「コモロ連合月報」は,現地新聞報道を当館限りでまとめたものです。記事中の客観事実は,日本政府やコモロ政 府の公式見解と異なる場合がありますが,当館では文責は負いかねますのでご了承下さい。 コモロ連合月報(2016年11月) 主な出来事 【内政】 ●2016年マイヨット島国民の日が開催され,仏による併合を非難(14日) 【外政】 ●12月にオマーン・コモロ会議を開催すべく大統領がオマーン代表団と会談(9日) ●第15回中国語・中華文化コンクール「チャイニーズ・ブリッジ」 (10月北京)にコモ ロ人が参加(11日) 【経済・経済協力】 ●エル・マールーフ病院内母子医療センター建設計画を中断(15日) ●発電量を25MW増加すべく発電機9機が到着(18日及び30日) 【内政】 ●CRC 党内部対立 アザリ大統領が所属する CRC 党(コモロ再生会議)内部では,同大統領とハミドゥ・カリラ対ア ラブ世界協力担当閣外大臣(元 CRC 事務局長)が対立している。同閣外大臣が Radhi 党(以前 CRC 党と対立関係)の有力人物,アブドゥ・スエフォ及び同党事務局長代理を大統領に協議させ ることなく入閣させようとしていることが対立の原因にあるといわれている。アザリ大統領側に は,マウラナ・シャリフ国民議会副議長及びイダルーシー・ハマディ内閣官房長が支持基盤を堅 めている。 (2日付 Al-Watwan) ●エチオピア航空パリ・モロニ便が初運航 2日,エチオピア航空のパリ・モロニ間定期航路が就航し,第一便が運航された。200人乗り の機体は,アブダラ運輸担当副大統領を含む72名を乗せて出発した。 (3日付 Al-Watwan) ●タキ元大統領18年回忌 6日,グランドコモロ島ムベニにて,モハメド・タキ元大統領の18回忌式典が開催され,アザ リ大統領,連合議会議長,ムスタドロイン農業担当副大統領,モハメド外務大臣を始め多くの要 人が参列した。 (8日付 Al-Watwan) ●コモロ民主連合内部対立,調停による解決へ コモロ民主連合(RDC)内部の対立を巡り,9日,モロニ裁判所で行われた調停のための話し合 いの結果,裁判官より同党の責任者に対し3か月の調停期間の仮処分が宣告された。そのため, 週末にモロニで開催が予定されていた全国党大会は中止された。 (10日付 Al-Watwan) 「コモロ連合月報」は,現地新聞報道を当館限りでまとめたものです。記事中の客観事実は,日本政府やコモロ政 府の公式見解と異なる場合がありますが,当館では文責は負いかねますのでご了承下さい。 ●2016年マイヨット島国民の日 12日,連合議会人民宮殿にて,2016年マイヨット(コモロ名:マオリ)島国民の日が開催 された。アリ・ムラハイリ元駐フランス・コモロ大使は,コモロ連合の歴史を画した日付,すな わち,フランスとからの独立達成に関する協定を締結した1973年6月15日,独立宣言をし た1975年7月6日,コモロが4島から構成された独立国家として国連に加盟した同年11月 12日,に言及した。モハメド外務大臣は,コモロの国連加盟以来,国連の場で採択されてきた いくつかの総会決議を取り上げ,これらの決議に反し,仏は海外領土から海外圏に格上げして自 国に併合したとして批判した。(14日付 Al-Watwan) ●マイヨット島委員会会長の発言が波紋 12日に開催された2016年マイヨット島国民の日における,アブドゥ・エラニウ・マイヨッ ト島委員会会長の発言に対し,政府及び世論より,受け入れられないとの非難の声が上がってい る。同会長は,マイヨット島領有権の問題は,イスラム教徒の島を西洋人が不法占拠した構図に なっているため,イラク・レバントのイスラム国家勢力(ダーイシュ)を同島に呼び込む恐れが ある,と発言した。内務大臣は,同問題の解決策としてイスラム国家に言及するのは遺憾である として非難した。 (18日付 Al-Watwan) ●連合議会空転の予兆? 連合議会の野党は,今年4月から任期の切れている議会現執行部の刷新を要求するコミュニケを 発表した。執行部の続投は不正であり,議員及び議会を代表しているとは言えない,として,新 執行部選挙を拒否する連合議会議長に対し非難の矛先を向けている。(30日付 Al-Watwan) 【外政】 ●国防軍参謀長がカタールを訪問 コモロ連合とカタールの二国間友好関係強化の一環として,国防軍の機動能力を強化にする方法 につき協議する目的で,国防軍参謀長がカタールを訪問した。同参謀長は,10月23日にもカ タールの国軍参謀長を訪問している。(1日付 Al-Watwan) ●12月にオマーン・コモロ会議を開催 5日,アザリ大統領は,12月6-8日にコモロにて開催予定のオマーン・コモロ会議の準備の ため当地訪問中のオマーン代表団と会談を行った。代表団は,二国間の歴史的,文化的,政治的 関係を強化する目的で開催される同会議開会式の司会を依頼する書簡を大統領に公式に手交し た。 (9日付 Al-Watwan) ●第15回中国語・中華文化コンクール「チャイニーズ・ブリッジ」が10月北京にて開催 「コモロ連合月報」は,現地新聞報道を当館限りでまとめたものです。記事中の客観事実は,日本政府やコモロ政 府の公式見解と異なる場合がありますが,当館では文責は負いかねますのでご了承下さい。 10月北京にて,中国政府中国語促進局が主催する第15回中国語・中華文化コンクール「チャ イニーズ・ブリッジ」が開催され,コモロ大学孔子学園の学生二名が参加した。同コンクールは 2002年から開催されており,第15回となる今回は60以上の国から5万名以上の学生が参 加し,数百名がコンクールの最終審査に参加すべく中国に渡航した。 (11日付 Al-Watwan) ●2008年―2016年の間に無国籍者44,070名にコモロ国籍付与 8日,連合議会における質疑応答で,ファミ国務大臣(司法大臣)は,2008年に開始された 湾岸地域出身の無国籍者へのコモロ国籍付与措置について,2011年から法律上の手続きが無 視されるようになり,旧政権下では大統領令のみで数百人もの無国籍者にコモロ国籍を与えてい たと嘆いた。2008年―2016年の間に,計44,070名の無国籍者にコモロ国籍が付与 されたという。同大臣は,早急に監査を実施し不法に国籍を取得した者を追放し,その後国籍付 与措置の継続の可否について検討するとしている。(14日付 Al-Watwan) ●アザリ大統領,行動のためのアフリカサミットへ参加 16日,モロッコのマラケシュで開催されているCOP22のサイドイベントとして,モロッコ 国王ムハンマド6世のイニシアティブにより,行動のためのアフリカサミットが開催された。ア ザリ大統領を含む30以上のアフリカの国の元首が参加し,アフリカの国々の権益を守るための 共通ビジョン,とりわけ資金融資や技術移転について協議が行われた。(22日付 Al-Watwan) 【経済・経済協力】 ●財務・予算大臣が行動計画を採択 1日,サイード財務・予算大臣や財務・予算省次官,関係者が作業部会を開き,今後同省の方針 となる行動計画を採択した。同行動計画は,国内歳入を800億コモロフラン(約1.6億ユー ロ)まで引き上げ,公的支出を今年 比4割減に削減することを目標にしている。(2日付 Africatime 紙) ●アラブ社会開発基金が電力供給関係設備を寄付 5日,コモロ水・電気供給局(Ma-Mwe)は,アラブ社会開発基金(Fades)から,当地に おいて深刻な問題となっている停電を防止するための電力供給関係設備が寄付されたと発表し た。 (8日付 Africatime 紙) ●エル・マールーフ病院内母子医療センター建設計画を中断 コモロ政府は,フランス開発庁による無償資金協力「国立エル・マールーフ病院内の母子医療セ ンター建設計画」の実施を中止した。予定ベッド数が,当初予定されていた60から40に減ら されたことを理由としている。(15日付 Al-Watwan) 24日,ロビー・ジュード駐コモロ・フランス大使が大使館に記者会見を開き,コモロ政府の理 「コモロ連合月報」は,現地新聞報道を当館限りでまとめたものです。記事中の客観事実は,日本政府やコモロ政 府の公式見解と異なる場合がありますが,当館では文責は負いかねますのでご了承下さい。 解の不足による一方的な本計画の中断につき説明し,コモロ政府のドナー側への協力の欠如を嘆 いた。本計画は2012年から4年にわたり検討されてきたもので,政治家,医者,技術者,管 理者全ての合意を取り付けていたものであり,建設会社の入札終了3日前になって,突然ムッサ 保健大臣のプレス・リリースにより中断を知らされた由。 (25日付 Al-Watwan) ●発電機4機が到着 18日, (25メガワットの発電増加を目的とした契約に基づき)待望の発電機9機中4機がコ モロに到着した。 (当館注:電力供給の向上は大統領選挙戦中からの公約であり,10月に salama international trading 社と結んだ契約を解約したものの,新しく Caterpillar-France 社と結 び直した模様。 )コモロ水・電気供給局(Ma-Mwe)長官によると,発電機は稼働可能とな るまでかなりの時間がかかり,Caterpillar-France 社の技術者の到着を待たないと電力供給開 始の時期はわからないとのこと。(21日付 Al-Watwan) ●モヘリ島農家へ農業機具を供与 19日,ジャファール経済担当副大統領は,当地UNDP駐在事務所トップと共に,モヘリ島を 訪問し,丁子,バニラ,イランイラン農家への農業機具供与式に出席した。本供与は,国連を含 む 様 々 な ド ナ ー の 支 援 で 実 施 さ れ て い る 輸 出 競 争 力 向 上 計 画 の 一 環 で あ る 。( 2 3 日 付 Al-Watwan) ●農業技術協力・資金援助協定署名式 24日,ムスタドロイン農業担当副大統領とパトリック・タラ世界食糧機関(FAO)インド洋 地域事務所代表は,モロニ市内のホテルにて技術協力・資金援助協定に署名した。養鶏農家経営 向上及び農林業部門成長のための国家戦略策定支援を目的とする2つの協定は,2018年9月 を完了期限としており,2件の総額は3億コモロフラン(約60万ユーロ)に上る。 (25日付 Al-Watwan) ●発電装置5機が到着 29日,コモロ水・電気供給局(Ma-Mwe)の発電量増加のための発電機に関し,18日到 着した4機に続き,新たに発電機5機が到着し,予定されていた必要機材が全て揃った。ユース フ・モハメド・アリー大統領府官房長によれば,政府は12月末には稼働を開始する意向との由。 (30日付 Al-Watwan)
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