ここが知りたい!新規制基準Q&A Q 「特定重大事故等対処施設」は、どんなもの? A 故意による大型航空機の衝突やその他のテロリズムなどを想定して、 原子力発電所の安全を確保するための施設です。 「特定重大事故等対処施設」は、大型航空機の衝突やその他のテロリズムなどがあっても、放射性物 質の異常な放出を抑えるために必要な設備を備えます。 新規制基準では、テロリズムによって原子炉を冷やせなくなり、炉心の著しい損傷が発生するおそれ がある場合、または発生した場合でも、 この施設で原子炉格納容器の破損による外部への放射性物質 の異常な放出を抑制することを求めています。 施設内には、事故時に放射性物質を減らしたうえで排気を行い、格納容器の圧力を下げる「フィルタ 付きベント」が備えられます。また、原子炉内の圧力を遠隔操作で下げる設備、緊急時の制御室、炉心や 格納容器への注水ポンプ、発電機などが整えられます。さらに、施設を設置する場所は、原子炉建屋と同 時に破損することを防ぐために必要な離隔距離(例えば100m以上)を確保すること等とされ、外部から の支援が受けられるまで少なくとも7日間は、機能を保持することが求められています。 この施設は、送水車などの可搬型設備による安全対策をバックアップする施設であることから、新規 制基準施行後5年間は適用が猶予され、2018年7月7日までに設けることとされています。 原子力規制委員会は2014年9月17日に審査ガイドを決定しました。 これを受け同年12月に、 東京電力が柏崎刈羽原子力発電所1、6、7号機について、電源開発が大間原子力発電所について、関西 電力が高浜発電所3、4号機について、設備の概要や設計方針、耐震・耐津波対策などをまとめた原子炉 設置変更許可を申請しました。 これらに対する審査会合は、2015年1月20日から行われています。 ■特定重大事故等対処施設の一つのイメージ 特定重大事故等対処施設 減圧操作設備 原子炉 建 屋 例えば 100m 緊急時制御室 電源設備 注水設備 原子炉 水 源 フィルタ付きベント C o p yri g h tⓒ 2 0 1 4 日本原子力文化振興財団 (2 0 1 5 年6月2 3日掲載)
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