『噺家とお酒』 『ごあいさつ』 桂 歌之助

本日の出演者
『ごあいさつ』
本日はご来場頂きまして誠に有難うございます。今年最後のさらら寄席で
す。
この一年を振り返りまして印象的なのは、仕事で海外へ行く機会に恵まれた
事です。
六月には客船上で落語をする仕事で寄港地の台湾を訪れましたし、十月
にはハワイ公演がありました。
生まれて初めてのハワイでしたが、ハワイ島の花々が放つ鮮やかな色彩、
溶岩台地の異形、そしてオワフ島の青空と白い砂浜などを見ると、何故
人々がハワイに思い焦がれるのかが良く分かりました。気候が一年を通して
温暖なので、常に成長する木々や果実の大きいこと。また驚いたのが、その
大木には年輪が無いのだそうです。
五日程の滞在で穏やかな気候を満喫しましたが、やはり日本のメリハリの
効いた季節の変化は素晴らしい。これから寒さと共に、世間の慌ただしさも
増しますが、それは華やかな正月が近づくという事。日本らしいこれからのひと
月が私は大好きです。
桂 歌之助
『噺家とお酒』
「噺家さんはやっぱりお酒をよく呑むんでしょうね。」と言わ
れます。
確かに我々の商売、出番の後は打ち上げが付き物になっ
ています。 しかし中には体質的に呑めない噺家もいるので
すが、それでも打ち上げには参加する。酔うのが目的では
なくて、そこでワァワァと喋るのが目的だからなのでしょう。
一方、好きな噺家はよく呑みます。しかしこれは、一般の人よ
りお酒に強い訳ではなく、仕事が少ないので翌日の事を考
えなくて良いから。言わば噺家は、毎日が花金なのです
ね。