ここが知りたい!新規制基準Q&A Q 原子力発電所の運転期間が「原則40年、延長も可能」と なったけど、延長して安全性は大丈夫? A 従来から「高経年化対策」による機器の交換などが行われており、 さらに運転期間を延長するには、厳しい審査に合格する必要があります。 ◆従来から行われている「高経年化対策」◆ 原子力発電所で使用している機器や材料は、必要なメンテナンスを行わないと、時間の経過とともに 機能や品質が低下します。 このため事業者では、従来から、発電所全体として必要な機能や性能を維持 できるよう、最新の設備や機器に取り替えるなどの対策を講じています。蒸気発生器や炉心構造物といった 大型の設備を新品と交換している発電所もあります。 こうした対策を「高経年化対策」 といいます。 法律では、運転開始から30年が経つ原子力発電所に対して、以降10年ごとに機器などの技術 評価を行い、長期保守管理方針を策定することを義務づけ、事業者はこれを保全計画※に反映しています。 ◆新たに導入された「運転期間延長認可制度」◆ 福島第一原子力発電所の事故を受けて2012年に改正された原子炉等規制法によって、 「運転期間 延長認可制度」が導入されました。 これは、原子炉を運転することができる期間を40年とし、その満了ま でに原子力規制委員会の認可を受けた場合には、1回に限り最大20年延長することを認める制度です。 事業者は、まず新規制基準で定められた特別点検を実施します。 これは、原子炉容器や格納容器に傷 や腐食がないかどうかなど、重要施設の状況を詳しく調べる点検です。 この点検をしたうえで、事業者は 原子力規制委員会へ申請を行い、長期間の運転に問題がないかどうかの審査を受けます。 2015年4月30日に、全国で初めて、関西電力が高浜発電所1、2号機の運転期間延長について 原子力規制委員会への申請を行っています。 ※施設の定期検査の申請時に提出する点検等の方法、実施頻度・時期の計画 ■高経年化対策制度と運転期間延長認可制度 〈高経年化対策制度〉 高経年化技術評価、 長期保守管理方針の 審査 認可 申請 保安規定変更 ※ 認可 申請 保安規定変更 ※ 高経年化技術評価、 長期保守管理方針の 審査 ※以降、10年ごとに審査 保 安 検 査 等で事 業 者の高 経 年 化 対 策の実 施 状 況を確 認 特別点検結果、 延長期間の劣化評価、 保守管理方針を審査 認可 運転開始後30年 申請 〈運転期間延長認可制度〉 ---- 運転開始後40年 出典:原子力規制委員会資料 C o p yri g h tⓒ 2 0 1 4 日本原子力文化振興財団 (2 0 1 5 年6月2 3日掲載)
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