123 九州大学検査部の治験への関わり ◎西岡 祥子 1)、堀田 多恵子 1) 国立大学法人 九州大学病院 1) 【はじめに】治験業務は難病や癌にたいして新薬の開発や 1325 名と約 2.3 倍となった。また検査前検体処理数は 人工心臓などの医療機器の開発のためになくてはならない 2012 年 1554 件、2013 年 1795 件、2014 年は 3488 件と大幅 ものになっている。当院ではまだ CRC としての臨床検査技 な増加となった。生理検査でも心電図の依頼件数は院内検 師はいないが、検査部において院内検査(オーダリング) 査 2013 年 166 件、2014 年は 390 件、持ち込みは 2013 年 や治験の検査前手順に沿った検体分離処理(検査前処理検 103 件、2014 年 169 件だった。業者依頼数も 2013 年 70 件、 体)や生理検査に従事している。 2014 年 59 件。医師主導は 2013 年 3 件、2014 年は 6 件、医 【経 緯】治験業務との関わりは院内検査の他に、主に 療機器の治験も 6 件だった。1 患者の検体処理数は増加し、 PK(薬物動態検査)や海外に提出する検査の検査前の迅速 逸脱は 10 件である。検体保存にインシデントが発生したこ 検体処理、生理検査の院内機器(オーダイング)での心電 とより、2013 年 9 月に新しく「治験検体処理記録」を作成 図・肺機能の他に持込みの心電図・肺機能機器による検査 し詳細に記録を残すようにした。 も行っている。そのほか 2006 年 7 月より事前ヒヤリングに 【考察】逸脱が起こるたび検査部内で部員に周知を行って 参加し、検査(検体系・生理検査)について治験依頼者・ いる。「治験検体処理記録」を残すことで、ミスの起きや CRC ・検査部との調整も開始した。また 2013 年より尿一 すいポイントを整理し、担当者に注意を促すことにした。 般検査では検査手順に沿った検査の結果入力も開始した。 医師主導型の臨床研究も増え、時間外の対応も必要とされ 増加する迅速検体処理の依頼に対応するため、本格的に検 記録に残すことで、検査部側だけではなく臨床側の逸脱も 査部内に検査前処理を行う部署を設置した。 予防できるようになった。2015 年 6 月より検査部より 【状況と問題点】CRC からの迅速検体処理予定表が提出さ CRC が 1 名従事することになり一層の治験との関わりがス れた 2008 年の来院患者数はのべ 577 名、2014 年はのべ ムーズに行えると考える。 連絡先:092-642-5742
© Copyright 2024 ExpyDoc