であり、FGF23をターゲットとした腎のリン 負荷軽減による早期介入がCKD-MBD診療において重要な 位置を占めるようになるだろう。 参考文献 1)Tonelli, M. et al.: Circulation 112(17): 2627-33, 2005 2)Shigematsu, T. et al.: Am J Kidney Dis 44(2): 250-6, 2004 3)Pereira, RC. et al.: Bone 45(6): 1161-8, 2009 4)Isakova, T. et al.: Kidney Int 79(12): 1370-8, 2011 5)Nakano, C. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 7(5): 810‒9, 2012 6)Ferrari, SL. et al.: J Clin Endocrinol Metab 90(3): 1519-24, 2005 7)Oliveira, RB. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 5(2): 286-91, 2010 8)Hong, YA. et al.: Clin Exp Nephrol 19(2): 208-15, 2015 9)Yokoyama, K. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 9(3): 543-52, 2014 10)Gutiérrez, OM. et al.: N Engl J Med 359(6): 584-92, 2008 11)Isakova, T. et al.: JAMA 305(23): 2432‒9, 2011 12)Scialla, JJ. et al.: J Am Soc Nephrol 25(2): 349‒60, 2014 13)Coe, LM. et al.: J Biol Chem 289(14): 9795-810, 2014 14)Wolf, M. et al.: Curr Opin Nephrol Hypertens 23(4): 411-9, 2014 15)Takeda, Y. et al.: Am J Nephrol 33(5): 421-6, 2011 性がない、 アドヒアランスが良い等が挙げられる。 昨年発売され たクエン酸第二鉄水和物 (製品名:リオナ®錠250mg) は保存期 図3 保存期CKD患者におけるリオナ投与による血清リン濃度と尿中リン排泄量の低下 CKDにも適応を有しており、 2015年5月より長期処方が可能に 血清リン濃度 なった。 リオナは食品添加物に用いられるクエン酸第二鉄の表面 リオナ群 プラセボ群 平均値±標準偏差 (mg/dL) 積を大きくし、 溶解速度が速いという特性を有するリン吸着薬で 8 ある。そのため、消化管内で速やかに溶解し、食事由来のリン酸 7 と結合することで、 リンの消化管吸収を抑制する。 実際に保存期 CKD患者において、 リオナ投与が血清リン濃度と尿中リン排泄 9) 量を低下させることが報告されている (図3) 。 CKD-MBDにおける治療ターゲットとしての FGF23の有用性 尿中リン排泄量 600 500 6 400 5 300 4 200 3 100 2 0 観察 0 開始時 FGF23高値は、 透析患者および保存期CKD患者において生 命予後のリスクであり10,11)、 特に心不全との関連が強い12)。 また、 FGF23欠損マウスにおいては造血が亢進することが報告され リオナ群 プラセボ群 中央値/第1四分位, 第3四分位 (mg/日) 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 0 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 リオナ群(n) 57 57 57 57 56 52 47 46 57 リオナ群(n) 57 49 45 53 プラセボ群(n) 29 29 29 25 24 24 23 23 29 プラセボ群(n) 29 24 22 対象:高リン血症を呈する透析導入 前の保存期CKD患者 (CKD ステージ3∼5) 90例 方法:2∼4週間の観察期 (Wash Out 期)終了後、 リオナまた はプラセボを1日3回、食 直 後に12週間投与した。 リオナ の 投与量は1.5g /日から開 始し、 2週観察日に3g/日に 増量した。 4週観察日以降は 1.5∼6g /日の範囲で用量 を 調 節( 1回 の 増 減 量 は 1.5g /日) し、血 清リン濃 度 低 下 効 果 お よび 安 全 性 を 無作為化二重盲検法により 検討した。 26 Republished with permission of ASN, from Yokoyama K, et al.. Ferric Citrate Hydrate for the Treatment of Hyperphosphatemia in Nondialysis-Dependent CKD. Clin J Am Soc Nephrol. 2014, 9, 543-552 ており (図4) 、 FGF23高値は造血を抑制する可能性が示唆され 25(OH)D 7.5 0 80 A 60 40 eGFR Log (intact FGF23) , pg/mL Log (whole PTH) , pg/mL 0 DE 20 0 (mL/min/173m2) ( (mL/min/1.73m Phosphate, mg/dL 6 7 5 6 4 Phosphate 3 5 4 2 3) ) Log(intact FGF23) 3 1 2 0 0 80 60 B C 40 eGFR (%) 高リン血症 100 二次性副甲状腺機能亢進症 90 20 0 (mL/min/1.73m2) (mL/min/173m 対象・方法:透析導入前の日本人の外来CKD患者738例を対象とした 前向き研究 Republished with permission of ASN, from Nakano C, et al.. Combined Use of Vitamin D Status and FGF23 for Risk Stratification of Renal Outcome. Clin J Am Soc Nephrol. 2012, 7, 810-819 図5 保存期CKD患者におけるリオナ投与によるFGF23の推移 Release into bloodstream FGF23 Stimulation Inhibition リオナ群 プラセボ群 (pg/mL) Low blood oxygen 中央値/第1四分位, 第3四分位 FGF23亢進 Liver TRP異常 80 Kidney Fgf-23 deficiency 1,000 70 800 50 Increased oxygencarrying capacity Erythropoietin 40 Bloodstream 30 20 0 600 400 200 ≧90 75-89 60-74 45-59 eGFR 30-44 15-29 <15 (mL/min/1.73m2) Increased number of red cells Red bone marrow ? 対象・方法:透析導入前の保存期CKD患者 (CKDステージ1∼5) 93例を 対象とした横断的研究 Hong, YA. et al.: Clin Exp Nephrol 19(2): 208-15, 2015 Fetal liver ? Fgf-23 deficiency Coe, LM. et al.: J Biol Chem 289(14): 9795-810, 2014 © 2014 American Society for Biochemistry and Molecular Biology 対象:高リン血症を呈する透析導入 前の保存期CKD患者 (CKD ステージ3∼5) 90例 1,200 60 10 Log(whole PTH) FGF23と造血の関連(マウスモデル) Fgf-23 deficiency 患者の割合 8 図4 保存期CKD患者における腎機能と リン代謝パラメータ異常の発症患者の割合 図2 FGF23 図1 考えられる。 尿中リン排泄量 腎機能低下に伴ってFGF23が上昇し、次いで尿中リン排泄の 8) したことが示されている (図2) 。 このことから、ルーチンの臨床 血清リン濃度 し、簡便に測定できる別の指標が必要である。最近の研究で、 ている13)。 このことから、 FGF23を低下させる治療は望ましいと ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 福岡赤十字病院 副院長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 司 会 指標である尿細管リン再吸収率(%TRP)異常の頻度が上昇 0 観察 0 開始時 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 リオナ群(n) 57 57 57 52 46 57 プラセボ群(n) 29 29 25 24 23 29 方法:2∼4週間の観察期 (Wash Out 期)終了後、 リオナまた はプラセボを1日3回、食 直 後に12週間投与した。 リオナ の 投与量は1.5g /日から開 始し、 2週観察日に3g/日に 増量した。 4週観察日以降は 1.5∼6g /日の範囲で用量 を 調 節( 1回 の 増 減 量 は 1.5g /日) し、血 清リン濃 度 低 下 効 果 お よび 安 全 性 を 無作為化二重盲検法により 検討した。 Republished with permission of ASN, from Yokoyama K, et al.. Ferric Citrate Hydrate for the Treatment of Hyperphosphatemia in Nondialysis-Dependent CKD. Clin J Am Soc Nephrol. 2014, 9, 543-552 The 58th Annual Meeting of the Japanese e Society of Nephrology, Luncheon Seminar 19 9 平方 秀樹 先生 Hideki HIR AK ATA 演 者 東海大学医学部内科学系 腎内分泌代謝内科 教授 深川 雅史 先生 Masafumi FUKAGAWA 血清リン濃度の上昇がみられない保存期CKDステージ3患者 にリン吸着薬を投与した検討では、 血清リン濃度はほとんど変化 7) しなかったがFGF23は低下した 。一方、CKDのステージが 進行すると、 FGF23が上昇しても尿中リン排泄量が増加せず、 生理的代償機構が破綻して血清リン濃度が上昇する。 こうしたことから、血中FGF23値は血清リン濃度よりもリン 負荷量によって変動しており、CKDの早期発見・早期治療の ためにFGF23は有用なマーカーであると考えられる。 しかし、 現在FGF23測定は保険適用ではないため、比較的早期に変動 保存期CKD患者における腎機能とリン代謝パラメータの変化 25 (OH) D, ng/mL 2D, 1 25 D pg/mL / L 1,25 (OH) Corrected Ca, mg/dL 80 10 Corrected Ca 9.5 60 9 1,25(OH)2D 40 8.5 8 20 検査値から推算できる%TRPや無機リン排泄率(FEp)、腎近 保存期CKD患者へのリオナ投与によりFGF23は約50%低 9) 位尿細管リン再吸収閾値 (TmP/GFR) といった尿中リン排泄の 下した(図5) 。 リン吸着薬の中で唯一鉄を含有するリオナが 指標を目安とすれば、 血清リン濃度の上昇以前のネフロン当たり FGF23を低下させた背景機序として、 リン吸着作用以外の関与 のリン負荷が高まっている段階で、 腎のリン負荷を軽減するため を示唆する報告がある。 それによると、鉄が充足している状態で の比較的早期の介入が可能だと考えられる。 はFGF23の発現は正常であったが、 鉄欠乏状態ではFGF23の 転写が亢進するという。 さらに、 高率に鉄欠乏を合併する保存期 保存期からの食事介入と、 必要に応じたリン吸着薬の使用が望ましい ある14)。 ここに鉄補充を行うと、 骨細胞でのFGF23の転写が正常 具体的には、尿中リン排泄量が増加した段階で、食事中心の 化し、 FGF23は低下すると考えられる。 一方、 すべての鉄補充が 介入を開始し、 必要に応じてリン吸着薬を用いて腎のリン負荷を 同じ効果を及ぼす訳ではなく、 静注鉄の含糖酸化鉄では透析患 軽減させることが望ましい。食事介入では、吸収率の高い無機 者のFGF23の上昇が認められる15)。 このように、 鉄の種類によっ リンの摂取に特に注意する。 てはFGF23への作用が異なることから、 FGF23を考慮した薬剤 理想的なリン吸着薬の条件としては、 リン吸着能が強い、 蓄積 選択が必要である。 や透析期のCKD患者においても、FGF23は増加する報告が これまでCKD -MBDの病 態としては骨代謝異常、血管石 灰化、検査値異常が知られているが、最近の知見から鑑みると、 心不全や鉄代謝、 造血についても考慮すべきであろう。 その鍵を 握る因子がFGF23であり、FGF23をターゲットとした腎のリン 負荷軽減による早期介入がCKD-MBD診療において重要な 位置を占めるようになるだろう。 参考文献 1)Tonelli, M. et al.: Circulation 112(17): 2627-33, 2005 2)Shigematsu, T. et al.: Am J Kidney Dis 44(2): 250-6, 2004 3)Pereira, RC. et al.: Bone 45(6): 1161-8, 2009 4)Isakova, T. et al.: Kidney Int 79(12): 1370-8, 2011 5)Nakano, C. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 7(5): 810‒9, 2012 6)Ferrari, SL. et al.: J Clin Endocrinol Metab 90(3): 1519-24, 2005 7)Oliveira, RB. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 5(2): 286-91, 2010 8)Hong, YA. et al.: Clin Exp Nephrol 19(2): 208-15, 2015 9)Yokoyama, K. et al.: Clin J Am Soc Nephrol 9(3): 543-52, 2014 10)Gutiérrez, OM. et al.: N Engl J Med 359(6): 584-92, 2008 11)Isakova, T. et al.: JAMA 305(23): 2432‒9, 2011 12)Scialla, JJ. et al.: J Am Soc Nephrol 25(2): 349‒60, 2014 13)Coe, LM. et al.: J Biol Chem 289(14): 9795-810, 2014 14)Wolf, M. et al.: Curr Opin Nephrol Hypertens 23(4): 411-9, 2014 15)Takeda, Y. et al.: Am J Nephrol 33(5): 421-6, 2011 性がない、 アドヒアランスが良い等が挙げられる。 昨年発売され たクエン酸第二鉄水和物 (製品名:リオナ®錠250mg) は保存期 図3 保存期CKD患者におけるリオナ投与による血清リン濃度と尿中リン排泄量の低下 CKDにも適応を有しており、 2015年5月より長期処方が可能に 血清リン濃度 なった。 リオナは食品添加物に用いられるクエン酸第二鉄の表面 リオナ群 プラセボ群 平均値±標準偏差 (mg/dL) 積を大きくし、 溶解速度が速いという特性を有するリン吸着薬で 8 ある。そのため、消化管内で速やかに溶解し、食事由来のリン酸 7 と結合することで、 リンの消化管吸収を抑制する。 実際に保存期 CKD患者において、 リオナ投与が血清リン濃度と尿中リン排泄 9) 量を低下させることが報告されている (図3) 。 CKD-MBDにおける治療ターゲットとしての FGF23の有用性 尿中リン排泄量 600 500 6 400 5 300 4 200 3 100 2 0 観察 0 開始時 FGF23高値は、 透析患者および保存期CKD患者において生 命予後のリスクであり10,11)、 特に心不全との関連が強い12)。 また、 FGF23欠損マウスにおいては造血が亢進することが報告され リオナ群 プラセボ群 中央値/第1四分位, 第3四分位 (mg/日) 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 0 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 リオナ群(n) 57 57 57 57 56 52 47 46 57 リオナ群(n) 57 49 45 53 プラセボ群(n) 29 29 29 25 24 24 23 23 29 プラセボ群(n) 29 24 22 対象:高リン血症を呈する透析導入 前の保存期CKD患者 (CKD ステージ3∼5) 90例 方法:2∼4週間の観察期 (Wash Out 期)終了後、 リオナまた はプラセボを1日3回、食 直 後に12週間投与した。 リオナ の 投与量は1.5g /日から開 始し、 2週観察日に3g/日に 増量した。 4週観察日以降は 1.5∼6g /日の範囲で用量 を 調 節( 1回 の 増 減 量 は 1.5g /日) し、血 清リン濃 度 低 下 効 果 お よび 安 全 性 を 無作為化二重盲検法により 検討した。 26 Republished with permission of ASN, from Yokoyama K, et al.. Ferric Citrate Hydrate for the Treatment of Hyperphosphatemia in Nondialysis-Dependent CKD. Clin J Am Soc Nephrol. 2014, 9, 543-552 ており (図4) 、 FGF23高値は造血を抑制する可能性が示唆され 25(OH)D 7.5 0 80 A 60 40 eGFR Log (intact FGF23) , pg/mL Log (whole PTH) , pg/mL 0 DE 20 0 (mL/min/173m2) ( (mL/min/1.73m Phosphate, mg/dL 6 7 5 6 4 Phosphate 3 5 4 2 3) ) Log(intact FGF23) 3 1 2 0 0 80 60 B C 40 eGFR (%) 高リン血症 100 二次性副甲状腺機能亢進症 90 20 0 (mL/min/1.73m2) (mL/min/173m 対象・方法:透析導入前の日本人の外来CKD患者738例を対象とした 前向き研究 Republished with permission of ASN, from Nakano C, et al.. Combined Use of Vitamin D Status and FGF23 for Risk Stratification of Renal Outcome. Clin J Am Soc Nephrol. 2012, 7, 810-819 図5 保存期CKD患者におけるリオナ投与によるFGF23の推移 Release into bloodstream FGF23 Stimulation Inhibition リオナ群 プラセボ群 (pg/mL) Low blood oxygen 中央値/第1四分位, 第3四分位 FGF23亢進 Liver TRP異常 80 Kidney Fgf-23 deficiency 1,000 70 800 50 Increased oxygencarrying capacity Erythropoietin 40 Bloodstream 30 20 0 600 400 200 ≧90 75-89 60-74 45-59 eGFR 30-44 15-29 <15 (mL/min/1.73m2) Increased number of red cells Red bone marrow ? 対象・方法:透析導入前の保存期CKD患者 (CKDステージ1∼5) 93例を 対象とした横断的研究 Hong, YA. et al.: Clin Exp Nephrol 19(2): 208-15, 2015 Fetal liver ? Fgf-23 deficiency Coe, LM. et al.: J Biol Chem 289(14): 9795-810, 2014 © 2014 American Society for Biochemistry and Molecular Biology 対象:高リン血症を呈する透析導入 前の保存期CKD患者 (CKD ステージ3∼5) 90例 1,200 60 10 Log(whole PTH) FGF23と造血の関連(マウスモデル) Fgf-23 deficiency 患者の割合 8 図4 保存期CKD患者における腎機能と リン代謝パラメータ異常の発症患者の割合 図2 FGF23 図1 考えられる。 尿中リン排泄量 腎機能低下に伴ってFGF23が上昇し、次いで尿中リン排泄の 8) したことが示されている (図2) 。 このことから、ルーチンの臨床 血清リン濃度 し、簡便に測定できる別の指標が必要である。最近の研究で、 ている13)。 このことから、 FGF23を低下させる治療は望ましいと ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 福岡赤十字病院 副院長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 司 会 指標である尿細管リン再吸収率(%TRP)異常の頻度が上昇 0 観察 0 開始時 2 4 6 8 治療週数 10 12(週)治療 終了時 リオナ群(n) 57 57 57 52 46 57 プラセボ群(n) 29 29 25 24 23 29 方法:2∼4週間の観察期 (Wash Out 期)終了後、 リオナまた はプラセボを1日3回、食 直 後に12週間投与した。 リオナ の 投与量は1.5g /日から開 始し、 2週観察日に3g/日に 増量した。 4週観察日以降は 1.5∼6g /日の範囲で用量 を 調 節( 1回 の 増 減 量 は 1.5g /日) し、血 清リン濃 度 低 下 効 果 お よび 安 全 性 を 無作為化二重盲検法により 検討した。 Republished with permission of ASN, from Yokoyama K, et al.. Ferric Citrate Hydrate for the Treatment of Hyperphosphatemia in Nondialysis-Dependent CKD. Clin J Am Soc Nephrol. 2014, 9, 543-552 処方箋医薬品注1) **2015年5月改訂 (第4版 投与期間制限医薬品に関する情報の項削除) *2015年1月改訂 クエン酸第二鉄水和物(Ferric Citrate Hydrate)錠 和 名 一 般 名 日本標準商品分類番号 リオナ®錠 250mg Riona ®Tab. 250mg クエン酸第二鉄水和物 (Ferric Citrate Hydrate) 87219 性 状 ・ 剤 形 外 セルロース、 ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、 ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、 ヒドロキシプロ ピルセルロース、 クロスポビドン、 ステアリン酸Ca、 ヒプロメロース、酸化チタン、 タ ルク、 ポリエチレングリコール 白色のフィルムコーティング錠 2014年1月 薬 価 収 載 2014年4月 販 売 開 始 2014年5月 販 売 元 鳥居薬品株式会社 製 造 販 売 元 日本たばこ産業株式会社 The 58th Annual Meeting of the Japanese Society of Nephrology, Luncheon Seminar 19 第58回日本腎臓学会学術総会「ランチョンセミナー 19」 臨床症状・措置方法 開催日 開催 日:20 2015 15年6 年6月6 月6日 日(土) (土) 場所:名古 名古屋国 屋国際会 際会議場 第8会 会 場(2号 2号館3 館3階 会議室234) 機序・危険因子 これら薬剤の作用を減弱させるおそれが これら薬 剤と結 合 あるので、 併用する場合にはこれらの薬剤 し、吸収を減少させ るおそれがある。 の作用を観察すること。 キノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン等 テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン等 司会:平方 秀樹 先生(福岡赤十字病院 副院長) 演者:深川 雅史 先生(東海大学医学部内科学系 腎内分泌代謝内科 教授) セフジニル 抗パーキンソン剤 ベンセラジド・レボドパ等 エルトロンボパグ オラミン 経口アルミニウム製剤 注2 ) 水酸化アルミニウムゲル 合成ケイ酸アルミニウム 形 22600AMX00005000 承 認 年 月 甲状腺ホルモン剤 レボチロキシン等 有 効 成 分 クエン酸第二鉄水和物を無水物として (クエン酸第二鉄として)250mg含有 ( 1 錠 中 ) 物 承 認 番 号 薬剤名等 組成・性状 加 3年 (外箱等に表示の使用期限を参照のこと) 3. 相互作用 併用注意 (併用に注意すること) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 添 気密容器、室温保存 (「取扱い上の注意」参照) 使用期限 注1)注意−医師等の処方箋により使用すること 商品名 洋 名 貯 法 上面 他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニ クエン酸との併用に ウム濃度が上昇したとの報告があるので、 より、 吸収が促進され 同時に服用させないなど注意すること。 るとの報告がある。 側面 注2) 透析療法を受けている患者へは投与禁忌である。 サ イ ズ 識 別 コ ー ド 長径 約14.9mm、短径 約6.9mm、厚さ 約4.6mm 4. 副作用 国内における本剤の主要な臨床試験において、 801例中204例 (25.5%) に副作用が認め られた。 主な副作用は、 下痢、 便秘、 腹部不快感、 血清フェリチン増加であった。 (承認時) その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場 合は適切な処置を行うこと。 JTP 751 効能・効果 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 種類 用法・用量 通常、成人には、 クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口 投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日 6,000mgとする。 <用法・用量に関連する使用上の注意> ・本剤投与開始時又は用量変更時には、1∼2週間後に血清リン濃度の確認を行う ことが望ましい。 ・増量を行う場合は、 増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまで とし、 1週間以上の間隔をあけて行うこと。 使用上の注意 販売元 2015年8月作成 東京都中央区日本橋本町3ー4ー1 製造販売元 2%以上 2%未満 胃腸障害 下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、 腹部膨満、腹痛、十二指腸潰瘍、排便回数増 腹部不快感 (2.5%) 加、 胃腸障害、 悪心、 嘔吐、 便通不規則 臨床検査 血清フェリチン増加 (2.7%) 血中アルミニウム増加、 γ-グルタミルトランスフェ ラーゼ増加、 ヘマトクリッ ト増加、 ヘモグロビン増加 赤血球増加症、肝機能異常、食欲減退、 そう痒 症、 高血圧 その他 5. 高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に 投与すること。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦及び授乳婦には、治療上の有益性 が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [これら患者への投与に 関する安全性は確立していない。] 7. 小児等への投与 小児等に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。 8. 適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 (PTPシートの誤飲により、 硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、 更には穿孔をおこして縦隔 洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。 ) 9. その他の注意 (1)本剤の投与により便が黒色を呈することがある。 腹部のX線又はMRI検査で、本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。 (2) (3) イヌを用いた長期反復投与毒性試験において、最大臨床用量の鉄として約5倍に 相当する用量より、鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣、細胆管の 増生及び肝実質の線維化)が認められた。 これらの変化は休薬による回復性はな く、 休薬期間中に病態の進行が認められた。 *包 装 近 年、慢 性 腎 臓 病(CKD)に 伴う骨・ミネラ ル 代 謝 異 常 (CKD-MBD) において、骨細胞から分泌されるペプチドホル リオナ 錠250mg:100錠(10錠×10 PTP包装)、500錠(10錠×50 PTP包装)、1,000錠 (10錠×100 PTP包装) 雅史先生に、CKD-MBDの病態におけるFGF23の動態、 線 維 芽 細 胞 増 殖 因 子23)の 関 与 が 注 目を 集 め て い る。 血清リン濃度が上昇を来す前からの腎のリン負荷軽減の臨床 FGF23は、 リン調節系においてリン排泄の促進、 ビタミンD 的意義、治療やターゲットとしてのFGF23の可能性について 活性の抑制、副甲状腺ホルモン (PTH)の分泌・合成の制御を 最新の知見を交えて解説いただいた。 つかさどるだけでなく、心不全や鉄代謝、造血にも関与する 血清リン濃度上昇以前の早期CKDの 段階から、FGF23が上昇している 不良に繋がるとする報告は多数あり、基準値内であっても血清リン 1) 濃度が高くなるほど生命予後が悪化することが示されている 。 取扱い上の注意 アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。 さらに、腎機能とリン代謝の関係にFGF23が関与していることが 詳細は添付文書をご参照ください。 禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分にご留意ください。 わかり、その研究が進むにつれ、血清リン濃度が上昇するかなり前 資料請求先 鳥居薬品株式会社 お客様相談室 TEL 0120-316-834 FAX 0120-797-335 ® 登録商標 からリン調節系の異常が始まっていることが明らかになってきた。 CKDにおいて、 FGF23はリン負荷により分泌が亢進し、 リン排泄 IF20-1508P RIO TJ008A 本セミナーでは、CKD-MBD治療の第一人者である深川 モ ン で あ るFGF23(fibroblast growth factor 23: CKD患者を対象とした研究を中心に、高リン血症が生命予後 ® ことが報告されている。 を促進させるとともに、 活性型ビタミンD産生を低下させ、 二次性副 甲状腺機能亢進症の発症に関与すると考えられている。 FGF23は ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) (1)消化性潰瘍、 炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者[病態を悪化させるおそれが ある。] (2)ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者[病態を悪化させるおそれがある。] (3)C型慢性肝炎等の肝炎患者 [病態を悪化させるおそれがある。 ] (4) 血清フェリチン等から鉄過剰が疑われる患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがあ る。 ] (5)他の鉄含有製剤投与中の患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがある。] (6)発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。] 2. 重要な基本的注意 (1)本剤は、血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取 制限を考慮すること。 (2)本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投 与すること。血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定 頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の 発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の 投与を考慮し、 カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、 カルシウム受 容体作動薬の減量等も考慮すること。 また、 二次性副甲状腺機能亢進症の発現あ るいは悪化がみられた場合には、 活性型ビタミンD製剤、 カルシウム製剤、 カルシウム 受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。 (3)本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、 本剤の成分である鉄が一部吸収される ため、血清フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。 また、ヘモグロ ビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、 過剰造血に注意すること。 頻度 腎機能低下に伴い上昇するが 2)、注目すべきは、それが血清リン 濃度の上昇以前の早期CKDの段階から認められることである3)。 保存期CKD患者では腎機能低下に伴い、eGFR 70mL/min/ 1.73m2程度からFGF23が、次いでeGFR 50mL/min/1.73m2 程度からPTHが上昇し、 高リン血症となるのは腎機能低下がかなり 4, 5) 進行してからである (図1) 。 血清リン濃度上昇時にはFGF23による 生理的代償機構が破綻している FGF23の変化に対するリンの応答は、 CKDのステージで異なる。 腎機能正常者では、FGF23は血清リン濃度よりもリン負荷に伴う 尿中リン排泄の変化量と相関することが報告されている6)。 また、
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