ガス車両に行う作業 ガスエンジン車両に関する一般情報 - TIL

ガス車両に行う作業
ガスエンジン車両に関する一般情報
ガスエンジン車両に関する一般情報
ガス車両とは、車両用ガスを燃料とする車両の総称です。車両用ガスはバイオガ
ス、天然ガス、またはこれら 2 種の混合ガスで構成されます。本文書では、車両
用ガス CNG ( 圧縮天然ガス ) および LNG ( 液化天然ガス ) を燃料とする車両につ
いて説明しています。
車両用ガス
警告!
天然ガスやバイオガスを成分とするビークルガスは、主にメタンでできています。
メタンは極めて可燃性が高く、注意して取り扱う必要があります。
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• CNG: 高圧で保管される天然ガス。天然ガスは高圧でも気相にあります。
• LNG: 非常な低温で保管され、CNG よりエネルギー密度が高いガス。天然ガスを
-162°C まで冷却すると、気体は液体になります。この液体を蒸発させて天然
ガスとして使用することができます。
廃棄物回収トラックは典型的なガスエンジン車両です。
重要!
タンクを移動してはなりません。タンクのポジションは車両証明書に含まれてい
ます。
注記:
アイドリング回転時の排出ガス温度は、軽油車両と比べてガス車両の方が高くな
ります。エキゾーストシステムに非常に近い場所にコンポーネントを配置しない
でください。
詳細情報は、文書「高温コンポーネントに関する火災のリスク」に記載されてい
ます。
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権限のないスタッフまたはトレーニングを受けていないスタッフが、ガスシステ
ム ( ガスタンクを含む ) を改変したり取り外してはいけません。ガスシステムへ
の損傷を防ぐために、いずれの作業も十分気を付けて行ってください。
通常、車両用ガスは無臭ですが、場合により着臭剤が添加されています。ガス臭
がすることで、ガス混合物が可燃性を帯びる前に、ガスシステムの漏れを発見し
やすくなります。
様々なリスク
• メタンは非常に可燃性が高く、場合によっては人の衣類からの静電気火花でも
着火します。
• メタンは空気より軽いため上昇します。そのため、作業場全体を適切に換気す
るようにしてください。
• メタンの炎はほとんど見えないため、特に注意が必要です。
• ガスは空気混合率 5 ~ 15% で燃焼します。
• ガスが充満して可燃性の混合気になると、爆発するおそれがあります。
• ガスは有害ではありませんが、空気との混合率が 50% 以上になると酸素の割合
が下がるため窒息する危険性があります。
• ハロゲン類、窒素酸化物およびアセチレンがあると、ガスが爆発する恐れがあ
ります。
• CNG ガスシステムは高圧になっています。圧力は最高で 200 bar(15°C のと
き)に達することがあります。
• LNG ガスシステムでは、圧力は最大 16 バール、温度は -160°C にまで下がりま
す。
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注記:
ガスの取り扱いについて多くの安全注意事項があるのは、主に次の 3 点が理由と
なっています:
• ガスが可燃性であること
• CNG ガスシステム内が高圧であること
• LNG タンクの中身は低温液体 ( 温度が -160°C 以下の液体 ) であること
圧力タンクは常にリスクをはらむものですが、温度変化や外部からの影響を受け
るとリスクは特に増大します。ここにガスの可燃性が加わると、リスクはさらに
大きくなります。
火災防止要件
各国の法規制および指示事項に従ってください。
重要!
ガスの抜き取りやコンポーネントの交換などのガスタンクの作業を行う際は事前
に Scania ディーラーに連絡し、作業の進め方を決めるようにしてください。
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安全上の注意事項
• ビークルガスを取り扱うときは地域の法規制に従ってください。例:
– 国の労働法の安全衛生事項
– 高圧容器の作業に関する法規制
– 爆発物に関する法規制
• ワークショップのベンチレーションシステムにある電気コンポーネントは、分
類計画に適応するものでなくてはなりません。火災防止型換気設備が必要です。
• ガスタンク周辺での喫煙は禁止されています。
• 溶接や研磨など、熱や火花を発生する金属加工作業を車両付近で行わないでく
ださい。
• 溶接作業はタンクから遠く離れたシャシでのみ行ってください。文書内の詳細
作業概要を参照してください。
• コンポーネントが露出している箇所で作業を行う際は、火花が散らない工具ま
たは承認されている電気工具のみを使用してください。
• 火災の場合は、ワークショップから車両を出してください。ガスタンクは安全
のために取り出さなければなりません。
• ワークショップ内の全員に、車両の遮断バルブの位置を教えておきます。
• 各ガスタンクを個別に遮断します。
• 燃えているガスの火炎を絶対に消そうとしないでください。代わりにガスの流
れを止め、火が燃え移りそうな周辺の物を取り除いてください。
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バッテリーの傍に、燃料流量用の手動コック (1) と CNG ガスタンク内の圧力を示
す圧力ゲージ (2) があります。
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ワークショップ内での作業手順
ワークショップ内での作業手順
重要!
ガスエンジン車両の作業を行う場合、必ず次の処置をしてください。
ワークショップ内へ車両を搬入する前:
1. ワークショップへ搬入する直前に、車両に燃料を充填しないでください。外気
温の低いとき、ガスは温まると圧力が上昇するためこれは特に重要です (CNG
タンクのみ該当 )。
2. 目視点検を行い、測定器具 588 875 を使用して漏れを点検します1。計測装置の
説明書に従って計測装置のキャリブレーションが行われていることを確認しま
す。
3. ガスタンク側でガスの供給を止めます。CNG タンクにはコックが 8 つ ( 各シリン
ダーにコックが 1 つずつ )、LNG タンクにはコックが 1 つ ( タンクに 1 つ ) あ
ります。エンジンが停止するまでアイドリングして、燃料系統を空にしてくだ
さい。
この方法でエンジンが停止しても、システム内には 10 バールの圧力が残っていま
す。
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警告!
CNG ガスタンク側でガスの供給を止めます。
1. この器具は Scania ディーラーより購入可能です。
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ワークショップ内での作業手順
ワークショップ内へ車両を搬入した後:
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1. ガスパネルのプレッシャーゲージがゼロを指しているか点検します。
2. 測定器具 588 875 を使用し、漏れがないか再度点検します。
3. 車両フロントガラスの内側に「燃料系統は空です」と書いたサインを掲示しま
す。
4. 車両の周囲を立ち入り禁止エリアにし、関係者以外の人が車両に近づけないよ
うにします。
5. 車両が置かれているワークショップのサイト入口に警告サインを立てます。万
が一火災が発生した場合は、建物内に可燃性ガスの圧縮タンクがあることを消
防署に通報しなければなりません。
6. 燃料系統のコンポーネントの取り外しおよび分解を行うときは、下記を念頭に
置いてください:
– バッテリー接続を外して車両の電力を落とします。
– 燃料ラインに少量のガスが残っている可能性があることに注意してくださ
い。
– コンポーネントの分解には細心の注意を払ってください。
7. ガスと周囲との温度差によって、LNG タンク内の圧力が上昇します。圧力が 16
バールを超えないことを必ず確認してください。数日間車両を停止させていた
場合など、圧力がこの値を超えると、セーフティバルブが開いてベンチレー
ションパイプからシステムのガス抜きが行われます。排出されたガスを整備工
場外へ出すようにしてください。
ガス抜き
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シャシの改変
シャシの改変
架装の作業
警告!
いかなる状況であっても、架装はガスライン用ブラケットに固定されていなけれ
ばなりません。
LNG タンクの充填:
1. 加圧ホース
2. リターンホース
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• ガスシステムのコンポーネントは、主にトラックのフロント部に位置していま
す。いずれの作業も、ガスシステムを改変することなく細心の注意を払いなが
ら行ってください。
• ガスシステムのブラケットは関連機関の承認を特別に得たものであるため、ブ
ラケットを改変しないでください。
• ガスシステムの付近に穴を開けるときは十分注意してください。
• 架装がガスシステムのバルブへのアクセスの妨げにならないようにしてくださ
い。
• バルブや接続部を塞がないようにしてください。また、これらの近くに高温コ
ンポーネントがないことを確認してください。
• 架装およびアンダーランプロテクションがタンクユニットへのアクセスを邪魔
することがあってはなりません。
• 架装を分解しなくても、検査のためにタンクが簡単に取り外せる必要がありま
す。
• 架装を取り付けるときは、作業がガスシステムの近くで行われるため、火花を
発生させない工具のみを使用してください。
保護カバーを改変するときは、本文書の説明に従ってください。
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シャシの改変
CNG タンクの保護カバー
• 保護カバーの上側部分は、フレーム上端から 110 mm 突き出した状態になりま
す。
• 保護カバーは、UN/ECE ( 国連欧州経済委員会 ) 指令 R110 の要求事項を順守す
るためにのみ改変できます。
• 保護カバーは、タンクやそのコンポーネントを水、塩分、砂、紫外線、および
腐食性の液体から保護します。
保護カバーは法的要求事項があるため必 改変は、UN/ECE ( 国連欧州
要です。損傷を及ぼす現象、飛び石、水 経済委員会 ) 指令 R110 を満
および紫外線などから保護します。
たす場合、許可されていま
す。
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保護カバーは技術上および安全上の理由 改変は認められていません。
から必要です。バルブなどを保護しま
す。
前方上側から見た保護カバー
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改変は認められています。
安全性を高めるための保護カバー。カ
バーは網で作られたものでもよく、架装
によって保護されていると考えられる場
合は、すべて取り外してもかまいませ
ん。
後方下側から見た保護カバー
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シャシの改変
溶接
ガスタンクを装備した車両に溶接作業を行う際は、上記すべての安全規則に従わ
なければなりません。ガスタンクおよび燃料系統は完全に空にする必要がありま
す。
以下の推奨事項は、火花が発生する可能性のある作業や高温になる作業などに適
用されます:
• ガスタンク付近で溶接を行ってはなりません。このような作業を行う際には、
安全な距離としてタンクから必ず最低 1 メートル離れてください。例えば、次
の指針を守る場合、リヤオーバーハングの作業は安全であると考えることがで
きます。
• 作業中にガスタンク ( ケース、バルブなどを含む ) が熱くなったり、損傷や何
らかの影響を受けないようにしてください。例えば、タンクにスパッタが当
たってはなりません。
• 空気中のガスの比率が上昇するおそれを避けるため作業は屋外で実施する必要
があります。
• また、ガスが熱くなったり溶接ガスなどと混ざり合うことによっても爆発する
場合があるため、空気中にガスが存在する恐れもタンクからのガス漏れの恐れ
も絶対にあってはなりません。多くの場合、溶接ガスは熱より危険です。
• 作業中にフューエルシステムのいかなる部品も改変してはなりません。
• いかなる場合においても作業中はずっとタンクにシールドを施しておいてくだ
さい。
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シャシの改変
ガスタンク
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タンクを取り外す場合は、タンクを確実に完全密封してください。
地域の規則や法規制に従ってタンクの保管や取り扱いを行ってください。
60°C を超える熱や大きな温度変化から保護してください。
車両用ガスが入っているタンクは、換気の行き届いた場所に、火種となる可能
性があるものから遠ざけて保管してください。ガスエンジンを装備した車両の
作業を行うときは、ガスタンクにてガス供給を手動で遮断しなければなりませ
ん。
• ビークルガスの種類が天然ガスおよびバイオガスであれば、いずれの比率でも
混合させることができます。これは、エンジン自体が、自動ラムダコントロー
ルを利用して自動で混合気に合わせて調整を行うためです。
ガスライン
• 架装の組立中、ガスラインは取り付けられているその他のコンポーネントから
離れており、それらのコンポーネントとの擦れ合いがないようにしてくださ
い。
• どのような方法であっても、ラインの再配策、延長、短縮、または改変は行わ
ないでください。
• ガスシステムのコンポーネントに損傷の兆候がある場合は、許可を受けている
人員が直ちにそのコンポーネントを交換してください。
• 爆発するおそれがあるため、圧力がかかっているラインおよびそれらのコン
ポーネント用のブラケットやアタッチメントを締め付けたり緩めたりしないで
ください。
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ガス車両に行う作業
シャシの改変
ペインティング
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ガスシステムの金属部品のみ塗装することができます。
遮断バルブおよび各種マーキング箇所は塗装しないでください。
ガスラインには、地域の法規制に従ってラベルを付けなければなりません。
60°C 以上の温度で塗装を乾燥させる必要がある場合は、塗装前に次のことを
実施してください:
– タンクを取り外します
– 不活性1 ガスでシステムのパージを行います。
エキゾーストシステム
警告!
エキゾーストシステムは、いずれのガスシステムの部品からも 100 mm 以上離れた
位置に配策してください。ガスシステムから 200 mm 以内の位置にエキゾーストシ
ステムがある場合は、遮熱板を使用してください。これは、架装メーカーによっ
て取り付けられたその他の熱源に対しても適用します。
遮熱板に関する詳細情報は、文書「高温コンポーネントに関連する火災のリスク」
に記載されています。
• サイレンサーのアタッチメントを改変しないでください。
• サイレンサーとターボチャージャー間のラインは延長しないでください。
1. 環境と化学反応を起こさないガス。
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