№79 平成27年3月9日 【発行】 豊橋市立栄小学校 校長室 [email protected] 振り返り 「おめでとう」 「ありがとう」「さようなら」 そんな言葉を口にするたびに どきっとするのは 私だけでしょうか その言葉に値するだけのことを 本当にできたのか と 「先生、娘の成績が違っていませんか?」 通知表を見た親からの苦情電話だった。確認 してみると、確かに違う。明らかにパソコン処 理上のミスである。すぐに謝罪して事なきを得 今週1週間が終われば、3月も半分が終わってしま うことになります。毎年のことながら、 「去る3月」を たが、氷山の一角か……。思い出しても冷や汗 が出る。 実感してしまいます。6年生はいよいよあと2週間を 年度末の成績処理は、教員の業務の一つとは 残すだけ、1年生から5年生にとっても、残された日々 いえ、なかなか手ごわい。以前のように一クラ は、6年生の日数プラス二日となりました。 スが四十五人や四十二人ではなくなったが、一 この時期は、年度末のまとめをし、新年度の準備を 人の教師が四十人の子どもを評価し、その記録 進めるだけでなく、成績処理に追われる時期でもあり を残すことは大仕事である。以前は、テスト結 ます。今ではそのほとんどをパソコン上で済ませるこ 果や授業への取り組みをもとに子どもの名前を とができるようになりました。成績処理だけでなく、 一人一人書き並べ、子どもたちの位置関係を眺 子どもたちに渡す通知表もパソコンからの打ち出しで めた。すると、予想外の位置に留まっている子 すよね。 どもが目に留まる。授業で活躍しているのにテ 私が新卒の頃、まだパソコンはありませんでした。 ストの点が伸びない子、テスト結果は良いが提 テストの集計をするにも電卓頼みです。中にはそろば 出物が出せず、点が伸びない子にも気づく。そ んで、文字通り成績を“はじき出して”いたかたもい ういった子どもが見つかるたびに、自分がどう らっしゃいました。今では到底考えられないことです。 関わったのかを振り返り、少し憂鬱にもなった。 通知表は今とは全く書式が異なり、教科ごとに所見を 評価は、子どもたちの学習や生活の中の成果 記入する欄がありました。それにプラスして学習の総 や不十分さを見つけ出し、次の指導のあり方を 合所見、生活の所見、特別活動の記録と、書くところ 考えることである。と同時に、教師自身が指導 だらけでした。もちろんパソコンの打ち出しではなく、 力向上の必要性を再確認する場でもある。今で 手書きです。書く作業だけをとってみても、今の3倍 はコンピュータを利用することが多く、この評 の時間は優にかかったと思います。学期末・学年末は、 価がつい作業的になっていないだろうかと危惧 夜遅くまで仕事をしていて、空が白み始めてしまった するのは、自分だけだろうか。 なんてことはしょっちゅうのことでした。 パソコンの普及によって成績処理にかかる労力も時 間も大幅に縮減され、効率的に仕事が進められるよう になりました。でも、効率を優先させすぎたり、機械 的になったりしてはいないでしょうか。そうならない よう心のこもった通知表作成をお願いします。 「教育羅針盤」第一集より
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