住まいの音に関する調査報告

NEWS RELEASE
2015年2月17日
~既婚女性500名に住まいにおける気になる音や、音のマナーについて質問~
株式会社LIXIL住宅研究所
気になるのは、自動車の走行音など51.8%!
ジーエルホームカンパニー
近隣へのマナーは、深夜まで騒がない52.8%!
住まいの音に関する調査報告
株式会社LIXIL住宅研究所
株式会社LIXIL住宅研究所(住所:東京都江東区亀戸 1-5-7/代表取締役社長:今 城幸)は、一
戸建てにお住いの全国の既婚女性500名を対象に、住まいにおける気になる音や、音のマナーなどにつ
いて、2014年12月15日から17日に調査を実施しましたので、ご報告します。
Ⅰ.調査結果の概要
◇住まいで気になる音は、自動車の走行音やブレーキなどの音
・住まいで気になる音がある人は51.8%
・「自動車の走行音やブレーキなどの音」47.1%、「駐車中の自動車のアイドリングの音」33.6%
・住まいでは、自動車に関する音が気になる事が判明
◇音が気になる時は就寝中(深夜)
・「就寝中(深夜)」33.2%、「就寝前(ベッドや布団に入った時)」32.4%
・「一日中いつでも」との回答も25.9%
◇近隣に対して必要な音のマナーは、深夜まで騒がない
・「宴会やパーティなどで深夜まで騒がない」52.8%、「車やバイクはエンジンをかけたまま(アイドリング)
にしない」52.4%、「大工仕事など音の出ることは昼間におこなう」50.4%
◇近隣から音が続いても、トラブルを避けたいから我慢する
・「近所とのトラブルを避けたいから我慢すると思う」50.6%
・「知り合いや行政を通じて間接的に伝えると思う」21.6%、「直接、伝えると思う」17.4%となり、合計し
ても、相手に伝える人は4割にも満たないことが判明
◇自宅の防音性能に満足している69.6%
・「とても満足している」15.4%、「どちらかといえば満足している」54.2%で、満足している方69.6%
・「どちらかといえば不満である」23.2%、「とても不満である」7.2%で、満足していない方30.4%
◇採用したい防音対策は、窓を防音(遮音)効果の高いものにしたい
・「二重サッシなど窓を防音(遮音)効果の高いものにしたい」35.4%、「壁材を防音(遮音)効果の高いも
のにしたい」22.6%
◇家庭内で静かにしてほしいのは、テレビや音楽の音
・「家族が見ているテレビや音楽の音」25.0%、「深夜に帰宅した家族のたてる音」16.2%
【報道関係者のお問合せ先】
㈱LIXIL住宅研究所 広報・宣伝部 担当:千明
電話:03-5626-8251 メール:[email protected]
株式会社LIXIL住宅研究所ホームページ/TOP URL:http://www.lixil-jk.co.jp
Ⅱ.調査データ
1)住まいで気になる音がある方が51.8%
お住まいで気になる音があるか質問したところ、「気になる音がある」が51.8%、「気になる音は特に
ない」48.2%となりました。
Q1.お住まいで気になる音はありますか?
ある
特にない
全体
実数
259
241
500
比率
51.8%
48.2%
100.0%
2)住まいで気になる音は、自動車の走行音やブレーキなどの音47.1%
お住まいで気になる音がある259名に、どのような音が気になるか質問したところ、「自動車の走行音
やブレーキなどの音」が47.1%、次いで「駐車中の自動車のアイドリングの音」が33.6%となり、自動
車に関する音が気になる傾向が判明しました。
Q2.お住まいでどのような音が気になりますか? (複数回答) n=259
自動車の走行音やブレーキなどの音
駐車中の自動車のアイドリングの音
近隣や隣接する住まいからの生活音
自宅における家族の生活音
近所の建築現場など工事の音
飛行機の飛行音や発着の音
電車走行時の音
近所の商業施設からの音
その他
実数
122
87
84
82
82
49
21
20
12
比率
47.1%
33.6%
32.4%
31.7%
31.7%
18.9%
8.1%
7.7%
4.6%
※お住まいで気になる
音がある方が回答
3)音が気になる時は、就寝中(深夜)が33.2%
これらの音が気になるのはどんな時か尋ねたところ、「就寝中(深夜)」が33.2%、「就寝前(ベッドや
布団に入った時)」が32.4%となりました。続いて「テレビを見たり、音楽を聴いている時」が31.7%、
「一日中いつでも」という回答も25.9%となっています。
Q3.これらの音が気になるのはどのような時ですか? (複数回答) n=259
実数
就寝中(深夜)
就寝前(ベッドや布団に入った時)
テレビを見たり、音楽を聴いている時
一日中いつでも
早朝(起床するころ)
休日の時
食事をしている時
お風呂に入っている時
トイレに入っている時
その他
86
84
82
67
61
54
30
24
18
4
比率
33.2%
32.4%
31.7%
25.9%
23.6%
20.8%
11.6%
9.3%
6.9%
1.5%
2
4)近隣に対して必要な音のマナーは、深夜まで騒がない52.8%
近隣への音のマナーとして必要だと思うことについて質問したところ、50%以上の比率では「宴会や
パーティなどで深夜まで騒がない」が52.8%、「車やバイクはエンジンをかけたまま(アイドリング)にし
ない」が52.4%、「大工仕事など音の出ることは昼間におこなう」が50.4%となりました。
Q4.近隣への音のマナーとして必要だと思うことはなんですか? (複数回答)
宴会やパーティなどで深夜まで騒がない
車やバイクはエンジンをかけたまま(アイドリング)にしない
大工仕事など音の出ることは昼間におこなう
ピアノなどの楽器の演奏は、昼間のみにする
掃除機は深夜や早朝を避けて使用する
テレビや音楽、ゲームのボリュームは大きくしない
自宅でカラオケをしない
洗濯機は深夜や早朝を避けて使用する
ペットは飼わない、または吠えないようにしつける
ドアや雨戸の開閉で大きな音はたてない
家族(夫婦や兄弟)喧嘩の時には窓を閉める
布団を干す場合、強くたたかないようにする
窓はできるだけ開けたままにしない
目覚まし時計の音を小さくする(鳴ったらすぐに止める)
お風呂場で歌わない
電話が鳴った場合は、早めに取る(着信音を小さくする)
特にない
実数
264
262
252
235
232
203
195
163
146
141
140
122
81
75
63
62
55
比率
52.8%
52.4%
50.4%
47.0%
46.4%
40.6%
39.0%
32.6%
29.2%
28.2%
28.0%
24.4%
16.2%
15.0%
12.6%
12.4%
11.0%
5)近隣から音が続いても、トラブルを避けたいから我慢する50.6%
近隣からの音が続いた場合の対応を質問したところ、「近所とのトラブルを避けたいから我慢すると思
う」が50.6%になりました。「知り合いや管理会社、行政を通じて間接的に伝えると思う」が21.6%、
「直接、伝えると思う」17.4%と合計して39.0%の方が何らかの形で伝えるとしています。また、「自
宅に防音(遮音)対策を実施すると思う」という方も9.8%いました。
Q5.近隣から音が続いた場合、あなたはどの様な対応をすると思いますか?
近所とのトラブルを避けたいから我慢すると思う
知り合いや行政を通じて間接的に伝えると思う
直接、伝えると思う
自宅に防音(遮音)対策を実施すると思う
その他
全体
実数
253
108
87
49
3
500
比率
50.6%
21.6%
17.4%
9.8%
0.6%
100.0%
6)自宅の防音性能に満足している69.6%
自宅の防音(遮音)性能に満足しているか質問したところ、「とても満足している」が15.4%、「どちら
かといえば満足している」54.2%となり、あわせて69.6%の方が満足していることが判明しました。
一方、「どちらかといえば不満である」23.2%、「とても不満である」7.2%となり、満足していない方
は30.4%となっています。
3
Q6.あなたはご自宅の防音(遮音)性能に満足していますか?
実数
とても満足している
どちらかといえば満足している
どちらかといえば不満である
とても不満である
合計
77
271
116
36
500
比率
15.4%
54.2%
23.2%
7.2%
100.0%
7)採用したい防音対策は、窓を防音(遮音)効果の高いものにしたい35.4%
自宅で採用したい防音(遮音)対策を質問したところ、「二重サッシなど窓を防音(遮音)効果の高いも
のにしたい」が35.4%、「壁材を防音(遮音)効果の高いものにしたい」が22.6%になりました。
Q7.ご自宅で採用したい防音(遮音)対策はなんですか? (複数回答)
二重サッシなど窓を防音(遮音)効果の高いものにしたい
壁材を防音(遮音)効果の高いものにしたい
二階や階段などの床材を防音(遮音)効果の高いものにしたい
玄関ドアなどを防音(遮音)効果の高いものにしたい
防音(遮音)性能の高い住まいに建替えたい
その他
防音(遮音)対策は実施しない
実数
177
113
75
72
71
1
225
比率
35.4%
22.6%
15.0%
14.4%
14.2%
0.2%
45.0%
8)家庭内で静かにしてほしいのは、テレビや音楽の音25.0%
家庭内で静かにしてほしい音について尋ねたところ、「家族が見ているテレビや音楽の音」が25.0%、
「深夜に帰宅した家族のたてる音」が16.2%、「二階(上階)を歩く家族の音」が14.0%、「家族が階
段を昇降する時の音」が13.8%、「電話や携帯電話などのしゃべり声」が11.6%でトップ5になりまし
た。
Q8.家庭内で、できたら静かにしてほしい音はなんですか? (複数回答)
家族が見ているテレビや音楽の音
深夜に帰宅した家族のたてる音
二階(上階)を歩く家族の音
家族が階段を昇降する時の音
電話や携帯電話などのしゃべり声
家族の目覚まし時計の音
家族がトイレを使う時の音
寝ている時の掃除機をかける音
エアコン室内機の動作・送風音
家族がゲームをする時の電子音
寝ている時の洗濯機の音
携帯電話の着信音やメール(SNS)などの着信音
深夜の時計の秒針の音
その他
特にない
実数
125
81
70
69
58
54
52
42
37
36
35
32
25
9
189
比率
25.0%
16.2%
14.0%
13.8%
11.6%
10.8%
10.4%
8.4%
7.4%
7.2%
7.0%
6.4%
5.0%
1.8%
37.8%
4
Ⅲ.調査概要
・対象者 既婚女性
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
100
100
100
100
100
500
・調査地域
北海道
東北地方 関東地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方
29
18
175
107
109
22
14
26
5.8%
3.6% 35.0% 21.4% 21.8%
4.4%
2.8%
5.2%
・調査時期 2014年12月15日から12月17日
・調査方法 インターネットを通じてのWEB調査
全体
500
100.0%
(参考資料)
■室外から室内へ入ってくる騒音への対策~窓~■
家の外からの音は、壁、窓、屋根から進入してきます。一般的な住宅の外壁は120〜200mmの厚み
があり、さらに中に断熱材があることで音が吸収され室内に音が伝わりにくくなっています。厚みは
変わりますが、屋根も同様に室内との間にある断熱材が音を吸収してくれます。よって気密性・断
熱性に優れた住宅は遮音性も高い住宅といえます。
それに比べ、『窓』はガラス部分が室内と室外とを隔てる最も薄い部分となり、1枚ガラスの場合
5mm程度、ペアガラスでも12mm程度しかありません。また、古い建物ですとサッシの隙間からの音
の出入りが考えられます。つまり音は窓から進入しやすいため、窓の防音対策はとても重要となる
のです。
住まいにおける『窓』には、光や風を取り入れるメリットがある反面、多くの熱や音が出入りしていま
す。昨今では、省エネルギーの取り組みから「二重サッシ」を設置するご家庭が増えていますが、こ
の二重サッシには省エネだけではなく、遮音効果もあるのです。
例えば、既存の1枚ガラスの窓(外窓=既存の窓)と、外窓に内窓「インプラス」を設置した場合を比
較すると、交通量の多い道路レベルの騒音80dbの音が、外窓のみでは55db、外窓+内窓「インプ
ラス」では40dbになり、-40dbの遮音効果を発揮します。
※窓の大きさ、タイプ、ガラスの厚み等で若干異なります。
※株式会社LIXIL「インプラス」のサイト(http://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/)参照
5
これは、
・ 二重サッシの効果により「気密性が高まった」こと
・ 外窓に内窓をプラスすることで、窓部分の厚みが増し、
音を通しにくくなったこと
により、防音効果を発揮しています。さらに防音効果を
高めたい、外窓と内窓の間の空気層をあまり確保でき
ない、などの場合は窓ガラスを厚くしたり、最近では「遮音
カーテン」というものもありますので、これを設置することで
も防音効果を上げることが出来ます。
■室外から室内へ入ってくる騒音への対策~壁~■
最初にお話しましたが、壁は厚みがあること、断熱材の効果があることにより、壁からの音の進入は
比較的少なくなります。壁自体よりもむしろ換気口や換気扇などの開口部からの進入が多くなります。
換気口の防音対策としては防音効果のある換気口部材がありますので、これに交換することで音の
進入を減らすことができます。
■室内での音対策■
生活音は、自宅室内においても発生します。最近の戸建
住宅は建物の断熱・気密性が向上しており、結果、室内
で音が響きやすくなっています。
たとえば、2階の床を歩く音、階段を登る音、扉を開け
閉めする音、モノを落としたときの音、家族が見ている
テレビの音などの生活音は気になるところです。
〈調音パネル設置イメージ〉
生活音への対策としては、ゆっくり閉まる“Wソフトモーション”を採用した室内ドア(引戸、開戸)を採
用することで、子どもの指はさみ防止効果だけでなく、ドアの開閉音を低減する対策となります。床に
ついては、遮音フローリングやカーペットを敷くだけでも効果があります。
さらに、1階天井と2階床の間に防振金具や吸音材としての断熱材を敷きこむなどの方法により、2階
の音を1階に響かせない工夫も行っています。
さらに、現代は高齢者が増加しており、加齢により聴力が低下する老人性難聴への配慮も必要とな
ってくると考えられます。これに対し弊社では、室内の音の響きに対して「調音パネル(YAMAHA
製)」を設置することで不快な室内音を解消し、必要な音や声を聞き取りやすくするための実証実験
を行っています。
■室外での音対策■
生活音は、自宅室内から外へ、外から自宅室内へのルートだけではなく、自宅外から近隣へ影響を
及ぼしている可能性もあります。例えば、給湯器が稼動時に発生する音が気になる、エアコンの室
外機がうるさい、入浴時の音が隣近所に響く、ということで近隣トラブルになる可能性もあります。こ
の場合、住まい手側で出来ることとしては、近隣へ配慮して設備機器の設置場所を決めること、近
隣の間取りを考慮した設計配慮が重要となります。
以上
6