大豆の開花は終わり、莢ができる時期です。 防除の徹底と雑草対策で

庄内総合支庁産業経済部農業技術普及課
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大豆の開花は終わり、莢ができる時期です。
防除の徹底と雑草対策で歩留まりの良い大豆に
本年の生育は春先から天候が良く、適期の作業で良好に経過しています。雑草の発生
も例年より少なく、葉色も濃く、順調な生育となっています。
病害虫の発生は少なく推移していますが、圃場の観察を行い、今後も病害虫の発生に
は留意しましょう。
順調な登熟のために、病害虫防除と、雑草除去による登熟環境の良化を図りましょう。
1.病害虫防除(紫斑病・マメシンクイガの防除)
紫斑病・マメシンクイガは大豆の子実品質に影響を及ぼすため、遅れないように防除
を行いましょう。
マメシンクイガは、日長に反応して発生するため、毎年同じ時期で、8 月下旬から 9
月上旬に産卵盛期となります。ふ化幼虫の侵入を防ぐため、8 月 25 日頃と 9 月 5 日頃の
2 回が基本です。
紫斑病は莢の大きさや豆の肥大で感染しやすい時期があり、大豆に合わせ開花後 25 日
~35 日に防除を行います。同時防除の場合は、適期にずれが生じますがマメシンクイガ
の発生時期に合わせ、防除を行いましょう。
表1 紫斑病・マメシンクイガの防除適期と防除時期の目安
品種
開花期
紫斑病防除適期
(開花後 25~35 日)
リュウホウ
7 月 25 日頃
8 月 19 日~8 月 29 日
エンレイ
7 月 28 日頃
8 月 22 日~9 月 1 日
里のほほえみ
8 月 1 日頃
8 月 26 日~9 月 5 日
1 回目防除(8 月 25 日頃)
紫斑病+マメシンクイガ
紫斑病の被害粒
マメシンクイガ防除適期
1 回目:8 月 25 日頃
2 回目:9 月 5 日頃
(前回散布の約 10 日後)
2回目防除(9 月 5 日頃)
マメシンクイガ
マメシンクイガの食害
2.その他の病害虫防除
1)ジャガイモヒゲナカアブラムシ
平成 12 年に庄内で大発生し、被害の大きいところ
では早期落葉・大幅な減収となりました。
葉に黄色い斑点があったら葉裏を確認しましょう。
1 枚の葉(小葉)に 10 匹以上のアブラムシが確認でき
るようであれば、アブラムシの防除を検討しましょう。
薬剤は、葉裏にいるアブラムシにしっかりかかるよう
に散布しましょう。
葉裏のジャガイモヒゲナガアブラムシ
2)ウコンノメイガ
年2回発生します。葉が巻いていて中を開くと透明が
かったアオムシがいます。幼虫は、1~数枚の葉を縦長
の円筒状に巻き込み、糸で綴り合わせ、中で蛹化します。
ウコンノメイガによる葉巻
3)マメハンミョウ
成虫は、雄 11~14mm、雌 14~19mm、細長い甲虫です。
近年、発生が多くなっており、本年も発生がみられます。
集団化して大豆の葉を食害します。
体液には毒があり、皮膚につくと、水ぶくれができて
やけどのような症状を起こします。幼虫はイナゴやバッ
タ等の卵を食べます。
食害するマメハンミョウ
3.雑草対策
○適期に中耕・培土が入れたことから、雑草は平年より少なくなっています。すでに、除草剤の
効果が期待できないくらい大きい雑草は、実(種)が付く前にほ場外に搬出するなど、この時期
ほ場を見回り、大豆周りの除草を心がけましょう。
○うね間散布とされている除草剤は大豆の茎葉にかからないように散布します。株間に残草が
ある場合は、手取り除草が必要です。
○今の時期に、雑草対策を行っておくと、秋に思いがけなく大きくなった雑草の抜き取りをする
手間が省けます。さらに、草との競合がなくなり、大豆の生育を助けます。
農薬はラベルをよくみて適正に使用しましょう!
熱中症対策も忘れずに!
機械操作は慎重に、安全に!