むし歯にならないための食習慣:唾液は歯の守り役

歯科衛生士による 歯の健康のためのミニ講座
【 その3 の巻 】
むし歯にならないための食習慣について:唾液はあなたの歯の守り役
歯に着いているプラーク(歯垢)の中にいる むし歯菌 は、お菓
さらにしばらく時間が経つと、今度は唾液の緩衝能によりプラー
子や甘い飲み物などに含まれる糖分を栄養源として取り込み、そ
クの中の酸は中和されて徐々に中性になります。脱灰されて溶け
れを消化分解して 酸 を作りだして放出します。
た歯も再石灰化され、もとどおりに修復されていくのです。
つまりプラークの中にいるむし歯菌は、糖分を食べて、酸のウン
チをするとイメージしてください。
このむし歯菌が作り出した酸により、プラークの中は酸性にな
ります。酸性になったプラークは、歯の表面の石灰化成分を溶か
していきます。この歯の表面の石灰化成分が酸で溶ける現象を専
門用語で 脱灰(だっかい)といいます。
むし歯 は、歯の石灰化成分が酸によって溶けて、脱灰(だっ
かい)し続けた結果なのです。
上の図は、頻繁に間食やおやつを食べている食生活をしている場
しかし歯は 脱灰(だっかい) でどんどん溶け続けてしまう
合のグラフです。
わけではありません。唾液には酸を中和するにする力、つまり酸
間食やおやつの頻度が多かったり、テレビを見ながら、勉強しな
性を中性にする力(唾液の緩衝能)があるのです。
がらのお菓子やジュース類などのだらだら飲み食いしていると、
さらに酸によって溶け出した石灰化成分を再び石灰化(再石灰
上のグラフの様にプラークの中は常に臨界点以下の酸性になっ
化)するすごい力もあるのです。
ている状態になります。つまり歯が常に溶けている状態が長い時
これらの2つの唾液の働きによって、酸性になったプラークは中
間続いてしまうのです。
和され、一度は脱灰した歯も再び再石灰化されて修復されるので
こうなりますと歯は溶ける一方になり、歯が再石灰化する時間
す。この様に唾液は、歯を守るための大変重要な役割をしている
も無くなってしまいます。非常にむし歯になりやすい危険な食生
のです。
活と言えるでしょう。では むし歯にしないためには、どの様な
食生活にすればよいのでしょうか?
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間食が多いならば間食の回数を出来るだけ減らす。
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甘い飲み物も要注意。歯が脱灰するのは変わりません。
ジュースなどの甘い飲み物を頻繁に飲む習慣があるのなら
ば、水やお茶、ウーロン茶、麦茶などに変えましょう。
↓脱 灰

間食するならば決まった時間にするようにして、だらだら
長い時間食べ続けない。
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上の図は、プラーク中の ph が糖分を含んだ飲食によりどの様に
キシリトールガムなどの活用。キシリトールはむし歯菌の
エサにならないので、酸もでません。
変化するかを時間を追って表したグラフです。

飲食後はなるべく早く歯磨きをしましょう。
ph=7 が中性で、これより数値が下がるとプラークが酸性の領域

寝ている間は口の中の唾液の流れが弱いので、寝る前の飲
にあることを示します。
食は最も危険です。夜寝る前の飲食はやめましょう。
糖分を含んだ飲食をすると、プラーク中のむし歯菌はすぐに糖分
を分解して酸を出します。プラーク中の ph はどんどん酸性にな
以上の点を注意した食生活を心掛けていただくだけでも、むし歯
っていきます。そしてグラフの横線で示した臨界点以下になると、
は効果的に予防できます。毎日の生活の中で少しずつでも取り組
歯の脱灰が始まり歯が溶け始め、しばらく歯が溶け続けます。
んで見てください。
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