平成27年6月17日(水) 3学年進路指導部だより 第4号 新潟市立万代高等学校 進路指導部 *Per aspera ad astra (ペル アスペラ アド アストラ) ラテン語で「苦難を通じて星々(栄光)へ」の意味。 部活を引退したら・・・ 体育祭が終りました。県総体もほぼ終わりました。部活を精一杯がんばったことは人生で必ずいつか役に立ちます。 本当にお疲れ様でした。あと、体育祭が終われば3年生はいよいよ自分の進路実現に向けて全力で取り組むことになり ます。努力するのは万代高校の生徒だけではありません。日本全国で同じように引退した3年生が必死で努力してきま す。決して楽な道のりではありません。覚悟をきめて頑張りましょう! スキマ時間でやる勉強と机に向かってやる勉強 「どうやったら1日に5時間とか6時間とか勉強できるんですか?」 部活に熱中していた人によくある質問ですが、そういう人にはそっくりそのまま聞き返します。 「どうやったら1日に5時間とか6時間とか部活できるの?」 練習が全部筋トレという部活がないように、受験勉強も最初から最後まで単語暗記や年号暗記だけだと飽きます。 かといって、練習が全部、試合形式という部活もまずありません。基本ができてないのに試合形式でやっても強くな らないのは当然です。基礎トレと実戦練習をうまく組み合わせるのが部活動です。 勉強も同じこと。英語の単語集や文法問題集、地歴公民の用語集、数学の小問の問題集、国語の漢字練習、古文単語 集、理科の用語集・・・これは部活で言うなら筋トレやウェイトトレーニング、フォーム練習や野球のノックのような 基礎トレーニングです。退屈かもしれませんが、これをおろそかにしては力はつきません。本来ならば、1、2年次に しっかりこの部分をやっておくべきなのですが、 部活に熱中していた人の中にはここが弱い人がいるかもしれませんね。 それとは別に、実際に大学の過去問や模擬問題を解いてみるなど、実戦形式で勉強をすることはいわば試合形式の練 習と同じです。試合形式に慣れていないと体得できない技能や、試合感覚のようなものってありますよね。試合経験の 差で大会で負けたことがある人はこのことがよくわかるはずです。受験を控えた3年生なら、絶対に避けて通れない勉 強法です。 基礎的なトレーニングはどこでもやれるのがポイントです。単語帳を持っていれば、電車やバスの中、休み 時間や昼食時間などのちょっとしたスキマの時間で行うことができます。日本中の受験生、誰しもが一日は24時間で す。どううまく24時間を使うかが合否を分ける一つのポイントですが、うまく時間を使える人はこういうスキマの時 間の使い方が上手なのです。 実戦形式の勉強はとにかく時間がかかります。例えば、過去問1年分解くだけで、それだけの時間がかかり ます。英語90分の試験を解けば、90分かかります。最初の頃は歯が立たないでしょうから、私ならたいてい、「今 度は、正解を見る前に辞書を引いたり、参考書を見ながら、全訳するつもりで自分としてベストな解答を作ってごらん」 と指導します。これをやると90分の2~3倍は必要です。確かに大変なのですが、実はそのあと、解答と解説をもら うと自分がどこが分からなかったか、どこが弱いのかがはっきりとわかるので、おすすめです。すぐに解答を見る人は 結局、「わかったつもり」で終わってしまうのに対し、自分で最後まで粘った人は解答と解説を嘗め尽くすように読み 込みます。これがまた時間がかかるのです。これだけ時間がかかるので、絶対に机に向かって、実戦と同じ ように取り組んでください。寝そべって適当にやらないように! 過去問をやって、弱点が分かったら基礎的なトレーニングを増やすのも忘れずに! 要はバランスだ! 受験科目を絞るのは得策か? 「○○が苦手なので、受験科目に○○がない大学紹介してくれませんか?」という相談もよく受けますが、下の表を 見てください。 国公立大学のセンター試験科目数 1教科 0.3% 2教科 2.4% 3教科 11.4% 4教科 6.8% 5教科以上 79.2% (2012 年ベネッセ調査) 国公立の場合、8割近くが5教科以上を要求するので、4教科以下の受験では圧倒的に選択肢が狭くなります。公立 大には3教科型が多くありますが、最初から公立狙いで科目を絞って受験すると、センターで失敗したときに行くとこ ろがなくなります。国公立は基本的にフルセットで受けるのがセオリーだと思ってください。 【典型例】 横浜市立国際総合科学部国際教養学系B方式は国・英・地歴の3教科ですが、定員はフルセットのA方式 の55名より少ない30名で激戦です。しかも、センターでボーダーに届かないと他に3教科で受けられるところがほ とんどありません。そんなわけで受験科目が似ている独立日程の新潟県立大にたくさんの受験生が集まるようになりま した。開校当時とは違い、県立大はかなり難化しています。特に英語が得点できないと合格できません。科目数 が少ないからという理由で、県立に志望を絞ると相当、苦戦します。 複数の受験方式がある某私立大学の入試結果(大学公表値) 倍率 合格者最低得点率 3教科型 3.8倍 61.9% 2教科型 5.4倍 77.3% ほんの一例ですが、たいていの私立大で同様の傾向があります。受験科目を減らすほど、競争が激しくなり、しかも 必要とされる得点率が上がってしまうのです。この大学の場合、2科目にすると各科目約8割とらなければならなくな ります。 科目数が多い場合、得意な科目で穴埋め可能なので、苦手な科目を6割程度まで上げれば対応できますが、科目数が 少ない場合はそのすべての科目で8割近く取らなければなりません。しかも失敗できません。リスクは高いと思ってい いでしょう。特定の教科に相当自信があるなら別ですが、「科目負担を減らしたいから・・・」という理由の人はズバ リ、やめた方がいいでしょう。8割とるのはかなり得意でないと難しいです。おススメは苦手教科を早めに対策するこ と。結局は王道こそ近道なのです。 以上の理由から、「科目に○○がない大学」を尋ねるのはセンター試験終わってからにしましょう。それまではあら ゆる可能性を考えて受験候補校をたくさん用意しておいてください。 とりあえず、これからの模試では、志望校記入欄は全部埋めましょう。できればいろいろな判定が出るよう に、ランクに差をつけて書くといいでしょう。せっかく判定してもらうのだから、受験料の無駄使いはしないでね!! 今回のポイント ・休み時間などスキマの時間をうまく使おう! ・大学の過去問や模試の解き直しをしっかりやろう! ・最後まで科目は絞らず、苦手教科をな
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