7,自 然体験 がつ くる生きる力 自然体験 がつ くる生 きる力 Nヒ トの大脳 の発達 と子 どもの体験・ 体感の重要性 ∼ 千葉県立中央博物館・生物多様性センター 議会′ 1999)自 然体験 の希薄な子 どもは道徳観・ 正義 感が衰退 してい くばか りか,地 域の 自然環 境の後退 は は じめに か つ て子 どもたち は野山で遊 び ,そ の なかで 自然 や命 に つい て学び成 長 してき ま した しか し,最 近 は 子 どもの身体及び精神 の健康を損ねる傾向 も示されて います 子 どものサンマ (三 間 )が 足 りな い と言われ ,遊 びの「時 中間」 が失われて きて います その結果′ 間」「空間」「イ このような ADHDを は じめ現代 の子 どもたちの精神 的な異 常事態 に対 し, リチ ヤー ド・ ル ー プ (2006)は 自然 とのかかわ りが欠損 したため と し「 自然欠損障害 家 の中でテ レビや コン ピ ユー タ ー ゲ ーム で遊ぶ時 間が 増 え′子 ども の ライ フス タイル は大 き く変わ つていま の言葉 と共 に,子 どもの成 長において自然にふれ る ことの重要性 を述べています (nature― dendt disOrder)」 しか し子 どもの遊 びでの 自然 や命 との体験・体感 は 発達心 理学や脳科学 の視点か らも子 ども の生 きる力 を す 中村 俊 彦 , 育 むため に必要不可欠 な ものであ る ことがわか つてき ました [■ キ■にある ■ ● 工 ● 感] ●Iに ある ,常 にある 自 ..に ある 熱 体 ョ 少しヽ6 ` ι ま り な あ ●■ ヽ 11_14 [1ロ ミ ゛ ヽ Nヽ 渕 `0 子どもの 自然体験と遭徳観・正 ●感 2。 自然欠損障害の脳へ の影響 近年の子 どもは,家 の中でのテ レビや コンピユー ター ゲームの遊びが多 いものの ,子 どもが遊びたい場所 は , 森林や海′川沼な どであ り,子 どもたちは 自然や生き 物とのふれ合 いを求めている状況です 1。 自然 とのかかわ りのなかで進化 を遂 げた動物の一種 の ヒ トですが′そ の成長 においても 自然 とのかかわ り 日本の子 どもの心の問題と自然環境 は必要不可欠です 豊 かで平和 な 日本 ですが′ 日本の子 どもたちは他 の したが つて子 どもの 自然欠損 はス 国 に比 べ 孤独感が極 めて大き い との調査結 果があ りま す (UNICEF,2007)そ して子 どもの学習面や行動面で は′ 最近 の研究では,児 童のス トレスは大脳 皮質 の容量な ど脳に様 々な影響を及ぼ して い る ことが ADHD(注 意欠陥多動性障害)や LD(学 習障害)が 増え′ 合 )が そ 最近では児童 の 60/0以 上 (約 16人 に 1人 の害」 確認されています トレスです 現代の 化 の影響 は脳へ も影響 し′過度のゲー ム依 「 存の人の脳波は,認 知症の人の脳波 に類似 する ことが の ような状況 とい うことです 近年′少年犯罪 が増加 しています 知 られ,ま たは′幼児か ら中学生までの約束 ごとの理 子 どもの道徳観・ (GO/NO GO課 題 )か ら大脳の活 正義感 は生活体験 お よび 自然体験 の豊 富さ と高い相関 解 とその認識の反応 関係 があ る ことが示 され て い ます (文 部省生涯 学習審 動 についての実験調査をお こない 1969年 の子どもに比 ︵ 2 べ,テ レビやテ レビゲームが普及 した 1979年 の結果で ダンゴムシ世代′ザ リガ ニ世代′カブ トムシ世代 と生物・ は不活性型の子 どもが 多 く,脳 の発達が遅れているこ 生命 とのかか わ りが 自然観・ 生命観 を育み ,外 界認識の とを指摘 した研究もあ ります 力 を養 い ます 3.脳 科学からみた 自然体験の重要性 会 へ の 「環境適応 Jの 力が養われ ます そ して 自立 しつつ も他 の 人や環境 に 適応 す る力 ,す なわ ち 自然及び他人 とのかか わ りを通 じて社 他の動物 と比べ 大脳の発達が著 しい ヒ トですが ,大 自然の中での 子 どもたちの遊 びは ,互 いの 助 け合 い や 脳皮質の神 経細胞の数は平均で 140億 個 とされてい ま 分かち合いを育み ます 学校 ビオ トー プの効果 と して ,「 子 どもがや さ しくな った」 と言 つた状 況も報告 され てい ま す。その数は出生直後が最大で,そ の後は減少 します また神 経細胞同士の連結部位のシナ ップス も 1∼ 3才 す ぐらいが ピー クであ り,そ の後は漸減するこ とが明 ら かにな って い ます 「三つ子の魂百 までも」 と言われ おわ りに , その 時期の体 験・ 体感が重 要 と言われ てきま したが′ 森林 の すがすが しい空 気 にひ た り,ま た樹木か らの 芳 香性物質 の 効果 に対 し「森林浴」 の 言葉 も用 い られ ′子 乳児期・ 幼児期に使われることの なか った神経 細胞 と シナ ップス は,不 必要か つ無駄 と して削除されて しま どもの 保 育や学習 ,さ らに 高齢者の 健康維持 ′ また認知 うのです 症 や知 的 障害者 に も 大 きな 効果 が認 め られ「 森林療 法」 この ように子 どもの時期は,脳 神経 とそのネ ッ トワー また 「森林療育Jと よばれ るようにな って い ます クを整備する時期であ り,自 然体験 による五感刺激は 多 くの感 動 とともに感性 を磨 き健全 な 自然観・ 生命観 , 脳の発達にとっても必要不可欠なものと言えます を培 う子 どもの 自然体験 の 重要性 を理 解 し′ 子 どもがお シ ナフ ス餞 ︱ ד 神 経● 口” il i もい っき り自然 に遊 び学ん で生命 (い の ち)を 体 感 でき る空間 と時 間 また仲 間を確保 してい くことは,私 た ち全 ての大人の責務である とおもいます 参考文献 な文献のみを示 します 詳細は中村 2004.中 村・ 青木 2011を 参照下さい) ・高田明和 2001 元気な脳の育てかた ポプラ社 (主 ・寺沢宏次 2001 子どもの脳に生きる力を オフィス・ェム ・宮崎良文 2002 木と森の快適さを科学する ・ ― ″ " " ¨ 4・ ・・ プ 年 ∞ ロ ● ∞ ∞ 70∞ Ю ∞ 全国林業改良普及協会 ∞ 2002 ゲーム脳の恐怖 日本放送協会出版協会 ・中村俊彦 2004 里やま自然誌 マルモ出版 ・ リチャー ド・ルーブ 2006 あなたの子どもには自然が足 ・森昭雄 大●●コ■のシナプス(■ )と ●●●●(下 )● 書凛0年 ││に とttう ●lL 4.子 どもの生きる力とやさ しい心を 育む自然・ 命とのふれあい りない 。上 野 ― 彦 全ての動物にとって′成長 に応 じた生きる力の修得 日井晶子 :訳 )早 川書房 2007 LD oADHDの 現状 。中村俊彦 ・ 青木慎哉 はその個体 の存続を左右 します 生 まれてまずは,母 「 親 に しつか り自分の存 在を 自己主張」 し′その庇護 を獲得する ことです (春 科学 77(3)298-299 2011 里 山里 海 の子 どもの 自然体験 と学校 ビオ トー プ 千葉県生物 多様性 セ ンター研究報告 4:183190 しか しその 間 に子 どもは 自立に 備 えて,自 身で食料を探 し出 した り′危険を回避 した りと言 つた 「外界認識」の力を身 につ けなければな り ません 母親 とい つ しょにタンポポを手 にする野の出会いか ら,や がて 自分で歩き出 し地面を動 くダンゴムシやア リに夢中になる そ して近 くの水辺でザ リガニを釣 り′ 友だちとい つ しょに森 に 出かけカブ トムシを捕るよう にもなる 子 どもの成長にともなつて,タ ンポポ世代′ つ4 つた 千葉県平成 26年 度都市農山漁村交流活性化事業委託業務 (農 林水産省 「都市 農村共生 ・ 対流総合 対策交付金 」) ちばならではのグリーン 。ブルーッー リズム 受け入れ事例集 発行 日 平成 27年 3月 発 行 千葉県 編 集 NPO法 人 千葉 自然学 校 ■ 事例集 に 関す るお 問 い 合わ せ 先 NPO法 人 千葉自然学校 043-227-7103 info@chiba― ns net 〒 260-∞ 15 千葉県千葉市中央区富士見 2-3-1 電 話 メール 塚本大千葉 ビル 7階 千葉県 農林水産部流通販売課 電 話 043-223-2963 〒 260-8667 千葉県千葉市中央区市場町 1-1 ■腱 ■
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