特別支援教育に期待する

特呂J支援教育に期待する
「
子 どもを理 解す る」あるい は 「
子 どもとともに歩む」とい う言葉 を、私 たちはよ く使 い ますが 、
今 日真 の意味 で この言葉 が生か されて い るで しょ うか。
子 どもは 、各人 がそれぞれ の特性 を持 つて発達 して い ます。 このそれぞれ の子 どもの特性 を理解
し、 ともに歩むためには 、私 たちは一 人一 人 の子 どもの実態 を正 しく把握 し、それぞれ の子 どもの
立場 に立 った発達支援 を行 うだ、
要 が あ ります。
文部科学省 は 、平成 1 5 年3 月 「
今後 の特別 支援教育 の在 り方 につい て ( 最終報告) 」を発表 しま
した。そ こでは 、基本的方 向 と取組 として 「
障害 の柱度等 に応 じ特別 の場 で指導 を行 う 『特殊教育』
一
一
か ら障害 の ある児童生徒 人 人 の教育的 ニー ズ に応 じて適切 な教育的支援 を行 う『特別支援教育 』
へ の転換 を図 る」 と述 べ て い ます。 また 、 「
特別支援教育 とは 、従来 の特殊教育 の対象 の 障害 だ け
で な く、 L D 、 A D H D 、
高機 能 自閉症 を含 めて障害 の ある児童生徒 の 自立や社会参加 に向けて 、
そ の一 人一 人 の教育的 ニー ズ を把握 して 、そ の持 て る力 を高め、生活や学 習上 の 困難 を改 善又 は克
服す るために、適切 な教 育や指導 を通 じて必 要な支援 を行 うもの で ある」 と説 明 して い ます。
この こ とは、従来 の 「
障害 の種類や程度 に対応 して教育 の場 を整備 し、 そ こで きめ細や か な教育
を効果的 に行 う」 とい う視点 で展開 されてきた特殊教育 ( 障害児教育) か ら、今後 は 「
障害 の ある
児童生徒 の視点 に立 って一 人 一 人 のニ ー ズ を把握 して必 要 な教育的支援 を行 う」 とい う特別支援教
育 の基本的 な考 え方 にシ フ トす る とい う意味 です。 中 には 「
特別支援教育は、 L D 、 A D H D 、
高
機能 自閉症 の子 どもの ための ものだ」と考 えて い る人 がいます が 、それ は大 きな誤 りです。確 かに、
LD、 ADHD、
高機能 自閉症 へ の支援 の在 り方 の研究 が特別支援教育 とい う考 え方 の契機 にな つ
て い ます が 、そ の 内容及 び求 めるところは、障害 の あるす べ て の子 どもたちに対す る教育 の基本 で
あ ります。
私たちは、平成 1 5 ・1 6 年度 に特別支援教育推進体制 モ デル 事業 として 、一 人 一 人 の子 どもの教育
的 ニー ズ を把握 し適切 な教育的支援 を行 うとい う基本的な視点 に立 って 、モデ ル 事業 の指定地域 を
中心 に実践 を進 めて きま した。本 冊子 は、そ の経験 をもとに した 、 よ り良き特別支援教育 を推進す
るためのガイ ドブ ックです。
子 どもは 、それぞれ 固有 の方法 で 、 もの を見、聞 き、それ に意味 づ け し ( 認知 し) 、 コ ミュニ ケ
ー シ ョン を してい ます 一 人一 人 の子 どもの ニー ズ とは この子 どもの 知 の
。
、
認
特性 か ら生まれ るも
の で あ り、 この認 知特性 を知 り、それ に合 わせ た教育的支援 を行 うこ とが最 も大切 です。 「
多 くの
子 どもは こ うだ か ら」「
障害 の種類 が こ うだか ら」「
発達 の柱度 は こ うだ か ら」とい うこ とではな く、
この子 は こ うい う特性 ( 認知特性) が あるの だか らとい う視点 で 、 「
子 どもを理 解 し、子 ども とと
もに歩む」 よ うに して い きた い ものです。
現場 の先生方 が 、特別支援教育 の基本的な考 え方 をよ り深 く理解 して 、子 どもの立場 に立 つ とい
う視点 か ら一 人 一 人 の子 どもの エー ズ に応 じた教育 を実践 され 、子 どもたちの ためによ り適切な発
達援助 を され る こ とを期待 して い ます。
特別支援教育推 進体制 モデル 事業調査研究運営会議
委 員長
-2-
友
久 久
雄